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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.07.Wed
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2008'11.11.Tue
燃えるスカートの少女 (角川文庫 ヘ 14-1)燃えるスカートの少女 (角川文庫 ヘ 14-1)
エイミー・ベンダー [訳]管 啓次郎

角川書店 2007-12
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同じ作者の『わがままなやつら』が面白かったので、こちらも読んでみる。
癒されぬ孤独感で満ちた短編集。
突飛で時に残酷な話を、さもよくある話のように淡々と無愛想に描く筆致が面白い。
で、びっくりしながら読んでいると、普遍的な真実をふとつきつけられたり。

巻末の訳者あとがきが詩的だったのが印象的。
「本屋さんで時間をつぶすことはよくあるでしょう?自分もそういうひとときに、この本に出会いましたよ」というだけの文章がなんだかやたら美しくて。
他の翻訳も読んでみたい・・・!


歌の祭り歌の祭り
Jean Marie Gustave Le Cl´ezio 管 啓次郎

岩波書店 2005-03
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この本が同じ訳者だ。
(友達がブログで採り上げてた本・・・!)
読んでみます。
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2008'11.07.Fri
見知らぬ場所 (Shinchosha CREST BOOKS)見知らぬ場所 (Shinchosha CREST BOOKS)
ジュンパ・ラヒリ [訳]小川 高義

新潮社 2008-08
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今年はいい翻訳小説をたくさん読めた当たり年。
(『ラナーク』みたいな大外しもあったけどな)
引っ越して、図書館カードを作って真っ先に予約した本がこれだった。
この人の小説は、静かに静かに寄ってきた何かにがっと心臓をつかまれる。

今までの作品と同様に、異国で暮らすインド人が主役なのだけど、従来のような「インドの文化を背負ったまま、異国の社会で生きて行く」という状況の中で揺れ動くアイデンティティ・・・といったテーマは薄れた感じ。
作者自身が、そういう心理状況から脱した、ということなのかなぁ。
どの年代の人物を描くにしても、「人生」に対する見方が、前より成熟したように思う。

考え方、生活環境、家族構成・・・人間はどんどん変わっていくもので、その変化をそのまま、作品の中にいい形で反映できる作家さんは貴重だと思う。
これから先も読み続けたい・・・。
2008'11.03.Mon
あたしと魔女の扉 (ハヤカワ文庫 FT ラ 3-1) (ハヤカワ文庫 FT ラ 3-1)あたしと魔女の扉 (ハヤカワ文庫 FT ラ 3-1)
ジャスティーン・ラーバレスティア [訳]大谷 真弓

早川書房 2008-10-09
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旅行のお供に選んだファンタジー。

母親と二人でオーストラリアを放浪して育った少女が主人公。
二人は、少女の祖母から逃げ回っている。
母親によると、彼女は自分を魔女と信じる邪悪な人間らしく、捕まったらどんな恐ろしいことをされるか分からない。
逃亡生活の中で母親は精神のバランスを崩してしまい、主人公は残る肉親である「魔女」に引き取られることになってしまう。

・・・という設定で、解説に「魔法か狂気かの究極の選択に迫られる」とあったところから、違う妄想をしてしまった。
実は母親の方が狂人で、自分の母親が魔女であるという妄想を娘に押し付けて育てていた・・・という話かしら?と。

勝手に物凄く複雑な親子コンプレックスの話を想像して読んでいたので、複雑な解釈なぞ必要のない「書いてあるそのまま」な展開に拍子抜け。
3部作だそうで、プロローグ的な位置づけだから内容が薄いのかも知れないけれど、あまりこの先に対して魅かれるものがないかも。
2008'10.23.Thu
私たちがやったこと (新潮文庫 フ 50-2)私たちがやったこと (新潮文庫 フ 50-2)
レベッカ・ブラウン [訳]柴田 元幸

新潮社 2008-09-30
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表紙の絵だけで、ちくま文庫かと思った。
何でだろ。こういうイメージ。ちくま文庫って。
時間潰しに読むものを探していて、表紙買い。柴田 元幸の訳だし。

恋愛短編小説集で、ほとんどの登場人物が、名前を与えられていない。
「私」や「あなた」で済まされる。
著者はレッテルを貼るなら「レズビアン小説家」なのだそうで、だから余計に、登場人物が同性カップルな可能性もある。
うーん、カップルといえば異性だと反射的に思って読んでしまうなぁ・・・と、自分の固定観念を反省したりした。

面白いといえば面白いんだけど、なんだかみんな勝手で閉鎖的でねえ・・・。

過去に山田詠美の著作の感想で、勝手にしろと書いたけれど、恋愛自体が、勝手でひとりよがりなものなのかも。
つまり、がちがちの恋愛小説っていうのが、自分は苦手なだけなのかも知れない、とちょっと思った。
2008'10.20.Mon
追放されしもの (クロニクル千古の闇 4)追放されしもの (クロニクル千古の闇 4)
ミシェル・ペイヴァー [訳]さくま ゆみこ [装画]酒井 駒子

評論社 2008-04
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しっかりしたフィールドワークを土台にした、落ち着いたファンタジー4巻目。
いつも「シンプルな本筋より世界観がミリョク!」みたいな書き方をしてしまうけれど、今回は主人公がタイトル通り追われる身になったこと、そして思春期を迎えたキャラクター達の心の、微妙な変化がきちんと描かれていることとで、今までになくストーリーの方に夢中になって読み進めることができた。
いくら「仲良し」でも、全く同じ関係でいることはできないんだよね。

続きが本当に楽しみ。また次は来年かなぁ・・・。
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