2008'10.17.Fri
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シュガー&スパイスの原作を読んでみたのでした。
肉体労働に従事する男性が登場する短編集。
とび職、ごみ収集、ガソリンスタンドのサービスマン(これが映画原作ね)・・・。
各職業について、もっとマニアックに突っ込んだ描写があるとよかったんだけど、そういうわけでもなく。
どれも「男の肉体や汗への女の勝手なアコガレ」の域を出ないような。
登場人物もみんななんだか上から目線だし、それぞれが自己完結していて勝手な感じ。
日本語は綺麗だし、上手だし、すんなり読めたけれども、好きかといわれると、うーん・・・。
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2008'09.25.Thu
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同人誌としては初めての文化庁メディア芸術祭マンガ部門受賞らしいです。
それよりもむしろ惹かれるのは「上橋菜穂子氏絶賛」。
五十嵐大介の編集者さんのブログに「西日本新聞のコラムで『海獣の子供』が紹介されました!」というエントリが載った時に、紙面の写真もアップされていたのですが、そこで並んで紹介されていた作品だったのです。
好きな絵柄だし、五十嵐作品と並べられてるしと気になったものの、写真では文字までは判読できないサイズだったので、誰の何ていう作品なのか分からず。
検索しまくってようやく発見したら、上橋さんご推奨。
・・・こういう運命っぽいパターンは当たりが多いはず!
引越し後の楽しみにすることにして、とりあえずメモ。
2008'09.25.Thu
それにしても。
自分的にはものすごい量の本やCDを放出しているというのに。
さらに、残すCDはソフトケースに入れ替えて嵩を減らしているというのに。
一向に荷物が減ったように見えないのはどういうわけだろう。
なのに新刊まで買って読んでいる始末。
自意識過剰者の教祖(?)・歌人ほむほむのエッセイ集文庫化。
「ほんとうはこういう意図があってやっていることなのにああ見えてしまったらどうしようこう思われたらどうしよう」と妄想したり、全然気にする必要がないのに「ぼくにはあだ名がない」とか「存在感が薄いらしい」とかで悩み狂ったり、勝手なぐるぐる満載。
ああ!これに共感してしまうのってよくないのかな?でもでも・・・!
色んな時期に書いた文章をばらばらにまとめたらしく、ある文章では「40過ぎて実家暮らし独身」だったのが、突然恋人が出現する文章があったり、妻が出現したり、また独身に戻ったり。
どうせなら、こんなぐるぐるな作者も、遂に幸せに・・・!という本としての裏盛り上がりを作るためにも、時系列くらいはそろえて欲しかった気がする。
-----
(追記)
古書を買うくだりを読んで、「買っても読まないであろうことを自覚しつつ本を買う」というのはアリなんだなぁと。
いつもそういう本の購入には罪悪感があったのだけど、(もちろん本としての要素を含んだ上での)「物」としてはアリなんだ。
自分的にはものすごい量の本やCDを放出しているというのに。
さらに、残すCDはソフトケースに入れ替えて嵩を減らしているというのに。
一向に荷物が減ったように見えないのはどういうわけだろう。
なのに新刊まで買って読んでいる始末。
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自意識過剰者の教祖(?)・歌人ほむほむのエッセイ集文庫化。
「ほんとうはこういう意図があってやっていることなのにああ見えてしまったらどうしようこう思われたらどうしよう」と妄想したり、全然気にする必要がないのに「ぼくにはあだ名がない」とか「存在感が薄いらしい」とかで悩み狂ったり、勝手なぐるぐる満載。
ああ!これに共感してしまうのってよくないのかな?でもでも・・・!
色んな時期に書いた文章をばらばらにまとめたらしく、ある文章では「40過ぎて実家暮らし独身」だったのが、突然恋人が出現する文章があったり、妻が出現したり、また独身に戻ったり。
どうせなら、こんなぐるぐるな作者も、遂に幸せに・・・!という本としての裏盛り上がりを作るためにも、時系列くらいはそろえて欲しかった気がする。
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(追記)
古書を買うくだりを読んで、「買っても読まないであろうことを自覚しつつ本を買う」というのはアリなんだなぁと。
いつもそういう本の購入には罪悪感があったのだけど、(もちろん本としての要素を含んだ上での)「物」としてはアリなんだ。
2008'09.12.Fri
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旧ユーゴ関連の本を何冊読んだか分からない位なのに、未だにさっぱり何があったか把握できていない。
読めば読むほど分からなくなる。
当事者達も、セルビア人とクロアチア人とムスリムの3民族に分けて、物事を単純化し、権力抗争や戦争の名目に活用していた部分はあるし。
他国も紛争への介入時に、やっぱり同じようにぱっきり分けて、どの民族が正しいだの悪党だのレッテルを貼って理解しようとしていた。
でも実際はそんな単純な分類では済まないわけだし、「正しい事情」は星の数ほど存在する。
そして、民族が3つに分類できようとも、結局、同じような文化の下で殺戮しあったからこそ、事態がエスカレートしたと言えるそうな。
本書は、ボスニア内戦を題材に、「ジェノサイド」について分析した本。
もう誰彼構わず無差別に殺すのは「マス・キリング」で、特定の集団を殺すのが「ジェノサイド」なのですね。知らなかった・・・。
組織立って行われた殺戮も多いのだけど、常々思っていた日常的な嫉みや欲望が(隣の奥さん綺麗だな、とか、向こうのブドウ畑の方が何で儲かってるんだろう、とかそういうレベル)、「民族紛争」を言い訳に爆発した集団殺戮も数限りなく。
規律やら規制やらが外れたり、または何らかの名目が与えられてしまったら、人間は何をやらかすか分からないですね、という事実が一番印象に残った。
今、日本で起きる通り魔的な犯罪って、犯人が「誰でもよかった」と答える事が多い。
本当に「誰でもよかった」のか、何かもやもやとした対象があるのに、それが上手く言えないから「誰でも」になってしまうのか、どっちなんだろう。
今、「格差社会」位しか用語がないけど、その格差に、もっと区別の付けやすい分類方法があったなら、より対象が絞られて、よりピンポイントな犯罪も起こるのかも、などと想像したり。
何事も、分類方法を作って、ラベルを貼って、単純化すれば分かり易くなる。
でもそのせいで物事の本質が見えなくなったり、また、状況が悪化したり、することも多いのだよね。
2008'09.10.Wed
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(前のエントリ参照)
そういうわけで、ちょうど文庫化されたので原作も読んでみた。
それにしても、何故レビューで「あまり本を読まない私でもすぐ読めちゃいました!」系の発言がある本って、常にものすごく読みづらいのだろうか。
文章としての言語表現と、そうでない言語表現の間に、深くて幅広い川が流れているのか。
まあそれはいいんですよ、作者は「作家」ではないんだし。
ちょっと映画監督が自作をノベライズした感じと似ていて、作者の中にあるステキなものを、向いていない表現方法で出してしまった、という様相は否めないものの、でもなかなかいい連作でした。
各短編の関連付けもさりげないし、映画化したくなる気持ちも分かる。
あと、前に『イカとクジラ』を観た時にも共感した、「自分にとって物凄く大事な思い出が、それを共有していると思っていた人にとっては、記憶にすら残らない瑣末なことだった、なーんてこと、よくありますよね」、という諦観と、「けどでも人とつながっていきたいものですよ」、がちりばめられているのもいい感じ。
「小説」としては難が残るにしても、この素材をですよ、映像化のプロががっつり料理したら、さぞやステキなものができるであろうと思われるのに、何であの映画なんでしょうね。
宮崎あおいが演じた弁護士さんの役をでっち上げたのはまあ、やむないとしても、原作に漂っていた、諦めと希望を全部裏返して安直ご都合主義にしてしまっているあたり、「テレビのだめさ」を象徴しているような気がしてなりません。
おのれ日テレ。
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