2008'07.06.Sun
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ヒストリー・オブ・バイオレンスの第二弾、というべき作品。
前作のアメリカからロンドンに舞台を移し、今度はヴィゴがロシアンマフィアを熱演。作中のセリフの半分はロシア語(たぶん英語もロシア訛りなのだろうけど、私には分らず・・・)。
なんでも、単身シベリアに乗り込んで、ロシア語やロシアンマフィア文化を実地で学んできたそうな。あの顔でそんなことしたら、ガチで危険な目に遭いそうだけど、無事の帰還何よりでした。
そうやって取り入れてきた、マフィア文化が、刺青やらジェスチャーやら、作中にふんだんに取り込まれているそうで、しっかり作り込まれた世界観で1時間40分、ロシアルートの人身売買を巡るヤクザのぐちゃぐちゃドロドロが描かれる。
濃厚。映画はこの位の尺が好き。
個人的には、「完璧だ!」とほれぼれした前作には及ばなかったのだけど、それでも映画として美しいとは思った。
この監督に特有だった、あからさまなグチャグチャ非現実世界は影を潜め、テーマが日常生活からちょっと路地に入ると存在する、現実の恐ろしい世界や、どの人間の中にも確かにある狂気や変態性の方に、シフトしてきていて、それを、ギリギリの上品さで描く、ひやひやした感じが好き。そして暴力を、あくまでも痛そうで、残酷で、格好良くなんかないものとして描くのも、筋が通っている(観ている方はつらいんだけど、でも正しい)。
ナオミ・ワッツが「こちら側の善意」として存在していて、光のように綺麗だった。
なんだか最近、異国で暮らす東欧コミュニティについて読んだり観たりが多い。
興味がある事って、自然と集まってくるんだなぁ・・・。
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2008'07.03.Thu
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試写会に誘ってもらって、アルベール・ラモリス監督の「白い馬」と「赤い風船」の二本立てを見てきた。・・・先月。今流行りの、デジタルリマスターって奴でしょうか。
短いながら二作ともきっちり「映画」で、楽しめた。
「赤い風船」は製作当時(1956年)、まだまだ白黒映画が主流。
その時にこれを観た人々の味わったインパクトや色彩に対する感動を、想像しながら観ないといけないんだろうなー、と思った。
やっぱりいくら「不朽の名作」といわれる作品でも、観る時代によって、人に与えるものは違ってくる。
その作品が他に与えた影響の方を先に観てしまっていることも、よくあるし・・・。
「赤い風船」観て、色とりどりの風船が噴水に飛び込むソニーのCMの方を連想する若人もいるんだろうなー。
「白い馬」は、野生の馬と仲良くなる少年の話・・・という予備知識で観た。
牧場の男たちが馬狩りをして、調教しようとするのだけれど、白い馬はどうしてもなつかない。でも何故か、少年のほうには従う。
で、少年もやっぱりその馬を繋いで飼おうとするのね。
自然のまま置いといて、仲良くする・・・ということにはならないんだなぁ、と。
「従わせる」という発想はやはり西洋っぽいような。
2008'06.01.Sun
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渋谷シネマヴェーラの鈴木則文特集に行って来た。
昨年に続いて2回目の特集。今日は監督のトークショウつき。
二本立てのもう片方は、ふざけたエロ話の『温泉スッポン芸者』で、それを観て、トークショウ(監督さんカワイイ!)が終わってから、上の『どえらい奴』。あまりにもまっとうでよい人情物で、終わって第一声が「普通に面白かったねえ」だった。
2本とも尺が90分弱。
この位で、かちっと面白い物が理想だなー。
エロバカ話から人情物まで、引き出しの多い監督さん。
社会が求めるものが違う時代に生まれていたら、普通の意味で(失礼)巨匠だったかもね・・・と話しながら帰途に。
それにしても場内があまりにも静まり返っていて、面白い映画が終わって、電気がついた時の「おお〜」みたいなどよめきが皆無(上映中は爆笑とか起こってたのに!)なのにびっくり。
男性一人客がほとんどだったせいなのか、客層が、変に真面目に「こういうのを観ないとマニアじゃないぜ」って気合いの方が勝ってる人が多かったのか・・・。
もうちょっと娯楽作品をダラダラ楽しむ空気の中で観た方が、より楽しめたんだけど、と、我が侭な心残りも。
そういう意味ではフィルムセンターの方が楽しく観られるのです。
御年寄り中心な分、「観客」としてこなれてる人が多いのかしら。
2008'05.31.Sat
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↑・・・の監督の新作、『アフタースクール』を観てきたけれど、何を書いてもネタバレになりそうで怖くて感想が書けない。
誰にも何の迷惑をかけずに、あの作品のレビューが見事に書けたらスゴイ才能だと思う。
やっぱりまるっきり白紙で見た方が楽しめるし、あまりにも大きい期待とか、騙されないぜ!っていう気合いとか、そういうのもない方がいいから、煽らないほうがいいし。
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今日、ノベライズの最後の章(というかエピローグ)だけ立ち読みして、「え!最後のシーンってそんなに人が映ってたんだ?」と気づかなかった事実が。
わーん、また見なくては・・・。
2008'05.09.Fri
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ふとスパイク・リー入門開始。
『25時』以外だと、たぶん『5ミニッツオールダー』しか観ていないものの、短い時間にかちっと言いたい事を詰め込める作家さんだなぁ、と、うっすら気になっていた。
先日同じくオムニバスの『それでも生きる子供たちへ』を観て、やっぱり上手いと思ったので、今更ながら手を出してみる(『マルコムX』じゃないのかよ!)。
さくっと「この登場人物はこういう性格で、今、こういう状況」っていうのを説明するのが見事なんだよね。
昔の映画だと、もうタイトルバックと同時進行であらかた説明してしまって本編にスムーズに入る作品て多かった気がするのだけど、最近、なかなかそういうのがないような。
本作は完全犯罪モノ。
特に思想性はなく、ひたすらシナリオと作品のリズム感と、役者さんの演技を楽しめて、お家で観賞する娯楽映画としては満足でした。
もうちょっと犯人の動機とか、掘り下げてくれたら深い映画になったと思うのだけど、敢えて描かずに軽やかに締めたのでしょうか。
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