忍者ブログ

猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.07.Wed
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2007'11.05.Mon
■残虐記 桐野夏生

新潟少女監禁事件がモチーフ、とのこと。
この本を手に取る際に、下世話な興味みたいなのがなかったといったら嘘になるのだけれど、それを打ち砕いてくれるだけの力を持つ、人間の想像や妄想の力の底知れなさを描いた「小説」だった。
・・・とはいえ、不愉快な作品であるのは事実だし、明確な小説上の真実も示されないので、あまり人には勧められないけれど・・・。

この作者の作品は初めて読んだけれど、他のにも手を出してみようと思った。
不愉快だけど文章に引っ張られるし、その不愉快さも 笙野頼子みたいに受け付けないものじゃない。

人の記憶や嘘の仕組みにすごく興味があった時期があって、あれこれ本を読み漁っていた時分を思い出した。
人の思い込みや願望や妄想が、記憶を捏造してしまう話とか(例えばアメリカで、カウンセラーが患者に対し「抱えている問題の原因は、幼児期に親から性的虐待を受けたせい」と決めつけ、患者が「本当はそういう体験があったのに今まで忘れていた」と思い込まされる・・・という問題が多発している話とか)。
ある出来事に対して、あるのはそれぞれの主観でしかなく、「たったひとつの真実」なんてものは存在し得ないように思う。
あった方が楽なのは確かだけど。

PR
2007'09.07.Fri
78(ナナハチ)78(ナナハチ)
吉田 篤弘

小学館 2005-12
売り上げランキング : 136280

Amazonで詳しく見る by G-Tools


78回転のレコードをめぐる連作。
好きな女の子を男3人でがっちり牽制し合ってガードしてたらひゅるんと全然知らない人に持っていかれてしまう「あれえ?」感がよいです。

これを読んで以来、ウチにたくさんのアナログレコードがやってきたり、たくさんの蓄音機を観賞する機会ができたりして不思議だった。


百鼠百鼠
吉田 篤弘

筑摩書房 2005-01
売り上げランキング : 248058

Amazonで詳しく見る by G-Tools


世界の三人称の物語は全部、天上の百鼠が書かせてるんだって。
わー!
ちょっと空気が春樹の『世界の終わり・・』っぽかった。


クワイエットルームにようこそ (文春文庫 ま 17-3)クワイエットルームにようこそ (文春文庫 ま 17-3)
松尾 スズキ

文藝春秋 2007-08
売り上げランキング : 11646

Amazonで詳しく見る by G-Tools


あまりにもフツウの精神病院小説でびっくりした。
山田詠美が「『十七歳のカルテ』の日本版ノヴェライズとしては上出来だが」と評したそうだけど、なんかほんとそんな感じ。『十七歳のカルテ』みてないけどさ。
たぶんヤバい人じゃなくて、いい人なんだろうな、松尾スズキ。
2007'07.28.Sat
■つむじ風食堂の夜 吉田篤弘
■フィンガーボールのつづきの話 吉田篤弘

『それからはスープのことばかり・・・』が一番美味しそうと思うのー(私信)。

ミクシィで友達に勧めたら、思った以上に気に入って喜んでもらえて嬉しかった吉田篤弘。
私自身がすっかりハマっていて、まだまだ未読の作品があることにわくわくしてしまう。

『つむじ風食堂の夜』はなんとなく、一人で冬の星空を見上げてるような気分になる感じ。
太陽がなくなったらずっと夜なんだなー、宇宙はずっと夜だから、夜って宇宙により近いんだなー・・・なーんていう主人公の思考回路にどっぷりハマる。
・・・あれー?そういえばなんで、太陽があるのに宇宙はずっと夜なんだ・・・?空気がないから・・・?

(調べる)

宇宙空間には光を反射する物が無いので暗いままなんだだそうだ。

自分、何にも知らないな。

『フィンガーボールのつづきの話』はビートルズのホワイトアルバムがキーアイテム。

昔浴びるように聞かされたビートルズだけど、トラウマにならない位にそのものが素敵で、今では自分の中の財産。
ホワイトアルバム大好き。

そうそうこの間、うーさんに「女の人は何で人の服装とか部屋とかに手を出したがるのか」と言われたのに対し「男の人は俺様編集テープとか寄越すじゃん」と言い返したのだけど、なんか考えるにつけそれって女は外見を自分色のに染めたがり、男は中身を自分色に染めたがるみたいで、男のやることの方が罪深い感じがして悔しいな・・・。

・・・罪深く愛してよって曲が昔charaにあったな・・・。

■極上掌篇小説
いしいしんじ 石田衣良 伊集院静 歌野晶午 大岡玲 大崎善生 片岡義男 勝目梓 車谷長吉 玄侑宋久 小池昌代 佐伯一麦 佐野洋 重松清 高橋克彦 高橋源一郎 高橋三千綱 嶽本野ばら 筒井康隆 西村賢太 橋本治 蜂飼耳 平野啓一郎 古川日出男 星野智幸 堀江敏幸 又吉栄喜 三田誠広 矢作俊彦 吉田篤弘

ショートショート集。好きな作家さんのは面白かったし、知らん人のは知る必要がなかった(新しい発見はなかったという意味)。
ばさっと切って終わらせれば「上手いオチ」と思い込んでる人は嫌。
2007'07.09.Mon
■精霊の守り人 上橋菜穂子

『狐笛のかなた』が好印象だったので、こちらも。
比べるとこちらの方がより勇ましい広々した物語。

物語として面白いし、世界の作り方がきちんとしているのと、個人的には何より言葉の使い方がしっくりきて(例えば、荻原規子の『空色勾玉』は会話文が軽過ぎて落ち着かない)、安心して読み進めることができた。
やっぱりファンタジーの書き手って学者さんが向いているのかなぁ。
荒唐無稽なように見えて、「その世界の理屈や文化」がしっかり作られていないとリアリティが出ないものね・・・。

しっかり楽しめるけれど、もっと雰囲気的には「得体のしれなさ」みたいなものがあった方が好みなのも事実で、天沢退二郎あたりを読み直したくなったり。

2007'06.28.Thu
■宇宙でいちばんあかるい屋根 野中 ともそ

孤独な少女が、不思議な老人との交流を通じて自分を確立させていく話・・・というよくあるパターンなのですが、透明感があって、なかなかよい感じでした。

ただ、出てくる固有名詞や「昨今の中学生がやりそうなこと」が、妙にとってつけたよう・・・というか、主人公の年代や生活のリアルさを表現するための、ただの記号っぽくて不自然だなぁ・・・というのが気になった。
著者の経歴を見たら、日本国内には住んでいないようなので、そのせいなのかも知れないな。



・・・それにしても長いタイトルの本ばかり読んでるなぁ。

-----
■フラガール@飯田橋ギンレイ

なるほど、噂にたがわぬ爽やかないいはな・・・(そればっか)。

蒼井優ばかり誉められてるけれど、松雪泰子いいじゃん!せつなくてさ。
・・・というか、自分が年齢的に、蒼井優より松雪泰子の方の役柄に共感しちゃうっていうだけなのか?

ヤシの木をかわいがる植物係のおじちゃんにめろめろ。

松雪泰子の衣裳の60年代ファッションがもうかわいくてかわいくて、古着屋さんに走りたくなりました。今年はああいうブルーのコート買おうかなー。登場シーンで出てきたカラフルなしましまの薄いコートもいいなー。

そうー、なんかもう突っ込みようのないいい〜映画で、だからこそ、忘れられない映画ってほどにはならなかった・・・かも・・・。
[10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18
«  BackHOME : Next »
ブログ内検索
プロフィール
HN:
sha
性別:
非公開
アクセス解析
バーコード

猫の魚辞退 wrote all articles.
Powered by Ninja.blog * TemplateDesign by TMP  

忍者ブログ[PR]