2008'07.04.Fri
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サラエボ生まれの作家さんが、英語で書いた小説。
アメリカに滞在中に故郷が包囲されて帰れなくなり、そのまま異国に残らざるを得なくなったのだそう。
大人になってから、本が書ける位までに、異国語を獲得して行くっていうのは、どんな感じなんだろう。しかも実際の状況が全く分からない自分の国を遠くから眺め、ぞっとする新聞の見出しに心を揺らされながら。
今、この人は何語で考えて、何語で夢を見るのでしょう?
ヨーゼフ・プローネクという人物を、色んな角度から描いた物語。
視点が変わったり、突然時代が変わったり、場所が飛んだり。
結果として、何かまぼろしの人物をずーっと真面目に追っかけていたような、誰かの夢に並走していたような、くらくらした気分になって、それが心地よかった。
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本編とはあまり関係ないのだけど、「サッカーの審判が殺されて、肛門をえぐり取られて発見された」という一節が出てきて。
サッカーの試合を観ていて、審判を心から憎む事というのは、多々あるわけですが、こういうことまでしようという発想は、恐らく日本人にはないなぁ・・・などと、変な所でびっくりしたりした。
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「知りたがりやの猫につまずかないように階段を降りた」という箇所が好き。
こっちを見上げながら足元にまつわりついてくる猫の様子が、ありありとね・・・。
つまり作者は猫飼い経験があるね!
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