2008'04.20.Sun
![]() | 潜水服は蝶の夢を見る 特別版【初回限定生産】 マチュー・アマルリック エマニュエル・セニエ マリ=ジョゼ・クローズ 角川エンタテインメント 2008-07-04 売り上げランキング : 222 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
脳溢血で倒れて、左目のまばたきでしか意志が伝えられなくなってしまった男性が主人公(「潜水服」は動かない自分の身体の例え)。
で、介護の人にアルファベットを読み上げてもらって、該当の文字をまばたきで伝えて、ひと文字ひと文字並べて本を書く話。
作品の冒頭は、身体が動かない主人公の視界そのままの映像。
「右目はまぶたを閉じられないから、眼球が乾かないように縫いましょう」ってことになって、目に縫い針が迫ってきてざくざく縫われて視界が半分になる様子は恐怖だった・・・。
片目だけの、狭くて動かない視界は、かなり観ていてきつく、ああ、これが主人公のつらさか・・・と、ある程度観客に体感させてから、カメラは第三者的な視点に切り替わる。
なるほど、と思った。
この作品は人間の魂がどれだけ自由に飛んで行けるかを描いてはいるけれど、主人公がそもそも文化人で、想像力や創造力に富んだ人物だったというのがポイントなのかもなぁ・・・。
で、女好きでもあって、こんな目に遭っても、看護師の女性の品定めはするわ、献身的に傍にいる奥さんの目の前で、愛人を恋い焦がれるわ。いかにもフランス男性っぽい人間味に溢れていた。
老いた父親が人生の女性遍歴を自慢するところもあったりなんかしてね。
号泣!というのはなかったけれど、しみじみと、じんわりと、いい映画。
PR
2008'04.15.Tue
![]() | SPUN/スパン ジェイソン・シュワルツマン ブリタニー・マーフィ ミーナ・スヴァーリ ショウゲート 2004-12-24 売り上げランキング : 8603 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
この間、好きなビデオクリップについて考えていて、やっぱりSmashing PumpkinsのTry Try Tryが、陰惨だけど忘れられないなぁ・・・そういえば、監督さんが映画も撮っていて、本国公開時から楽しみにしていたのに、結局映画館で観なかったよ・・・と思い至って、宅配で探してみたらありました。
クリップの方もジャンキーのカップルが主人公だけど、こちらの映画も登場人物が全員ジャンキーで全編ラリラリ。でもクリップよりかよほどあっけらかんとしていて、ちりばめられた遊びをへらへら楽しんで観ることができました。
幻覚の表現が時々アニメだった。
ミッキー・ロークがやたらかっこよくってびっくりしたり、『あの頃、ペニー・レインと』主演の男の子がすっかり変わり果てていたり、キャストも実はなかなか豪華。
クリップの方はYoutubeに上がってて、年齢確認されたけど、ブログに張っちゃえば観られるのかしらん。
2008'04.11.Fri
映画『スルース』観てきた。
マイケル・ケインとジュード・ロウの二人芝居。
一人の女性を巡り、夫と若い愛人が知力の限りをつくして主導権争いをする話。か。
元々は舞台、それが72年に『探偵スルース』として映画化され、本作はさらにそのリメイク。『探偵スルース』の方で愛人を演じたマイケル・ケインが、今度は夫の方を演じるという趣向。
脚本に所々穴があって、納得がいかない部分が・・・。
その穴のせいなのか、なんだか二人がウッカリさんに見えてしまう所が惜しかった。
目を見張るほどの頭のよさがいまひとつ感じられなかったというか。
しかも後半の展開が気持ち悪い・・・。
これだったらデスノート前半の月vsLの対決の方がいいかも(マンガのほう)。
あと、話のほとんどが展開される家の中のインテリアがやたら現代アートじみていたり、人物のアップが多すぎたりして、目に疲れたのも難。
元々の映画はどうだったのか観たかったのだけど、DVD化されておらず、VHSも廃盤、ツタヤのレンタルにもなし(高円寺オービスになかったらお手上げかも)。
ということでココに載っていた粗筋を参照すると、設定がちょこっと違うし、後半(私がダメだったとこ)は全然ちがーう!!!こっちの方がよかったのに・・・。
どうして変えてしまったんだろう?
(追記:今回は、妻=男っていう解釈だったとすれば一番納得いくかなぁ)
(・・・って考えると、ジュード・ロウが奥さんのもののはずのコートをさくっと羽織った時の、なんで女物の、しかもぴちっとしたデザインのコートが着れちゃうんだろって違和感に説明がつくんだよなぁ)
(・・・わーん・・・)
本作はマイケル・ケイン目当てで観たのですが、こういう成功した尊大な役柄はなんだか個人的には「私のマイケル」ではなくってですね、やっぱり『サイダーハウス・ルール』のエーテル中毒で、必要とあらばルール違反なんぞ屁とも思わない堕胎医の役とか、『リトル・ヴォイス』のうらぶれたプロモーターの役あたりがスキ・・・(だめ男好きかよ)。
他の出演作を調べていたら・・・
これの上流階級専門サギ師、マイケル・ケインだったのかー。
ハイソなカモを狙うためには、それなりの知識やマナーを身に付けないと!と、チャラいサギ師のスティーブ・マーチンを教育する所とか面白かったんだよねー。
昔、メル友さんに「落ち込んでるんでぱーっと元気が出る映画を教えてください」と言われてこれを薦めたらそれっきりメールが来なくなったのも遠い思い出・・・。
これはほんとに面白いけど、でもデリカシーって大事だと学習。
あと、日本未公開作で観てみたいなーと思ったのがこれ。
共演がボブ・ホスキンスとかヘレン・ミレンとかステキな面子。
マイケル・ケイン演じる男性の死後に、彼の友達が集まってあれこれ遺言を遂行する話のようです。
こういうの持ってきてシニア層ターゲットに上手く公開したら、日本でも当たると思うんだけどなー。
(その層にも当たらなそうな)よっぽどまったりした作りなのかしら。
マイケル・ケインとジュード・ロウの二人芝居。
一人の女性を巡り、夫と若い愛人が知力の限りをつくして主導権争いをする話。か。
元々は舞台、それが72年に『探偵スルース』として映画化され、本作はさらにそのリメイク。『探偵スルース』の方で愛人を演じたマイケル・ケインが、今度は夫の方を演じるという趣向。
脚本に所々穴があって、納得がいかない部分が・・・。
その穴のせいなのか、なんだか二人がウッカリさんに見えてしまう所が惜しかった。
目を見張るほどの頭のよさがいまひとつ感じられなかったというか。
しかも後半の展開が気持ち悪い・・・。
これだったらデスノート前半の月vsLの対決の方がいいかも(マンガのほう)。
あと、話のほとんどが展開される家の中のインテリアがやたら現代アートじみていたり、人物のアップが多すぎたりして、目に疲れたのも難。
元々の映画はどうだったのか観たかったのだけど、DVD化されておらず、VHSも廃盤、ツタヤのレンタルにもなし(高円寺オービスになかったらお手上げかも)。
ということでココに載っていた粗筋を参照すると、設定がちょこっと違うし、後半(私がダメだったとこ)は全然ちがーう!!!こっちの方がよかったのに・・・。
どうして変えてしまったんだろう?
(追記:今回は、妻=男っていう解釈だったとすれば一番納得いくかなぁ)
(・・・って考えると、ジュード・ロウが奥さんのもののはずのコートをさくっと羽織った時の、なんで女物の、しかもぴちっとしたデザインのコートが着れちゃうんだろって違和感に説明がつくんだよなぁ)
(・・・わーん・・・)
本作はマイケル・ケイン目当てで観たのですが、こういう成功した尊大な役柄はなんだか個人的には「私のマイケル」ではなくってですね、やっぱり『サイダーハウス・ルール』のエーテル中毒で、必要とあらばルール違反なんぞ屁とも思わない堕胎医の役とか、『リトル・ヴォイス』のうらぶれたプロモーターの役あたりがスキ・・・(だめ男好きかよ)。
他の出演作を調べていたら・・・
![]() | ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ スティーヴ・マーティン フランク・オズ 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2007-12-19 売り上げランキング : 3428 Amazonで詳しく見るby G-Tools |
これの上流階級専門サギ師、マイケル・ケインだったのかー。
ハイソなカモを狙うためには、それなりの知識やマナーを身に付けないと!と、チャラいサギ師のスティーブ・マーチンを教育する所とか面白かったんだよねー。
昔、メル友さんに「落ち込んでるんでぱーっと元気が出る映画を教えてください」と言われてこれを薦めたらそれっきりメールが来なくなったのも遠い思い出・・・。
これはほんとに面白いけど、でもデリカシーって大事だと学習。
あと、日本未公開作で観てみたいなーと思ったのがこれ。
![]() | Last Orders Michael Caine, Tom Courtenay, David Hemmings, Bob Hoskins, Fred Schepisi Sony Pictures 2003-01-07 売り上げランキング : 41232 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
共演がボブ・ホスキンスとかヘレン・ミレンとかステキな面子。
マイケル・ケイン演じる男性の死後に、彼の友達が集まってあれこれ遺言を遂行する話のようです。
こういうの持ってきてシニア層ターゲットに上手く公開したら、日本でも当たると思うんだけどなー。
(その層にも当たらなそうな)よっぽどまったりした作りなのかしら。
2007'12.27.Thu
再会の街で
家族を失った痛みに耐えられず、幻想の世界を彷徨う男性をコメディ出身の俳優さんが演じる・・・という『フィッシャー・キング』を思わせる映画。
そう、あれからファンタジーをとっぱらって、真面目に真面目に作ったらこうなる感じ。
ちょっと途中まったりした部分があったけれど、基本的に、出てくる人が、それぞれのやり方で人を愛しているので、気持ちよく観られた。
相手を助けたい、という気持ちが、純粋に相手だけのため、ということはあまりなくて。
無意識か意識的かはともかく、救うという行為を、自分の方が必要としていたりするのだよなぁ、というようなことを考えたり。
ドナルド・サザーランドの役が、『レイニング・ストーンズ』の牧師さんばりに「融通の利く大人」としてかっこよかった。
家族を失った痛みに耐えられず、幻想の世界を彷徨う男性をコメディ出身の俳優さんが演じる・・・という『フィッシャー・キング』を思わせる映画。
そう、あれからファンタジーをとっぱらって、真面目に真面目に作ったらこうなる感じ。
ちょっと途中まったりした部分があったけれど、基本的に、出てくる人が、それぞれのやり方で人を愛しているので、気持ちよく観られた。
相手を助けたい、という気持ちが、純粋に相手だけのため、ということはあまりなくて。
無意識か意識的かはともかく、救うという行為を、自分の方が必要としていたりするのだよなぁ、というようなことを考えたり。
ドナルド・サザーランドの役が、『レイニング・ストーンズ』の牧師さんばりに「融通の利く大人」としてかっこよかった。
2007'10.19.Fri
![]() | シッコ マイケル・ムーア ギャガ・コミュニケーションズ 2008-04-04 売り上げランキング : 346 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
山形国際ドキュメンタリー映画祭で、夜にシネコンの1スクリーンを借りて上映される作品を観ようと思ったら満席。やむなく、他のスクリーンでレイトショー上映されていた本作を観た。
アメリカの医療問題を扱ったドキュメンタリー(?)。
アメリカの保険制度が貧乏人に冷たく金持ちに優しい、という件は、映画『ジョンQ』で観ていて予備知識はあった。お金がない場合は、保険に入れないか、もしくは保障が穴だらけの保険に入るしかなく、いざというときに満足な治療が受けられないのだ。
本作ではさらにそこから突っ込んで、ちゃんとした保険に入れたとしても、保険会社の許可がなければ受けたい治療が受けられない(お金を出してもらえない)ばかりか、あの手この手で保険会社や息のかかった医師が、治療許可が出せない「正当な」理由をでっちあげ、私腹を肥やす様子を描く。
で、国民が平等に医療保障を受けられる世の中を求める人への反論が「全員平等って・・・社会主義になりたいわけ?」。
アメリカは自由な国と言うだけあって、お金のある人が勝手できるわけなのね。
アメリカ人は「社会主義」という言葉にやたら過剰反応するのね。
上記のようなことを描くために、マイケル・ムーアは過剰演出も厭わない。
事態は分かりやすく単純化されているし、対比される「イイ国」として出てくるイギリスやフランスだって、大きな社会問題を抱えているのに、それは置いておく。
伝えたいことが分かりやすく伝わればいいのだ。面白おかしく作れば、それだけ多くの人が観てくれて、広い範囲で伝わる。そして多くの人が観てくれれば、次の作品を作る糧が得られる。
まるでバラエティ番組みたいなノリの本作を「ドキュメンタリー」と位置づけるかどうかには賛否あるだろうけれども、なりふり構わず伝えようとする姿勢はある意味、「正しい」と思った。
意義深いけれども興行的に成り立つかは微妙なドキュメンタリー群を観た後で、興行的に成り立っている本作を観ると、ドキュメンタリーとは?と考えてしまう。
残す、とか、伝える、とか、表現、とか、ひとくくりにできな色々な目的があるのだよな。
ブログ内検索
カテゴリー
最新記事
プロフィール
HN:
sha
性別:
非公開
アクセス解析