2007'10.19.Fri
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山形国際ドキュメンタリー映画祭で、夜にシネコンの1スクリーンを借りて上映される作品を観ようと思ったら満席。やむなく、他のスクリーンでレイトショー上映されていた本作を観た。
アメリカの医療問題を扱ったドキュメンタリー(?)。
アメリカの保険制度が貧乏人に冷たく金持ちに優しい、という件は、映画『ジョンQ』で観ていて予備知識はあった。お金がない場合は、保険に入れないか、もしくは保障が穴だらけの保険に入るしかなく、いざというときに満足な治療が受けられないのだ。
本作ではさらにそこから突っ込んで、ちゃんとした保険に入れたとしても、保険会社の許可がなければ受けたい治療が受けられない(お金を出してもらえない)ばかりか、あの手この手で保険会社や息のかかった医師が、治療許可が出せない「正当な」理由をでっちあげ、私腹を肥やす様子を描く。
で、国民が平等に医療保障を受けられる世の中を求める人への反論が「全員平等って・・・社会主義になりたいわけ?」。
アメリカは自由な国と言うだけあって、お金のある人が勝手できるわけなのね。
アメリカ人は「社会主義」という言葉にやたら過剰反応するのね。
上記のようなことを描くために、マイケル・ムーアは過剰演出も厭わない。
事態は分かりやすく単純化されているし、対比される「イイ国」として出てくるイギリスやフランスだって、大きな社会問題を抱えているのに、それは置いておく。
伝えたいことが分かりやすく伝わればいいのだ。面白おかしく作れば、それだけ多くの人が観てくれて、広い範囲で伝わる。そして多くの人が観てくれれば、次の作品を作る糧が得られる。
まるでバラエティ番組みたいなノリの本作を「ドキュメンタリー」と位置づけるかどうかには賛否あるだろうけれども、なりふり構わず伝えようとする姿勢はある意味、「正しい」と思った。
意義深いけれども興行的に成り立つかは微妙なドキュメンタリー群を観た後で、興行的に成り立っている本作を観ると、ドキュメンタリーとは?と考えてしまう。
残す、とか、伝える、とか、表現、とか、ひとくくりにできな色々な目的があるのだよな。
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