2009'01.27.Tue
『クローンは故郷をめざす』が、今年初めての、2009年公開作品鑑賞。
監督:中嶋莞爾、出演;及川光博、石田えり、永作博美、嶋田久作、品川徹
スチールが綺麗だったから、という適当なで出かけたのでやや不安だったけれど、スチール以上に映像が美しく、ゆったりしたテンポと静かな音声の、映画らしい映画だった。
こういう日本映画、久しぶり。しっとりとした、水分の多い画面は(引き合いに出したらいけないのかも知れないけれど)ちょっとタルコフスキー風。
「面白い!」というのでもなく「おすすめ!」というのでもないけれど、「丁寧に作られていて、(他人はどうか知らないけれど)個人的にはかなり共感のできる、手触りのいい作品だなぁ」という感じ。
タイトル通り、クローンの話。しかも、クローンといえば、身体はオリジナルとそっくりでも、記憶は残らない物語が多いけれど、その技術では、記憶もまるっとコピーできる。
「記録の全コピー」ということは、普段は脳の奥底にあって、意識には上らない記憶もコピーされるのだろうけど。記憶の層の並べ替えも、きちんとしてくれるのだろうか?忘れようとしていた嫌なことも、意識の奥に追いやっていた哀しいことも、ベタ貼りされてしまわないんだろうか?と観ていて心配になったのだが、その後の展開の中で、まさにそれに近いことが問題に。
ああ、大事にしたい部分が、作り手の人と同じだなぁ・・・とすっかり嬉しくなって、それで映画のリズムに入りやすかったのかも。
この作品に漂う、人の魂ってどこにあるんだろう?死んでしまったらどこへ行くんだろう?という思いが、死生観の違う海外ではどう受け止められるのか興味がある。
主人公が、双子の兄弟を亡くしているという設定も上手かった。自分のクローン化に同意した理由付けにもなり、肉体の死と魂について考える入口にもなり。
俳優さんの表情のゆっくりとした変化を丁寧に撮っていたのもよかった。
「夫は事故死したけれど、でもそのままクローン再生される」と知った時の、永作博美のとまどいと哀しみの表情!!!
-----
この映画を観たのは有楽町のシネカノン。
昨秋、引っ越した時に、これからは銀座や有楽町で映画を観ることが増えるだろう、と、シネカノンのポイントカードを作った。
ところが暮れに、「ポイントカード会員廃止」のお知らせが(会員期間中は割引料金で観られるという救済策はとられる)。
そして系列の渋谷のシネアミューズは名前が変わって、ヒューマントラストシネマになった。
それとは別に、狙っていた日比谷シャンテシネの会員制度も、昨秋廃止に。
なんとなーく、東京のミニシアターの構造はじわじわと、良くない方に変わりつつある気がして、怖いのでした。
監督:中嶋莞爾、出演;及川光博、石田えり、永作博美、嶋田久作、品川徹
スチールが綺麗だったから、という適当なで出かけたのでやや不安だったけれど、スチール以上に映像が美しく、ゆったりしたテンポと静かな音声の、映画らしい映画だった。
こういう日本映画、久しぶり。しっとりとした、水分の多い画面は(引き合いに出したらいけないのかも知れないけれど)ちょっとタルコフスキー風。
「面白い!」というのでもなく「おすすめ!」というのでもないけれど、「丁寧に作られていて、(他人はどうか知らないけれど)個人的にはかなり共感のできる、手触りのいい作品だなぁ」という感じ。
タイトル通り、クローンの話。しかも、クローンといえば、身体はオリジナルとそっくりでも、記憶は残らない物語が多いけれど、その技術では、記憶もまるっとコピーできる。
「記録の全コピー」ということは、普段は脳の奥底にあって、意識には上らない記憶もコピーされるのだろうけど。記憶の層の並べ替えも、きちんとしてくれるのだろうか?忘れようとしていた嫌なことも、意識の奥に追いやっていた哀しいことも、ベタ貼りされてしまわないんだろうか?と観ていて心配になったのだが、その後の展開の中で、まさにそれに近いことが問題に。
ああ、大事にしたい部分が、作り手の人と同じだなぁ・・・とすっかり嬉しくなって、それで映画のリズムに入りやすかったのかも。
この作品に漂う、人の魂ってどこにあるんだろう?死んでしまったらどこへ行くんだろう?という思いが、死生観の違う海外ではどう受け止められるのか興味がある。
主人公が、双子の兄弟を亡くしているという設定も上手かった。自分のクローン化に同意した理由付けにもなり、肉体の死と魂について考える入口にもなり。
俳優さんの表情のゆっくりとした変化を丁寧に撮っていたのもよかった。
「夫は事故死したけれど、でもそのままクローン再生される」と知った時の、永作博美のとまどいと哀しみの表情!!!
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この映画を観たのは有楽町のシネカノン。
昨秋、引っ越した時に、これからは銀座や有楽町で映画を観ることが増えるだろう、と、シネカノンのポイントカードを作った。
ところが暮れに、「ポイントカード会員廃止」のお知らせが(会員期間中は割引料金で観られるという救済策はとられる)。
そして系列の渋谷のシネアミューズは名前が変わって、ヒューマントラストシネマになった。
それとは別に、狙っていた日比谷シャンテシネの会員制度も、昨秋廃止に。
なんとなーく、東京のミニシアターの構造はじわじわと、良くない方に変わりつつある気がして、怖いのでした。
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