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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.06.Tue
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公開時には全くチェックしていなかったけれど、色んな人の2008年のベスト10に挙げられているので観てみた。
後味の悪さが凄い。

謎の怪物(虫嫌いには辛い架空の生物うじゃうじゃ)が潜んでいる霧につつまれて、スーパーマーケットから出られなくなった人々の話。
人間が大勢寄り集まった時に起こる事が想定されるトラブルが、全部入っていたといってもいい。
「霧の中の生物」を信じる信じないで争い、地元民vs他所者、どうしても出たいと言い張る人と止める人、布教に励む狂信者、信じる人、信じない人、泣き出す子供、暴力、言い争い、仲間割れ、不安、鬱、自殺、殺人。

結局、追いつめられた人々は、狂信者にすがる者と、自力で局面を打開しようとする者とに割れる。
始めは皆が迷惑がっていた狂信者の説教が、どんどん苦しい状況と合致していってしまい、その度に信者を増やし、それに従って狂信者の目に力強さが宿り、口調が呪術調になり・・・と、狭い集団の中で宗教が生まれて行く過程は、背筋の凍る迫力。
いけにえを求める狂信者集団が、主人公たちに迫る。

集団が閉じこめられる映画といえば、最近観た『ブラインドネス』(またか)。
あちらは、銃を振りかざした独裁者の方が台頭するんだよね。
主人公は一人だけ目が見えるわけだから、いくらでも神になるチャンスがあったのに、そこには踏み込まない・・・けれど、目の見えない集団の中でできることの多さからしたらそれは神に近いわけで、やっぱり、集団は神か暴力かに分かれるものなのだろうか。

『ミスト』の主人公たちは狂信者集団に対して、(いくら理屈上正しく見えても)銃を持つ側だから、暴力側とも言える。
どっちに転んでも、ろくな結果は生まれないわけさ
・・・と、いわんばかりの展開がめくるめく。
主人公の頑張りは、ことごとくろくな結果を生まず、最悪のラストに突っ走る。
「最後まで諦めるな」という教訓を得ることもできるけれど、作り手の言いたいことはそういうことではないんだろう。

良く出来た映画だったと思う。
でも二度と観たくなくなる、観賞後の恐ろしいまでの空しさってば!!!
映画館で観たかった、いや、観たくなかった、どっちだー。
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