2008'09.06.Sat
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観た順が前後するけど、ケン・ローチの『この自由な世界で』を観てきた。
不法労働者への仕事の斡旋で荒稼ぎするシングル・マザーを描いた作品。
ヒロインがギスギスして余裕のない感じで、疲れた・・・。
お金が稼げて、息子が無事なら、他の人はどうだっていいわ。だってみんなそうでしょう?搾取しなきゃされる側に回るだけ・・・という精神は、たくましいけれど、観ていてとてもつらい。
人に思いやりを持つ余裕すら与えない社会が悪いのか、それとも。
映画としてはもうちょっと楽しい部分も欲しいんだよな、といつも思う。
初期の『レイニング・ストーンズ』が未だに一番好き。
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2008'08.18.Mon
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HDDに溜めてたやつ。
原作を既に読んでいたので、どうなるかも分かっていたのだけど、なんだか色々思い出してやたらと泣けて、ぼろぼろと流していた涙が、ラスト、ミスチルの歌が流れた途端にひっこんだ。
個人的には絶対ミスチルって気持ち悪いんだけど、なんであんなに流行るんだろう。
くそう、清い涙だったのに。
家族への愛情と反発、「学校」に上手くハマれない焦燥感、恋人の発言を後でほっこりかみ締める充足感、自分が自分にしっくりこない違和感、などなどが、北乃きいのほにゃんとした笑顔とともに静かに語られて、ミスチルまではいい映画だった。
家族はもう家族ってだけで凄い絆がそこにあって、バカをやってしまっても、時に相手を傷つけてしまっても、それでも絶対に壊れない確固とした何かがあるよなあ・・・と確信できるのは、自分が家族に恵まれてるせいなのか、それともそれが正しい答えなのか(『歩いても歩いても』の時も考えた)。
家族が救いになることは多いけど、他人じゃないと救えないこともあるなあ、確かに。
勝地涼の大浦君、健やかでよかった。
2008'07.30.Wed
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柳下さんが21世紀の日本映画ベスト10に入れてた作品。
C級グロな独特の恋愛映画。
作りや音楽は本当にチープでしょうもないんだけど、コンプレックスとトラウマと欲望がぐじゃぐじゃになった中で生まれる純愛、みたいなのが、一部の人にはものすごい勢いでキュンと来る映画なんじゃないかとは思った。
あくまで、ごくごく一部の人には。
「少年期に憧れのお姉さんの性行為を目撃してしまってトラウマになる」というシーンを、こういう絵で描くなんて、この監督さんにしか思いつかないだろうなー・・・というびっくりシーンもまた凄かったです。
とはいえ顔の傷の化け物化は、私には正直どうも・・えー・・・(略)。
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この監督さん、『片腕マシンガール』の人なんですね。
なんか色々つながってきた・・・。
2008'07.07.Mon
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最近行ってないなぁ・・・と思ったので、ふと会社の帰りに。
間に合わなかったもう一本は『ミリキタニの猫』だったので、観賞済みだからOK。
これがまた、アメリカに難民として逃れてきたアフガニスタン人が主人公。
世界は、異国に住まざるを得ない人々で満ちているということの現れですね。
前半は、アメリカで作家デビューした主人公が、祖国アフガニスタンでの少年時代を回想。後半は、少年時代に親友に対して犯した罪を償うために、再び祖国へ渡り、恐怖のタリバン相手に大奮闘(・・・ちょっと違う・・・)。
もうとにかく、アフガニスタンで何があったか、どんな国か、知識もないから、状況を懸命におっかけてあれこれ想像し、アフガニスタンの文化に感心し(お祝いの仕方や、求婚の仕方とか)。
映画としてはかなり長尺で、長過ぎで味が薄まった面もあったけれど、でも「状況を人に知らせる」役割はきちんと果たせていたように思う。
回想シーンでの豊かでのんびりしたアフガニスタンと、後半の同じ地がすっかり荒れ果てた様子のギャップの付け方は上手かった。
クライマックスは、あからさまな御都合主義。それがねえ、もうこれは、わざとなんだろうなと。「ほんとにこういう風になったらいいのにね」っていう願いとか祈りみたいなものなんだろうな、と思わず想像してしまう位、そこに至るまでのあれこれはシビアだった。
ところでこのタイトル(劇中のセリフから)は、あちらの慣用句だったりするのかしら。
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映画内で少数民族の少年が差別され、暴行されるシーンがあるせいで、本国では上映禁止。演じた少年たちは暴行を受ける恐れがあるってことで、アメリカに移住せざるを得なくなったとか。
ことによっては真っ向から描くんじゃなく、何か別のやり方があったのかも・・・
・・・・いや、引喩とか暗喩とかは、アメリカ人には通じねえんだよってクローネンバーグも言ってたらしいしな・・・伝えるって難しいな・・・・。
2008'06.28.Sat
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同じ監督の新作、『コロッサル・ユース』を観てきた。
ただ単にチラシのスチール写真が綺麗だったからだ。
暗い画面に、滲みのような光がじんわりと存在している、たぶん自然光のみで撮ったと思われる画。
舞台も背景も全くわからず、奥さんに逃げられた男性が、既に成長して家を出ている子供たちの家を回って、不毛な会話をうだうだしたり、決して出さない奥さんへのラブレターを繰り返し繰り返し暗唱して、人に伝えたりする様子をただ眺める。
なんだか凄く静謐な時を過ごせた。
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昔つきあっていた人が「映画観てきた」と言った時に「何を観たの?」と聞いたら「骨」と答えて。
シンプルなタイトルだなーと印象に残りつつ、その後、何かで会話がうやむやになったのだけど、今思えば、この監督の作品だったんだろうな。
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