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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.06.Tue
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2010'02.06.Sat
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日テレで初放映!ということで、ようやく観たよ。この大ヒット作品。

序盤、海で拾ったお魚を助けるために、バケツに入れた水道水に放り込む所でぎょっとしたせいか、なんか細かい所が気になって入り込めなかった。
何故母親は、あの曲がりくねった崖っぷちの道を運転するのに、あんなによそ見ができるんでしょうか。嵐の中、あんなに無理矢理車を出す必然性は?子連れなのに、制止されているにもかかわらず、危険な道に突っ込むのは何故でしょうか。その上、5歳の子供を残して出かけるのも謎・・・。
水の底に沈んでしまった街の映像は、洗濯物が干されてたりと生活感をたたえたままで、それがやたら怖くてねえ・・・。ポニョが「そうすけスキー!」って言ったばっかりに、波にのまれて何人死んだんだろう・・・みたいな。
なんか途中からは、洪水で死んだ街の住人たちが住む、死後の世界の話かとすら思いましたよ。
「スキー!」だけで世界を滅ぼすのはやめていただきたいです。しかも特に落とし前も無いしさ。

いくら子供向けとはいえ、大人目線で共感できないのは残念。
面白い子供向けの本なり映画なりって、子供の時は子供目線で楽しめるんだけど、大人になって見返すと、大人の目線でも楽しめて、子供の時には気付けなかったポイントが結構じわっとよかったりするんだけど・・・(そりゃあ大人が書いてるんですもんね!)。

ポニョは大人を超越した人が作った話としか思えませんでした。
そうです、心が汚れているのです。でも大人なんだから汚れもしよう。
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2010'01.28.Thu
ティム・バートン、今年のカンヌ映画祭で審査委員長に‎
ああティム、大人になって・・・!!!!!!


それはさておき、『(500)日のサマー』を観てきました。
主人公が、サマーっていう名前の女の子に出会って恋をして振られるまでの500日間を、時間軸シャッフルで見る物語。
そこにはサマーの視点はなく、もうひたすら文化系草食男子のひとりよがりに終始。恐らく同タイプの男性なら胸きゅんきゅん、女性なら「むきー!男ってこれだから困るのよ!」とやきもき。男性と女性とで、観方、感じ方がかなり違うタイプの作品のはず。
もちろん、全体を映画として楽しみつつも、こそっと自分の恋愛について大反省会をしてしまえました。あくまでこそっと。
こちらにとってもう自明の理じゃんか!と思えるようなことが、相手にとっては全くもって唐突で意味不明だったりって、多いんだろうな、なーんて思ったり。

・・・そして。

脚本家の恋愛経験が元ネタらしいので、ヒロインのサマーにはモデルがいるのでしょうが(何せ映画の序文?が、自分を振った女の子への呪詛なのだ)、発言内容とか好みとか服装とかこだわるものなどなどが、典型的な「文化系女子」で。
元・文化系女子(現・婆)としては、特に作り手は訴えるつもりはないのであろう、「文化系女子特有のイタさ」に勝手に気恥ずかしい思いをしてしまう、という面も。

ビートルズの一番の名曲は『オクトパス・ガーデン』と言い放って、「リンゴ・スターって一番人気ないじゃん」って言われると「そこが好きなの!」などと言ってしまうのとか・・・なんか分かる感じがして嫌だなあ。

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そしてこちらも文科系ひとりよがり草食男子の、恋愛超絶空回りモノ。
女性視点も入っているので、もうどっぷり「そうそう!このタイプの男の子のこういう所が困るんだってばーッ!!!」と、女性キャラに肩入れしてぶんぶん共感できてしまうのだが(ホント易々と"鎖国"しないでいただきたいですよね!)。

でも「これだからダメなのよ!」とか言ってるからダメってこともあるんだよねー。たぶん。
2010'01.27.Wed
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WOWOWにて。
銀座シネパトスで「銀座シネパニック ~邦画パニック映画特集~」から2本観たので、そういえばこれも最近のパニック映画だよ!と観てみた。
瀬々敬久の旧作が好きな身としては、いつかまたいい映画を撮って欲しいよ!との応援の気持ちも込め。しかし道は長い・・・。
結構ネタとしては作り甲斐がありそうにもかかわらず、あまりにもツッコミ所の多い作品だった。

まあね、色々事情はあるのでしょう。
まっとうに作るなら、登場人物は作品の7割以上はマスクや防護服をつけていなければおかしくなるけれど、それだと絵的に、そして俳優さんの売り込み的に、マズいのだろうし。
しかしその点考えたとしても、他の人が防護服を着ている市街地を、隔離病棟に勤める医師2人が普通の服で何も対策なしで、へらへら歩いている光景など、あまりにもおかしい場面の連続。

もうとにかく、主人公の妻夫木君が、何をどうしても感染しないのが凄い。主人公だからか。イケメンだからか。機械なのか。
第一感染者に初期に接した隔離病棟の医師なのに、平気で外をへらへら歩いたり、急にウィルス源っぽい外国に渡ったり、患者をほっぽって恋人追いかけて長野に行ったり、もうやりたい放題。

もっと専門家を入れるなどして、リアリティのある内容にする努力を見せれば、ほんとに全世界注目、リメイク権争奪戦の社会派作品になったかも知れない題材ではあるのに、やる気が全く感じられなかった。
心から惜しい。これって監督だけのせいじゃないと思うんだ。

・・・監督、もうぬるいメジャー大作はやめて、エロくてアングラな素敵な映画を撮って下さーい!!!

(・・・でも刺青もよくなかったしなあ・・・)

パニック映画の旧作が凄くよくてびっくりしたので、余計に腹が立った作品でしたとさ。
よかったところ:壇れいの声の響き
2009'06.29.Mon
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チケットをいただいたので観た、役所広司の初監督作品。
始まったと思ったら、あっと言う間に1日1回上映に。
入ってないんだなぁ。

基本は「息子を突然失った父親の心の彷徨」。
悲しみと後悔から、息子の死を受け入れられない父親は、息子の恋人に本当のことが言えず、息子のふりをして電話をし続けてしまう。
何も知らずに電話の向こうではしゃぐ女の子。
嘘を重ねてどんどん苦しくなる男。

・・・というシンプルな話のはずなのだが、少年院から出所してきた息子の幼なじみやら、父親がトレーダー業にキチガイじみたテンションで没頭する様子やら、父親の幼い時の思い出「ガマの油売り」の幻影やら、突如襲いかかってくる熊やらが相まって、余計な味が余計過ぎて、ようわからん映画になっていた。
途中から、この話、全部うやむやになって、彼女にもほんとのことを言わずに終えるのでは・・・と不安になったほどであった。
結局、ちゃんと収拾はついたんだけど、とっちらかった微妙な後味。
出演者はいいんだけどなぁ。
もうすこし整理して、今まで見ようともせずにいて、息子の死後にようやく知る、彼の人生の輪郭みたいなものに焦点を当てた方がよかったように思うが。
・・・そうするとまんま『息子の部屋』になっちゃうかしら。

それにしてもまだメールなら分かるんだけど、電話で彼氏と父親の区別ぐらいつくのではなかろうか。
二人だけの用語やら呼吸やらがありそうなものだけど。
(冒頭の携帯での会話なんか、ほんとにそういう感じだったのに)

カップルの様子の、細かい所がよくって、この脚本の人で普通〜の恋愛物が観たいなと思った。息子はすぐに死んでしまうので、たくさんなかったけれど。
小柄な彼女がだだをこねた時に、彼氏がポケットを開いて「ほーら入るか〜?」と言うのとか、ブタのぬいぐるみだらけの彼女の部屋と、殺風景だけれど(彼女に押し付けられたと思われる)ブタのぬいぐるみが2〜3個置いてある彼氏の部屋とか、お互いの声で作った着ヴォイスにしているのとか。
あと、メールが来なくてじりじり待っているのだけど、ようやく届くと着信だけちらっと見て、すぐには読まない所とか(あるある!)。


ちなみに父親の携帯の着ヴォイスは「チェックチェック株チェック!どんなもんじゃ〜い!」で、これが鳴ると、何をしていてもばーっと手を止めて、パソコンの株価画面に飛びつくのだった。
あれが見終わった後、頭から離れない・・・。
2009'06.09.Tue
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死刑囚と刑務官の話。
去年の6月に、新宿の映画館で上映されてた。
そこは誕生月の人は1000円になるシステムがあって、行こうかな・・・でも、誕生月にこのテーマはどうなんだろう・・・と逡巡しているうちに上映は終わり。
結局、1年後の誕生月に、DVD化された同作品を観ることになったのだった。
ぐるっと巡ってやっぱりここに辿り着く。

静かで、無口なのに雄弁な映画。
言葉にされないいっぱいの思いが、確かにそこにはたちこめていて、観ていて胸が詰まる。
こういう映画は最近観なかった。

死刑囚ってこういう日々を過ごすんだ!とか、死刑ってこういう形で執り行われるんだ!という衝撃も。
刑の執行が決まっても、執行の当日にしか本人には知らされないんですね。
普通に朝起きて、「今日死刑だから」って言われるのって人道的にどうなの?
・・・いや、でも死刑囚は基本的には人を殺してる訳だし、殺された人は思いも寄らずにその時に突然死ななければならなかったんだから、因果応報なの?でもでも。
担当になった刑務官は、「仕事」だとしても、あんなに恐ろしい役割を果たさなければならないの?

死刑制度に反対も賛成も、明確に考えたことがなかったけれど。
自分の中で明確にする前に、「死刑」って実際、どういうことなのか、見えなかった片鱗にかすることができたのは良かったと思う。
つらいけれどいい映画だった。

去年観なかったこれを観た今年は、違う感じの1年が過ごせたらいいな。

本作は山梨放送の製作で(なんていい仕事を!)。
刑務所の中でかかっていたラジオがサッカー中継で、「ゴール!先制は甲府!」っていった所に、サッカーファンとしてちょっとにっこり。
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