2010'03.31.Wed
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沖縄行きたーい!島行きたーい!
・・・とはいえ、今のタイミングで行ってしまったらそれは逃避。
そこへWOWOWからもたらされたのが、逃避からの逃避のためのこの沖縄の小さな島が舞台の映画だったのでした。
小さな島で暮らす孤独な青年が、旅行先の神社でたわむれに吊るした「嫁に来ないか」と書いた絵馬。それを見た女性から手紙がきて、ほんとに島にやってくる、というおとぎ話のようなラブストーリー。
過疎や開発の問題も、ちょっと絡む。
まあストーリーはあれですよ、「会いたい人が同じ電車に偶然乗っている」という系の、「ねーよ」なアレなのだけど。
でも、ほどよい温度と綺麗な映像で、島を夢見つつ、楽しんで観られた。
沖縄モノだと、老人脇役キャストは沖縄語、主要キャストはまっさらな標準語なこともよくあるけれど、本作はみんな、話すイントネーションを沖縄っぽくしていて(もちろんネイティブの人が観たら感想は違うはずだが)、耳に心地よかったり。
語尾の「**さ〜?」とか。
タマテツは見捨てられた子供がそのまま大きくなった、みたいな役がほんとハマる。
だから『ノルウェイの森』で永沢さんっていう尊大な役をやるのが、いまいちピンとこないんだけど。
まあ、役者さんなんだし、どんな風に演じるのか、こわごわ楽しみに待ちましょう。
あー、やっぱ沖縄行きたーい!島行きたーい!!!
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2010'03.31.Wed
最近、感想も書けないほどに韓国映画が凄過ぎ。
『母なる証明』、『チェイサー』、『殺人の追憶』・・・どれも強烈なイメージが残ってる。今やってる『息もできない』も見逃せない。
で、『息もできない』と同じく去年の東京フィルメックスで評判だった『渇き』。
女性とその愛人が共謀して、女性の夫を事故に見せかけて殺す。殺された男の母親はショックで全身が麻痺して動けなくなり、車椅子の上からただただ、息子を殺した犯人どもがのうのうと生活を愉しむのを凝視する・・・というだけで、どろどろ映画にできるところに、愛人が吸血鬼、というネタを加えて、さらに血みどろな物語に・・・。
主人公は清く正しい神父さん。
元々はホスピスのような所で、死を前にした患者さんの心を救済する仕事をしていたのが、死に行く人を助けるよりも、人が生き延びることの方に役に立ちたくなり、志願して難病の研究所の実験体になる。
ところがその実験過程で、何故か吸血鬼になってしまう。
禁欲的な生活をし、自分を犠牲にしてでも人を救おう救おうとしてきた彼が、人を犠牲にしないと生き延びられない身体になってしまう(途中までは無理して、輸血用の血液パックなどを飲んでいるのだが)。
血が飲みたい、ということはつまり、生きたい、ということで。生への渇望が増幅するのと同時に、性欲も抑えられなくなる。
そして「再会した昔の知人の妻」と愛人関係になり、彼女を貪る。
(ああ、性欲って生欲なんですね・・・と妙に感心した)
女性のほうはみなしごで、引き取ってくれた家の息子とそのまま結婚させられている。
この息子が実に(観ているこっちもイライラするような)バカで。
ああ、自分は一生この家に閉じこめられて、バカ男とつまらない人生を送るのか、逃げたい、逃げ出したい、と、悶々としている。
その人生に登場したのが神父さん。
神父さんの同情を買うために、あらゆる手を尽くし、彼を手に入れる。
タイトル通り、渇きを満たそう満たそうとし、生だの性だのを貪るうちに、血みどろの混乱にハマっていく男女の話(そしてそれを車椅子からじっとり見つめるお婆さん)。
凄かったのが、混乱の中で、男性がどんどん途方に暮れていくのに対し、女性がどんどん生き生きして、なまめかしく、美しくなっていく所。そのパワーったら!
韓国の肉食女子の迫力の前には、総草食日本人はひれ伏すばかりですよ。そう、基本肉食だよね、韓国。
お隣の国とはいえ、考え方というか、精神の根本的な所やパワーが全然違うように思う。
その違いに「うわー!その発想はないわー!すげー!」ってなるために、韓国映画を観ているところが少なからずあって、そこが自分的にはちょっと後ろめたいかも。
(あ、『子猫をお願い』は素でよかったが)
『母なる証明』、『チェイサー』、『殺人の追憶』・・・どれも強烈なイメージが残ってる。今やってる『息もできない』も見逃せない。
で、『息もできない』と同じく去年の東京フィルメックスで評判だった『渇き』。
女性とその愛人が共謀して、女性の夫を事故に見せかけて殺す。殺された男の母親はショックで全身が麻痺して動けなくなり、車椅子の上からただただ、息子を殺した犯人どもがのうのうと生活を愉しむのを凝視する・・・というだけで、どろどろ映画にできるところに、愛人が吸血鬼、というネタを加えて、さらに血みどろな物語に・・・。
主人公は清く正しい神父さん。
元々はホスピスのような所で、死を前にした患者さんの心を救済する仕事をしていたのが、死に行く人を助けるよりも、人が生き延びることの方に役に立ちたくなり、志願して難病の研究所の実験体になる。
ところがその実験過程で、何故か吸血鬼になってしまう。
禁欲的な生活をし、自分を犠牲にしてでも人を救おう救おうとしてきた彼が、人を犠牲にしないと生き延びられない身体になってしまう(途中までは無理して、輸血用の血液パックなどを飲んでいるのだが)。
血が飲みたい、ということはつまり、生きたい、ということで。生への渇望が増幅するのと同時に、性欲も抑えられなくなる。
そして「再会した昔の知人の妻」と愛人関係になり、彼女を貪る。
(ああ、性欲って生欲なんですね・・・と妙に感心した)
女性のほうはみなしごで、引き取ってくれた家の息子とそのまま結婚させられている。
この息子が実に(観ているこっちもイライラするような)バカで。
ああ、自分は一生この家に閉じこめられて、バカ男とつまらない人生を送るのか、逃げたい、逃げ出したい、と、悶々としている。
その人生に登場したのが神父さん。
神父さんの同情を買うために、あらゆる手を尽くし、彼を手に入れる。
タイトル通り、渇きを満たそう満たそうとし、生だの性だのを貪るうちに、血みどろの混乱にハマっていく男女の話(そしてそれを車椅子からじっとり見つめるお婆さん)。
凄かったのが、混乱の中で、男性がどんどん途方に暮れていくのに対し、女性がどんどん生き生きして、なまめかしく、美しくなっていく所。そのパワーったら!
韓国の肉食女子の迫力の前には、総草食日本人はひれ伏すばかりですよ。そう、基本肉食だよね、韓国。
お隣の国とはいえ、考え方というか、精神の根本的な所やパワーが全然違うように思う。
その違いに「うわー!その発想はないわー!すげー!」ってなるために、韓国映画を観ているところが少なからずあって、そこが自分的にはちょっと後ろめたいかも。
(あ、『子猫をお願い』は素でよかったが)
2010'03.08.Mon
![]() | かいじゅうたちのいるところ センダック [訳]神宮輝男 冨山房 1975-01 売り上げランキング : 837 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
・・・の映画版。ずいぶん前に観たんだけれど、感想聞かれた際に言葉足らずだったなぁと思ったので、自分の考えを消化するために。
冒頭、主人公の少年の孤独っぷりが描かれるのです。お父さんはなく、年の離れたお姉さんとその友達からは相手にされず、お母さんは家に恋人を連れてくる。
淋しいよ!もっとこっちを見てよ!構ってよ!わー!!!!・・・と、少年はマイナスエネルギーを爆発させて暴れ狂い、家出して、「かいじゅうたちのいるところ」に辿り着きます。そこで「自分は王様」と嘘をつき、欲しかった「中心」の位置を得るのです。
観ている薄汚れた大人な自分としては、出てくる「かいじゅう」たちのキャラが、主人公の色んな内面や、欲しかった母性がばらけて出てきたものにしか見えないのです。
特に、一番のトラブルメイカーなかいじゅうは、怒れる主人公にそっくり。
結局、色んな(かいじゅうとしての)個性はそうそう妥協点を見出せず、嘘はばれ、ユートピアは崩壊して、暴れかいじゅう(=自分の怒り)と対峙せねばならなくなる主人公。
ああああああ逃げても逃げても、自分の嫌な面とは対決しなければいけないものなんだよ!やっぱり!!!
少年の一番の敵は自分自身で、それと対決して、乗り越えて、成長する・・・という解釈って自分としても安直だと思うんだけど、それをとっぱらって、「わー!かいじゅうたちかわいー!」と楽しむには、テイストがダークすぎたんですよ。
果たしてこれは子供は楽しいのか?それとも、子供と大人は注目する所が違うから、それぞれ別のとこ観て楽しめるのか?全く分からない不思議な映画でした。
それと、腕をもがれたかいじゅうが、その状態で放置されたのは酷い。たぶん自分が子供だったらトラウマになったと思う。
2010'02.24.Wed
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WOWOWで男祭りと称して続編と連続して放映されたので観た。
昔、『ファイト・クラブ』を観て、人々の感想を読んだ時に学んだ事。
だからこの映画も、「テッペンとる」という価値観が意味不明とか、殴り合いで勝つのと、リーダーの素質があるかどうかは別問題じゃないのとか、そういう理屈をこねるのは無駄なり。
価値観以外にも、脚本は色々おかしいし、どう考えても大人の事情で突っ込まれたと思われる黒木メイサの出演シーンは全部要らないんだけど、とりあえずキャラクターが立っていて、敵味方それぞれが魅力的に撮られていて、喧嘩のシーンがかっこよければ全てオッケーなのでしょう。脚本の穴を役者と画でカバーという感じ。
乱闘は、グジャ!とか、ボキッ!とか、生々しい痛そうな描写はなく、とにかく「かっこよさ」だけを追究してあったので、割と飽きずに観られました。「武器を使わない」っていうのがローカルルールみたいなので、鉄パイプでグジャグジャ殴るとかもなかったし(ここで暴力を美しく撮るとはこはいかに、とかも言うだけ野暮だよね)。
これで今流行ってるイケメン俳優をまとめて覚えるぜ!と思ったのだけれど、全員ガクランで見分けがつかず。「この人知ってる!市原隼人!」「あれ?こっちの人?」「いやこっち?」(全員違いました。金髪だと市原隼人かと思うらしい)・・・という体たらくで、あまり学習できず残念。
主演の小栗旬が、喧嘩は強くても考えなしのあんぽんたんなキャラで、ライバル役の山田孝之とか金子ノブアキ(続編のほう。RIZEのドラムの人)の方が強そうで、リーダーの器っぽかった。でもまあ、敵方がむしろ魅力的、っていう作品っていいよね。
思ったよりも全然面白かったです。
中高生不良男子は凄いわっくわくで観るんだろうなぁ・・・。
個人的趣味:小栗旬と山田孝之の会話シーンのバックに広がる工場群が美しかった・・・。大阪の中山製鋼所らしい。
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2010'02.11.Thu
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神保町シアターでやってるオールスター映画特集で観た。
小姑(若尾文子と野添ひとみ)が兄嫁(京マチ子)をいびりまくる話。特に"行き遅れ"という設定の若尾文子が、人生に対するイライラの全てをぶつけてるのに近い八つ当たりっぷり。凄い迫力で、もう怖すぎる。
こういう女性がキーキー言う映画は苦手なのですが、ばあや役の北林谷栄があまりにも面白くって。あの独特の声※で辛辣な苦言を言う言う。ばあやのおかげで、ニヤニヤしたり、すっきりしたり。
作りようによっては、どろんどろんの修羅場話になるところを、なんか奇妙に脱力したコメディに作ってあって、ちょっと面白かった。
カメラの構図も変わってた。
ついでに『娘の冒険』(島耕二1958)っていうのも観た。
京マチ子、野添ひとみ、若尾文子、山本富士子・・・と並べてあっても、ほぼ野添ひとみと京マチ子がメイン(山本富士子があれっぽちの出番でオールスターとか言われても、JARO的にまずいと思うんですが!というか、あんなんでパンダ役に使われるんじゃ、フリー宣言したくもなるわ)。
野添ひとみが、男手ひとつで自分を育ててくれた父親(上原謙)の、恋の手助けをする話。
こっちでは、厳格な野添ひとみのおばあちゃんの役が北林谷栄。元外交官夫人で、英字新聞を読み、台詞に英語がまじる(ホワーイ?とか)・・・という役。これも、先のばあやほどは出番がなかったけれど、「もっとお祖母ちゃんを出してーッ!」と思ってしまう面白さ。
あ、京マチ子の父親役の中村鴈治郎、その想い人?役の浪花千栄子も素敵だった。
うーん、そろそろ森山未來祭りも終盤だし、次は北林谷栄祭りか!
※北林谷栄は、トトロでおばあちゃんの声をやっていた女優さんで、あの「メェーイちゅわーん!」の声です。
そもそもは、京マチ子目当てだったんだけど、2作ともぼわーっとした古風な女性の役で。1本位はちゃきちゃきの役柄を観たかったな。
ああいう「ぼわーっとはっきりしない」のが当時の女性のデフォルトだったと考えると、ほんとうに日本女性の気質って変わったんだなぁ。
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