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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.07.Wed
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2008'06.13.Fri
母の家で過ごした三日間母の家で過ごした三日間
フランソワ・ヴェイエルガンス <訳>渋谷 豊

白水社 2008-03
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主人公のフランス人男性小説家が、本が書けない言い訳を延々くどくど語っているだけの本。
言い訳。しかもフランス男の。
どう考えてもうっとおしいのだけれど、何故か凄く面白く読んでしまった。
主人公の、勝手で、独善的で、(フランス人っぽく)浮気者なのに、なーんか憎めないキャラ設定や軽妙な語り口がよかったんでしょうか。
主人公は勝手なんだけど、愛には溢れていて、この本を読んで、お母さんに連絡を取りたくなったフランスの読者がたくさんいたというのが分かる感じもよかった。
大体、男性一人称の言い訳本って、「ぼくはこんなに素晴らしい人間なのに誰も愛してくれない」みたいな了見で、他人の愛情は見過ごすわ、自分だって自分を可哀想がるばかりで人をちゃんと愛さないわで、大概にしろって言いたくなるけど、本書の主人公は、その点ではがっちり家族や女達(!)を愛していたものね。

作者自身がモデルだそうで、本が書けない作者が、本が書けない作家が主人公の本を書いて、その主人公が作中で『母の家で過ごした三日間』って本が書けなくて悩んでいて、途中で出てくる書きかけの本が、さらに作者(小説の主人公)をモデルにした作家が主人公で、やっぱり『母の家で過ごした三日間』って本を書きあぐねていて・・・っていうぐるぐる構造も面白かった。

それにしても、フランス人の肉欲って、ほんとうに獣のようで、日本人とはちょっと相容れないなぁ・・・と思うのだけど、フランスで日本映画がウケるのが面白いなぁ。
「他と違うもの=よきもの」という感覚から来るものなのでしょうか。
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