2008'06.10.Tue
![]() | 四月馬鹿 ヨシップ・ノヴァコヴィッチ 訳:岩本 正恵 白水社 2008-03 売り上げランキング : 224131 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
クロアチアの小説。
4月1日生まれの主人公の、数奇な人生を描いた物語。
時代設定は、チトー時代と、それ以降あたり。
知らない国の小説なので、本国の人が読んでも「数奇」なのか、本国では普通のことなのか、理解できない所も多かったけれど、しかも主人公が私の嫌いな、自分はひとかどの人物だと信じて疑わないけど社会的には役立たずの、自意識過剰の勝手最低男なのだけど、小説としては不思議なくらい、やたらと面白かった。
内戦っていうのは、なんか政治上の駆け引きやらなにやらよりも、まず、「やらないとやられる」という不安感をそれぞれが持ち過ぎた結果なのかもなぁ・・・などと考えた。
歴史っていうものを、俯瞰して全体的に把握する才能が皆無なので、旧ユーゴの複雑な構造をきちんと理解はできないと諦めてはいるのです。
ただ、仮に自分の国だったとしても、政治家の思惑やら外交策やらは実際あんまり分からずに生きているわけだし、その国の普通の人が普段、どんなことを常識として、どんな空気感の中で生きていたかは、映画やら本やらから得られる感じをちょっとずつ重ねていけば、何かしかは分かるはずで、そういうのを目指そう・・・と思っていたり。
徴兵検査で不合格だと、クロアチア人は悲観して自殺し、セルビア人は歌いながら大喜びで帰るんだとか(いや、逆だったかな)。
狭い範囲の中でも民族性って違うものなのね。
あと、サッカーの才能はあったのに、親がワイロを出せるほど裕福じゃなくて、ベンチにも入れなかった・・・っていう事情なども。
PR
Post your Comment
ブログ内検索
カテゴリー
最新記事
プロフィール
HN:
sha
性別:
非公開
アクセス解析