2008'03.27.Thu
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原作を読んでから映画を観た。
大学生と、20も年上の女性の恋愛物。
原作は学生の一人称なのだが、学生の目を通しても、
20も下の若造と、思わず恋に落ちてしまった中年女の動揺や混乱が、ちゃんと透けて見えるのだ。
だから余計、この恋愛がかなしい。
映画の方は、主人公に片思いする同級生、さらにその子に片思いする同級生・・・・といった学生の若々しい恋模様の方に焦点を持って行っていて、まあ片思いする役の蒼井優がとてつもなくかわいいので、それはそれでよいのだけど、描いていて楽な方に逃げちゃったような気がした。
中年女のキャラは演じる永作博美本人の魅力に丸投げで、魅力的で奔放な中年女が、学生をぶんぶん振り回して手玉に取る感じになっているし、それがハマってはいる。
面白い。
自分だったら、二人の主人公が近づいて行く様は、原作みたいにゆっくり描くだろう。そこが醍醐味な気がするし、モデルを頼んで(当然)絵ばかり描いて、主人公をちょっと落胆させる所とか、ヌードを描く時もくつしたは履かせたままなところとかを、ひつこくひつこく撮るだろう。
いやぁ、初めて関係を持つところとか、凄くいいと思うんだけど・・・。
でも映画の監督はそれは選択せず、気に入った学生をモデル名目に家に引っ張り込んで脱がして喰っちゃいました・・・みたいな感じにもとれる描き方。
普通、中年女がそんな思い切ったことできるか!(いや、永作博美ならね・・・)
小説の読み方というのは人それぞれなんだなぁ、としみじみした。
でも監督だって紛う方なき中年女なんだから、照れずに中年女の葛藤を描いて欲しかった気がする。
映画は映画として何となく雰囲気があってよかったとは思うけど、あの長回しは「駄目な長回し」なんじゃないかしらん。
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