2008'04.04.Fri
![]() | エル・スール オメロ・アントヌッティ ソンソレス・アラングーレン イシアル・ボリャン 東北新社 2000-06-30 売り上げランキング : 65558 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
びっくりしたけど、エリセ作品ってDVD廃盤なの!
ボックスがある程度売れてしまったら、コンスタントな需要はないって判断なのかしら。
わーん!買っておけばよかった・・・。
パンズ・ラビリンス後、フランコ政権時代を描いた映画を引き続き・・・と思い、久しぶりに観てみました。
2~3回は観ているはずなのだけど、全然時代背景なぞ考えたことがなく、父親の事情も、「昔好きだった人が忘れられないんだなぁ」くらいの理解でさ。
それでも自分の中では素晴らしい映画だったのですが、分かってから観たら、うわ!今までって、この映画を「理解した」ことには全然ならなかったじゃん!と呆然。
家の壁に「愛してる」と落書きしやがった娘のカレシについて、「言いたいことが言えていいなあ」としみじみ言った父親の気持ちの後ろにあるはてしない思いに、今回初めて泣いたのでした。
エリセの作品は、セリフという意味では饒舌ではないけれど(それも、単なる自己表現ではなくて、実際に言いたいことが言えない世界で生きてきたからこそ、というのが大きいのでしょう)、人の表情や街の様子やちょっとした演出のはしばしで、ほんとにあらゆることを語っているのだなぁと、大人になってようやく分かってきたように思う。部分的に。
やっぱり外国の映画は、そこに込められた空気や、その国独特の、時代に対する共通理解がないと、ほんとに分からないですね。
そして、本で状況を理解したとしても、気持ちとか空気感は絶対に永遠に分からない。
・・・けれども、分かろうとする、ということは大事。
----
長い並木道と、そこを走る自転車、娘と父親、何かの事情があって娘の元から去る父親、その父親にずっとずっと心を寄せ続ける娘・・・というキーワードが、「岸辺のふたり」ともかぶりました。
それは例えばパクりとかというのではなくて、風景自体はヨーロッパにはたくさんあるのだろうし、「何かの事情があって愛するものの元から去らねばならない男性」が、ヨーロッパの複雑な歴史の中では、ほんとにたくさんいたってことなんだろうな、と思ったりしたのでした。
PR
Post your Comment
ブログ内検索
カテゴリー
最新記事
プロフィール
HN:
sha
性別:
非公開
アクセス解析