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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.07.Wed
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2008'04.04.Fri
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びっくりしたけど、エリセ作品ってDVD廃盤なの!
ボックスがある程度売れてしまったら、コンスタントな需要はないって判断なのかしら。
わーん!買っておけばよかった・・・。

パンズ・ラビリンス後、フランコ政権時代を描いた映画を引き続き・・・と思い、久しぶりに観てみました。
2~3回は観ているはずなのだけど、全然時代背景なぞ考えたことがなく、父親の事情も、「昔好きだった人が忘れられないんだなぁ」くらいの理解でさ。
それでも自分の中では素晴らしい映画だったのですが、分かってから観たら、うわ!今までって、この映画を「理解した」ことには全然ならなかったじゃん!と呆然。

家の壁に「愛してる」と落書きしやがった娘のカレシについて、「言いたいことが言えていいなあ」としみじみ言った父親の気持ちの後ろにあるはてしない思いに、今回初めて泣いたのでした。

エリセの作品は、セリフという意味では饒舌ではないけれど(それも、単なる自己表現ではなくて、実際に言いたいことが言えない世界で生きてきたからこそ、というのが大きいのでしょう)、人の表情や街の様子やちょっとした演出のはしばしで、ほんとにあらゆることを語っているのだなぁと、大人になってようやく分かってきたように思う。部分的に。

やっぱり外国の映画は、そこに込められた空気や、その国独特の、時代に対する共通理解がないと、ほんとに分からないですね。
そして、本で状況を理解したとしても、気持ちとか空気感は絶対に永遠に分からない。
・・・けれども、分かろうとする、ということは大事。

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長い並木道と、そこを走る自転車、娘と父親、何かの事情があって娘の元から去る父親、その父親にずっとずっと心を寄せ続ける娘・・・というキーワードが、「岸辺のふたり」ともかぶりました。
それは例えばパクりとかというのではなくて、風景自体はヨーロッパにはたくさんあるのだろうし、「何かの事情があって愛するものの元から去らねばならない男性」が、ヨーロッパの複雑な歴史の中では、ほんとにたくさんいたってことなんだろうな、と思ったりしたのでした。
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