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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.06.Tue
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2010'03.04.Thu


散々前評判を聞いていて、早く観なくちゃ!と気ばかり急いていた『フローズン・リバー』をようやく観賞。
そういえばこれ、日本公開と同時に、アクトビラでオンデマンド有料配信もされていたようだけれど、これで観た人どの位いるんだろう?
ちなみにウチのアクトビラは古いので、動画が再生できません。
ちょっとの時間差で、仕様ががつっと変わるんだから、テレビも一度買ったらしばらく使えるってモノじゃなくなるんでしょうねー。

それはさておき(そんなんばっか)、噂に違わぬ、いい映画でした。
ニューヨーク州の、カナダの国境に近い寒い寒い町を舞台にした、二人のシングルマザーの話です。
ひとりは貧困層の白人で、トレーラーハウスに住んでいる二人の子持ち。お家を新調する予定が、夫がその代金を持ち逃げして窮地に立たされる(トレーラーハウスって4000ドル位で買えると知ったよ)。
ひとりは夫に先立たれたモホーク族で、小さな子供を夫の母親に奪われたまま、貧しさもあって取り戻せずにいるのだが、目が悪くて仕事が思うようにできない。
この二人が、白人女性の方の夫が置き去りにした車を通じて知り合い、生きて行くために密入国業に手を染めるというストーリー。
かちかちに凍った川が国境で、そこを車で一気に渡る。向こう側でトランクに人を隠して代金を半額受け取り、戻ってきて業者に人を引き渡してもう半額をもらう。
氷が割れる可能性も、警備隊に捕まる可能性も抱えながら、それでも川を渡り続ける。

二人とも、怠け者な訳でも、アル中ヤク中な訳でもないのに、他に選択肢がないような苦しい状況に突き落とされていて。生きて行くため、子供のために、法を犯しても頑張るお母さんたち・・・というと、ケン・ローチの映画みたいなんだけどさ。
厳しい現実や絶望がつきつけられるだけではなく、ほっとする場面や人の気持ちの素敵な所が上手くミックスされた、ちゃーんとエンターテインメントになっている作品でした。とりわけ、クリスマスの夜の奇跡が素晴らしい(まさにクリスマスなエピソード!)。

これ、女性監督の作品で、主人公も女性で、作中で男性はほとんど重要な存在ではなく。
「男性の不在」とか「男性の権威の失墜」なんかがうっすらとただよっている、最近のアメリカ映画。お金持ちの社会も、そうでない社会も、同じようにその問題を抱えてるんだなぁと思いました。

唯一、白人女性の方の長男が、色々悩んだり苦しんだりしながら、自分なりに頑張るけなげな役で、がんばれアメリカ男子!と心の底から応援。
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