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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.06.Tue
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2010'03.08.Mon
森山未來祭り、番外編として、舞台を観てきました。
カフカの変身
舞台はほとんど観ないので(最後に観たのはNODA MAP番外編のTHE BEE)、それが舞台の方程式なんだよ!って箇所が陳腐に見えちゃったのはあるかも。
・・・という人の感想。

ストーリーは説明不要な、或る朝起きたら虫になっちゃってた話です。
でも「虫」をものの例えと考えると(例えば「病気になった」とか)、家計を支えてくれる息子におんぶにだっこだった家族が、息子が役立たずになったことで、右往左往し、それぞれの我が侭を主張し、大揉めするものの、やがて息子から自立して、しまいには役立たずになった息子を排除しようとする、という酷いけど十分あり得る話です。
最近ではカフカは引き篭もりを予見してた、なんて意見もあるみたい。確かに、甲虫を心の殻と考えるのもアリかも知れない。
・・・という、家族モノ喜悲劇。

舞台のセットはシンプルな金属の骨組み(一部台つき)と椅子だけ。
こういうシンプルなセット、しかも小道具も極力使わないで、マイム(っぽいもの)でやる場合、キャストの表現力にばらつきがあると、変に見えるんですよね・・・。
森山未來が演ずる「虫」はその骨組みをカサカサ登ったり、ぶら下がったり、床に降りてきて家族に悲鳴を上げさせたり。その虫っぽい動きの演技は実に気味が悪くて凄い。この人の身体能力がなければ、実現できなかった表現方法。
それに対抗し得る技量の人がいなかったので、なんか素人とプロが一緒にワークショップやってるみたいなテイストになっちゃってた気がする(お母さん役はまあまあだったけど、父と妹はあれでいいわけ?)。ついでに言うと「下宿人」が、身体能力以前の問題として、物語から凄まじい浮き方をしてたんだけど、「笑いが取れたんだから全部OK」なんでしょうか。ああいう笑い、必要だったんでしょうか。

あとは、いちいち入る効果音がうるさいとか、小道具をもっと工夫して欲しいとか(原作では虫を追い払うのにステッキを使うんだけど、竹竿だった!東欧の物語をやるのに竹竿って!!!)、もっと古めかしい単語を選んで欲しかった("ホワイトソースがたっぷりかかったシチュー"とか、"解き放す"とかちょっと耳に障った)とかは、個人の好みかなぁ(脚本は英語→誰かが翻訳→日本語だったんだろうか。訳す人フィルターがかかっちゃったのかも知れない)。

いまひとつ入り込めずに、「とりあえず虫だけは凄い!虫を観よう!」と、だんだん視線は舞台で何が起ろうとも森山くんにフォーカス。
料金の全ては虫に払った!
何故か2列目真ん中という近過ぎる座席だったため、むしろ前の方で何かが起こってて、奥に虫がいる状況でも、虫だけを堪能できました。やれやれ(ハルキ風)。

「この家族ひでー!かわいそうなグレゴール!」って後味は原作と変わらないのに、なんだかなぁ、というもやもやが残った。
キャストが違ったら全く印象違った気がする。
全員プロのダンサーとかで観てみたいなぁ。

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作 フランツ・カフカ
脚本・演出・美術・音楽 スティーブン・バーコフ
出演 森山未來 穂のか 福井貴一 丸尾丸一郎/久世星佳/永島敏行
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