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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.06.Tue
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2010'03.23.Tue
銀座シネパトスの名画座回数券の期限が迫っていまして。
やっていた特集「プレイバック! ~今よみがえる、あの日の2本立て~」・・・の中から、タイトル文字やあの音楽だけは知っているのに、観た事がなかったこの作品をば。
広島のやくざの抗争。みんな気合いの入った広島弁でがなり合います。わー!ノブリンがいっぱい!(注:現コンサドーレ札幌の監督の石崎信弘氏。広島弁といえば私の中ではこの人)

男気、義理人情満載の、いわゆる「かっこいいスカっとするヤクザ映画」ではなくって。
出てくる人はみんなもやもやと、欲に走ったり、臆病風吹かせたり、中途半端な立ち位置だったり、裏切ったり、裏切られたり、やたらと人っぽい。
しかもこともあろうか、最も「こいつしねばいいのに」と思う人物がずるずるといつまでもいい目を見ている。
wikiでこの映画の公開後に、菅原文太のもとに少年が訪ねてきて"「おやじさん、山守は絶対、俺が撃ってきますけん」と言うので「ありがとう、まあ、ラーメンでも食いに行こう」と連れ出して説得して帰ってもらった"というエピソードが出ているけれど、分かる!分かるよ少年!私も、ええい、誰もやらんなら私があのムカつく山守を!!!って気分になったもの。
そういう入り込んでしまえる世界、っていうのが、この作品の魅力なんだろうなぁ。
続編も観るべきだろうか。
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出演: 菅原文太 監督: 深作欣二

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で、同時上映だったのが、"私たちのおじいちゃん"こと鈴木則文カントクの作品。
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出演: 杉本美樹, 宮内洋

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護送車から脱走したスケバン集団の大活躍!
とはいえ、なんだか活躍が地味でいじましくてね。
その辺の不良グループと無駄に対立したり、ハト捉まえて焼き鳥にして、お金稼いだりね(英国失業者モノみたいだ)。
女同士がキーキー喧嘩する光景って、同性から見たら見苦しいし。てゆーかこんなの男性だって、観たい人は限られるんじゃないの?と、うだうだしてくると、絶妙なタイミングでおっぱいポロリとか、美女が縛られて拷問とか、普通にエロいシーンが挿入されるので、おじいちゃん、さすがだわ、と思った。

とはいえ、女が観てもカッコ良さにほれぼれするね!って作品でもなかったので、途中でだらーっとしてしまいました。
シーリーズ4作目だか、続いてるものらしいので、ちょっとマンネリ化してたのかも。
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2010'03.10.Wed
ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)
浅野 いにお (著)

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ソラニン』の試写会に行って来ました。原作既読。
大学は卒業したものの(一人は留年だが)、気分はまだまだモラトリアムな若者たちの物語。

浅野いにおはイタいんですよ、青いんですよ。
いいコトでも、嫌などろどろしたコトでも、キチガイじみた部分でも、もう自分は卒業したモノをつきつけてきやがるんです。それゆえ気になるんだけど、気恥ずかしいというか。
(『おやすみプンプン』まで突き抜けてると、逆に読みやすいんだけど・・・)

特に『ソラニン』は、若い時の自分や周辺が抱えていたもやもやが、まんま描かれていて、なんだか他人とは思えず、ちょっと思い入れがあったのです。
「こんな風になりたい訳じゃないのに、なんでここにいるんだろう。
このままでいいのかなぁ。でも自分は一体何になりたいのかなぁ。」
とか。
「本当はやりたいことがあるんだけど、自分にはそんな才能ないんだろうなぁ。
だからこうするしかないんだろうなぁ。」
とか。
一体どこが自分の居場所なのだろうと、いらいらもやもやしたものを抱えながら過ごしていた、大学卒業したての頃の自分とか、周囲の人達とか、仕事しながら音楽続けていたその頃の恋人とかが、わーっと蘇ってきて、とても正気では観られませんでした。
わー!恥ずかしー!!!!!ばかばかばかばかばかガキガキガキガキ(誰が?)。

なので、映画自体も純粋に評価はできないかも。
結構泣いたりしてしまいましたよ。

といいつつ、評価も試みてみると、思った以上に原作に忠実であろうと頑張り過ぎて空回った感もあったかなぁ。
「これまで拾うか!」って位に、細かいギャグなんかも拾ってる。でも、それだけ拾いまくってるのに、あれ?これは拾わないんだ?っていうポイントが、結構自分の中では大事なとこだったりして。
そして人物描写が薄い。登場人物それぞれが抱えている焦燥感みたいなのが全然描けてなく、それゆえ、種田のあのシーンのインパクトが薄い(あそこでテロップ使うとは思いませんでした!)。たぶん、マンガの文法ではなく映画の文法で描かなければいけないところが、上手くいってないんだろうと思う。
クライマックスのはずのライブシーンは、もうライブってより、あおいちゃんの顔のアップばかり撮りすぎ。しかも曲が盛り上がるところで回想シーン入れやがって、楽曲のヴォリューム落としたのにびっくり。嗚呼せっかくのあおいちゃんの熱唱が。

あれ?けなしてる?

とはいえ!キャストはみんな凄くよく、役者さんの力が、映画の足りない部分を補っていたという感じ。とにかく、あおいちゃんが物凄く上手くてかわいい。ムカつく上司に気持ち悪いメールをもらい、目元をピクっとさせる所など、上手すぎて眩暈がしました。
高良くんも種田にしては顔が綺麗すぎと思ってたけど、思いの他よかった!(イメージ的には、いにお本人なんだけど)
映像も、さすがPV出身の監督さんだけあって綺麗でした!
なのでキャスト目当ての人はいいかも。

ああほんと、あれだけ台詞ひろったのに「死んじゃうなんてずるいよ」は入れないんだなぁ。
自分には凄く印象的な台詞だったんだけど。
2010'02.15.Mon
白い野獣(1950)
監督:成瀬巳喜男
出演:山村聡、飯野公子、三浦光子、北林谷栄
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おばあちゃん祭り!と宣言したから…ではなく、長らくHDDに溜まっていた作品を適当に鑑賞したら、出ていました北林谷栄。おばあちゃんの役じゃなかったけれど、声で判別できちゃうのが凄い。

娼婦の更生施設が舞台の群像劇。
売春いけなーい!梅毒こわーい!…という説教映画っぽい作り。
全く宗教は関係ないのだけれど、梅毒=悪魔と解釈できて、ちょっとキリスト教っぽかった。
身体を売ると悪魔にとりつかれますよ!と言わんばかりに、梅毒のせいで、戦争から戻った許婚との結婚に踏み切れない娘や、狂死する娘(これが北林谷栄)が出てきたり、「好きなように生きて何が悪いの?」という娘が改心するきっかけが梅毒への恐怖だったり。
ラストシーン、子供が生まれた朝に、朝日の中に佇む改心した娘のシルエットも、ちょっと宗教画っぽかったし。

いい人が清らかすぎるし、ちょっとケンカや揉め事はあるにしろ、なんだか寮生も海千山千の売春婦集団にしては、素直すぎて生き生きしていない感じ。
退屈はしなかったけれど、もやもやした。

先日『宗方姉妹』で、自虐飲んだくれダメ亭主をやっていた山村聡が、清廉過ぎる寮長役。
役者さんって、観る時は続くなー。
2010'02.12.Fri
世界の中心で、愛をさけぶ スタンダード・エディション [DVD]世界の中心で、愛をさけぶ スタンダード・エディション [DVD]
出演:森山未來, 長澤まさみ, 大沢たかお, 柴咲コウ 監督: 行定勲

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森山未來祭り、映画版フィナーレには、一生観ないと思っていた本作を。
(・・・たまたまWOWOWでやってたのさ)
避けていたのは、監督の作風が苦手なため。何本か観たけれど、綺麗なだけで話の背骨がない感じなんだもん(小津安二郎と気が合わないのとは違いますよ。小津安二郎は背骨があるけど、自分とは合わないだけ。行定勲は、背骨がそもそもないの)。

別にストーリーについては責めませんよ。
「恋人が白血病で死んでしまう」というのはメロドラマの定番としてアリだし、定番だからこそ、描き方でいくらでも料理できる。
実際に、ドラマ版のセカチューはとても良かった。
前半は仲代達矢にうっとりし、後半は三浦友和に号泣できた(またおっさんかよ)。
いやいやいや、全体的に、凄く素敵なドラマでしたよ。

しかしこの映画は酷い。
3名による共同脚本なのに、この中のひとりとして「これはいくらなんでもおかしくない?」と思わなかったんだとしたら、全員脳味噌が沸騰していたとしか考えられない。
「偶然にしてもでき過ぎてないか」とか「この時点まで**しなかったのは不自然過ぎないか」の連続が許容の範囲を超えていた。
森山&長澤がいいか、山田&綾瀬がいいか、とかいう問題では・・・(主役二人はどちらもそれぞれいい)。

映像や美術はとても綺麗。
しかし、せっかく綺麗なのに、映画なのに、肝心のところは絵よりも台詞で語る始末。
恋に落ちる瞬間くらいは素敵に描いて欲しかった。序盤の先生の葬儀で弔辞読むところは、ドラマの方がむしろ説得力ある画づくりしてたと思う。
まあ、この映画で「は?」と思った部分は、ドラマで作り変えてあったので、たぶんドラマのスタッフも映画を観て「ここは自分だったらこうするよ…!」とわくわく改変したんだろうな。

原作では交換日記であるところを、カセットテープの交換にしたのは映画版らしいので、そこが唯一の功績かも。


・・・森山未來は、はっちゃけない役だと声がいいね・・・(逃避)。




行定勲、もう絶対観ない。
2010'02.09.Tue
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[監督]陣内孝則 [出演]森山未來, 加藤ローサ

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森山未來祭りの中で、作品として一番楽しめたのがコレ(今の所)。
プロのタップダンサーになる夢を、怪我のために断たれた主人公が、ひょんなことから弱小少年アイスホッケーチームの監督になり、素人ながらチームを大会優勝に導く、という話。
・・・といっても、主人公の挫折や苦悩なんかはおいといて。物語はあくまで、元気いっぱいの子供たちとユニークな監督が繰り広げる、子供スポ根話+小さな恋のメロディ話に徹してて、それが成功してました。親子で楽しめそう。
アイスホッケーに興味が出て、実際に試合を観に行っちゃったよ。

素人がいきなり監督してチームを優勝へ、といっても、プロのダンサーを目指してたって所がポイントで。
ホッケーのルールは知らねど、とにかく試合のながれをじーっと観て、メンバーの適性や、試合の流れ、コンビネーション、相手との違いを見極める。
ジャンルは違えど、人間の肉体ときちんと向き合ってきた人だから、そういうことはできなくはないんだろうな・・・と、割と納得。そんなに絵空事な感じがしないのでした(そもそも実話が元だそうで、実在の監督さんはスキーのジャンプをやっていたらしい)。
適材適所、シンプルな作戦、試合のリズムの把握、そして「自分たちは弱い」と信じちゃってる子供たちのモチベーションをアーップ!・・・子供の指導で、一番大事なポイントはきちんと押さえてるような気がする・・・。
「あれ?監督が言った通りにしたら上手くいったよ!」という流れで、監督と選手との信頼関係が、一番理想的な形で作り上げられて行く様子がすがすがしかった。

盛り上がりもギャグも泣きもべったべた。でも、べったべたをきちんと作れる人は、なかなかいなくって。
変な作家性とか出さずに、きちんと物語を紡いだ陣内監督は、結構冷静な人なんだろうなー(逆に『ガマの油』を撮った役所広司は、凡人には計り知れないはっちゃけた脳内なんだろうなー)。
何故そんなに上手くいくのかとか、何故そこで歌うのかとか、何故試合中に踊り狂うのかというツッコミなぞ野暮野暮。

森山未來は、『WATER BOYS』のタテノリくんが成長したような、愉快にはっちゃけてるけど頭はいい、というキャラで、子供大好きの盛り上げ役。ダンスや手品シーンから、「ワタシノイウトオリニスレバー カナラズカテマース」などと謎の外人ぶって子供たちにアドヴァイスする様子まで、楽しんで見守れました。

また塚本高史がカレー屋の客役でちょこっと出演。
田中要次のイケメン版かこの人は。
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