2008'05.09.Fri
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枕のように厚い本。5センチくらいあるのです。
で、話は3巻から始まって、その後プロローグが入り、1巻、休憩、2巻、4巻の途中にエピローグが挟まる・・・という変な構成。途中で作者が主人公と話し合ったりも。
奇想天外な面白い本なのでは!とわくわくして読んだのだけど、話は予想外に普通だった。
半分は、タイトルと同じラナークという名の男性が主人公の、異世界の話。これが、カフカの城のSF版みたいだなぁ・・・と思ったら、おまけについてた作者インタビューでまさにカフカに影響を受けた、と出ていて、まんまやん、と。
もう半分はラナークがその異世界に来る前に送っていた人生の話。作者の自伝を下敷きにした、ダンカン・ソーという名の主人公の、「悩める青年像」。
自分がひとかどの芸術家であると信じて疑わない自意識過剰の青年が、病を言い訳にぐだぐだと非社会的で非生産的な日々を送る話(この手の話は勝手に「大宰くさい」と烙印を押してしまう・・・)。
認められたい(認められるはずな)のに認められず、愛されたい(愛されるはずな)のに愛されず、孤独の中で憔悴しきっていくわけです。
男性の方が共感する本なのかも知れないなぁ。
・・・女はこういうのは、勝手にしろ、と思ってしまうわけなので・・・。
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