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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.06.Tue
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2010'03.17.Wed
アヤックスの戦争―第二次世界大戦と欧州サッカーアヤックスの戦争―第二次世界大戦と欧州サッカー
サイモン クーパー (著),柳下 毅一郎 (翻訳)

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"アヤックスの"とついているけれど、アヤックスだけについての本ではないし、オランダだけについての本でも、サッカーだけについての本でもなく、副題の"第二次世界大戦と欧州サッカー"が内容に一番近いかなぁ。
特にイスラエルにおいて根強いらしい、「オランダはアンネ・フランクを匿った国だし(もう少しで救えるところだった!)、ユダヤ人に親切にしてくれた国」というイメージに対して、実際のところ、オランダ人はナチスのユダヤ人迫害に対してどういう態度をとっていたか(そもそもフランク一家の隠れ家を密告したのもオランダ人)、また、諸外国はどうだったのか、を描くために、作者の専門分野であるサッカーを題材にした、という感じ。
作者は子供のころにオランダ住んでいたこともあるユダヤ人。自分のルーツを追いかける意味もあったのだろうけれど。どんな感覚なんだろう、どんな気持ちで取材を進めたんだろう、と、あれこれ(絶対実感はできないけれど)想像しながら読み進んだ。
「自分たちのした事をきちんと認めよう」と本書は訴えかける。それはきっと"オランダ人の話"とだけ受け止めてはいけないんだろうな。
それにしても、この題材をサッカーを通して描けるんだから、ほんとに文化として根付いてるんだなぁと深く感じ入る。200年後位には日本もそうなるかしら?

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この本の中で、デンマークが(オランダとは違って)ユダヤ人を積極的に救った国として描かれていた。しかも、ユダヤ人根絶のために派遣されてきたドイツ人も、滞在しているうちに考え方が変わって、デンマーク人に味方するようになったりしたんですって!
二次大戦中のデンマークといえば、今年観た『誰がため』(感想はココ)。
あれは"デンマークでは長らく語る事がタブーとされていた、二次大戦中のレジスタンスの話"・・・ということだったけれど、ユダヤ人を積極的に助けた国として、レジスタンスは何故タブーだったんだろう。やり方が間違ってたからかな。その辺の映画解説が探せないので宿題。というか、この件に限らず「タブーを破る!」とか煽っておいて、何でどうタブーなのか書かれないことって多いよね・・・。

なんかこう、別々に観たり読んだりしたものがかする瞬間って、好きだな。
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2010'02.25.Thu
英国のダービーマッチ英国のダービーマッチ
ダグラス ビーティ (著), Douglas Beattie (原著), 実川 元子 (翻訳)

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図書館の返却期限が迫っていて、カンボジアくんだりまで持って行って読了。
サッカー本は戦術論は読めませんけど、こういうのは大好き。
欧州では、サッカーは歴史や政治や社会情勢や秘密結社や経済や戦争や宗教や民族や・・・あまりにも多くの事と、密接な関係を築いているので、その国や地域を知る重要な手がかかりになる。
日本はまだね、そこまでサッカーが根付いていないけれど、いずれは、もっと色んな事が起こるはず。
とってつけたようなダービーだのクラシコが、いずれは本物になってゆくはず。

旅先でのガイドさんの話ぶりから、カンボジアがタイに対し、「文明の発祥は俺達の方がずーっと先なのに、丸パクリした挙句、さも自分たちが元祖ですって顔して歴史書き換えてやがる」・・・みたいな感情を持っているような印象を受けた。
あー、中国とか朝鮮半島も日本に対して似た感じを持ってるのかねー?なんて友達と話しつつ、ちょうど読んでいた本書のマンチェスター・ダービーの箇所も思い出したりして。クラブの輝かしい伝統と、現在の規模や成績とは、必ずしも両立しませんものね・・・。
色んな次元で、「発祥は俺らが先なのにちくしょー!」って感情はあるなぁ、と。

九月姫とウグイス (岩波の子どもの本)九月姫とウグイス (岩波の子どもの本)
サマセット モーム (著), 武井 武雄 (イラスト)

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旅行の話に戻ると、ツアーにセットになっていたので観賞した、カンボジアの伝統舞踊は確かにタイのにそっくりで(というかカンボジアが元祖なんだけど)、「九月姫みたいだ!」と、小さい頃に読んだ童話を思い出しました。シャムの王族の物語。
気付けば絵は武井武雄!

ツアー中に聞いた話で、カンボジアでは、女の子が親の面倒をみるのが伝統なので(結婚すると、お婿さんがお嫁さんの家に住むみたい)、女の子が生まれる方が喜ばれる・・・というのがあった。
この物語って、そういえば女の子がたくさん生まれる王族の話だったけれど、それってお目出度い、繁栄の象徴みたいなイメージがあるのかなぁ?

・・・まあ、ラストで九月姫が美しく育ってカンボジアの王様にお輿入れし、他の醜いお姉さま方はシャム猫1匹つけて、大臣たちに嫁にやられる・・・という感じだったので、タイはちょっと習慣や価値観が違うか・・・すみません、妄想でした。
2010'02.10.Wed
ハゲタカ2(上) (講談社文庫)ハゲタカ2(上) (講談社文庫)
真山仁

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アラン坊やがーッ!!!!
・・・の謎が次作持ち越しにされてがっかりでしたが、面白かったです。
キャラもしっかり立ってるし、「なんだこいつ」と思ったキャラは大体スッキリ報いを受けるし(若干名したたかに生き延びる人がいるのもお約束)。
読んでる最中に、KDDI→JCOM←住商とか、キリンとサントリーの合併破談の話が実際に起って、おお、世界は似た様な事を繰り返してるのか!とかとか。何が現実で何が架空なんだか分からないような感じに(まあ、作中のエピソードもモデルがあるのだけれど)。

しかーし!本来、こういう本を続けて読むのは自分の傾向ではなく。
本来好きなタイプの本に集中できなくて、こういう本(特に貶めるつもりはなく、あくまでタイプの違い)しか読めない、という感じ。
次はたぶん推理小説とかを読むと思う。
まだ体調万全ではない気が(意味不明)。
2010'01.22.Fri
ハゲタカ(上) (講談社文庫)ハゲタカ(上) (講談社文庫)

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(長々したエントリを書くとはずみがつきますね)

遂に原作に手を出してしまいました。
キャラクターと、いくつかの買収大作戦においてネタを得ているものの、ドラマは別物と考えた方がよいみたい。
人間関係などの基本設定が違う部分も多かった。上手にドラマとして再構築したものだ、と、今更ながら感心。
とはいえ、ついつい鷲津さんが関西弁喋ってる!とか、鷲津さんってピアニスト志望だったんだ!似合う!とか、大森南朋を思い浮かべて盛り上がったりもしてしまった。

ドラマとは別物なのに!経済用語とか苦手なのに!止められなくなって一気読みしてしまう面白さだった(もちろん、ドラマが間口を広げてくれたせいもある)。
申し訳程度に名前は変えてあるものの、具体的なモデルがあるらしきエピソードも多く、ああ、経済系のニュースをもうちょっと読み解ける知識があれば、現実世界だってもっとドラマチックに感じられるんだろうに!と、自分の浅さを残念にも思ったり(これから読めるようには・・・たぶんならないだろうけど)。
2009'09.07.Mon
夏への扉[新訳版]夏への扉[新訳版]
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「猫語辞典」のキーワードでこちらにいらっしゃる方が結構いらして。
役に立てる情報でなくってすみません。
ちなみに、雑誌「ねこのきもち」の付録の猫語辞典は、長年の猫飼いにとっては全く新たな発見はありませんでしたよ。初めて飼う方にはいいかも知れないですが。
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杉並の某有名動物病院で、猫が「余命一ヶ月」と宣告されてから二ヶ月が経ちました。腫瘍は自壊しているものの、食欲もあって普通に元気です。
「もういらないのかな」と思っていた猫エサや猫草が在庫切れになり、買い足すこの喜び。
肩に力の入った、息詰まる短期集中看護モードから、穏やか長期戦に切り替え。やることは一緒だけど、気構えはちょっと違うような。

あの時その某病院で、
「余命一ヶ月、ただし、免疫治療をすればプラス一ヶ月は延ばせる可能性がある。ただし、通院が必要なので、ストレスの方が重い場合も・・・」
「免疫治療は一回15万ほどで、複数回行う必要がある」
「猫にとっての一ヶ月は、人にとっての半年に当たる。短いと取るか長いと取るかは飼い主さん次第。」
「・・・どうします?」
というようなことを言われ。
ウチの猫のストレスへの弱さや、それからやっぱり金銭的なことも考えて、結局医者の前で大泣きしながら「治療はしません。家で看ます」と返答。
そう返答してしまったことに、思い悩んだ日々でもあったりした。
「一ヶ月の長さ、短さ」もあったし、猫本人の目の前で「お前のためにその治療はできない、半年という時間はあげられない」と言い放ってしまった、というのも恐ろしいことのように思えて。

猫もある程度、コトバを解しているのでは、と考えてしまうのは飼い主の妄想ですかね。

・・・という長い前置きからこの永遠の猫モノ名作SFの、新訳の話。
もう旧訳を幾度も読んでいて、あちらのきりりとした日本語に馴染んでいるので、やっぱり「軽い」ように思えてしまったのだけれど、いくつか旧訳では省いていた箇所が判明して、それはちょっと嬉しかった。

それと、新訳は、猫語が英語に近い!
旧訳が「ゴロニャン、ニャオウ」だった所が
「ウェルルルルル?ユーノォウ(それで?わかってるだろ)」(括弧内ルビ)
・・・になってたり。Well, you know
昔より、日本語に英語が大分浸透してきてて、スペルが浮かびやすい分、訳する方も楽になったのはあるのでしょう。
ナウ=NOW だって、昔は浮かばなかったものね。
いいなぁ、英語の方が猫の発音には合ってるんだわぁ。
こちらの話すことを解すばかりか、向こうもそれなりに喋ってくれたら楽しそう。
きっと分かってて、喋ってる!とハインラインも思っていたのでしょう。

そんなこんなで、大好きな物語に新しい発見ができたという点で、新訳には感謝。

もちろん、例えば前書き
旧「世のなべての猫好きに」
(私が「なべての」という語を使うようになったのはこの前書きがあったから)
新「猫を愛するすべてのひとたちに」

最後の一行
旧「そしてもちろん、ぼくはピートの肩を持つ」
新「そう、ピートが正しいのだとぼくは思う」

・・・と、やっぱり旧訳の方が洗練されてる、というか私は好みなのだけど。
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