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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.07.Wed
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2009'05.07.Thu
パワー (西のはての年代記 3)パワー (西のはての年代記 3)
ル・グイン、[訳]谷垣 暁美

河出書房新社 2008-08-23
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シリーズ3冊目はどうなるどうなる?と徹夜で読み切ってしまった。
1冊目が一番内に向いていて読むのがつらかったけれど、あとの2冊は娯楽としても素晴らしく、ただただ物語と一緒に突っ走れた。
とはいえ、シリーズ中で数々の人を作品で救う詩人が生まれる経過として、1冊目はとても重要な存在なのだが。

3冊目は、奴隷制をとる社会で、比較的恵まれた奴隷の立場に満足しきっていた主人公の少年が、色々な事件や辛い体験を通じ、社会の制度に疑問を持つようになり、価値観を変え、自分の居場所を探す逃亡の旅に出る話。
主人公は様々な仕組みを持つ共同体を体験して(それぞれ現実にも置き換えられる、とてもリアルなものだ)、自由とは?を考え、成長して行く。

知識が、その社会が持つ「常識」とか「普通」を崩壊させて行く様子。
物語が、追いつめられた人々の心を支え、救う様子。
言語芸術を共有する社会、それが一切存在しない社会。
とにかく言葉がどれだけの力を持っているか、についての緻密な物語だった。

おなかいっぱいに満足。
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