2010'02.06.Sat
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日テレで初放映!ということで、ようやく観たよ。この大ヒット作品。
序盤、海で拾ったお魚を助けるために、バケツに入れた水道水に放り込む所でぎょっとしたせいか、なんか細かい所が気になって入り込めなかった。
何故母親は、あの曲がりくねった崖っぷちの道を運転するのに、あんなによそ見ができるんでしょうか。嵐の中、あんなに無理矢理車を出す必然性は?子連れなのに、制止されているにもかかわらず、危険な道に突っ込むのは何故でしょうか。その上、5歳の子供を残して出かけるのも謎・・・。
水の底に沈んでしまった街の映像は、洗濯物が干されてたりと生活感をたたえたままで、それがやたら怖くてねえ・・・。ポニョが「そうすけスキー!」って言ったばっかりに、波にのまれて何人死んだんだろう・・・みたいな。
なんか途中からは、洪水で死んだ街の住人たちが住む、死後の世界の話かとすら思いましたよ。
「スキー!」だけで世界を滅ぼすのはやめていただきたいです。しかも特に落とし前も無いしさ。
いくら子供向けとはいえ、大人目線で共感できないのは残念。
面白い子供向けの本なり映画なりって、子供の時は子供目線で楽しめるんだけど、大人になって見返すと、大人の目線でも楽しめて、子供の時には気付けなかったポイントが結構じわっとよかったりするんだけど・・・(そりゃあ大人が書いてるんですもんね!)。
ポニョは大人を超越した人が作った話としか思えませんでした。
そうです、心が汚れているのです。でも大人なんだから汚れもしよう。
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2010'02.04.Thu
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引き続き森山未來祭り。
これはTBSのスペシャルドラマの完全版のようです。脇役は玉山鉄二、古田新太、麻生祐未、樹木希林・・・と超豪華。タマテツ出演は知らなかったので、途中でわー!出てたんだー!と、御褒美気分でした。
原作も読んだ事があるはずだけど、戦時中の特攻隊員の若者と、現代のニートなちゃらちゃらした若者が、事故をきっかけに入れ替わってしまう・・・という設定しか覚えていなかった。
森山未来は特攻隊員とニートの2役。しっかり演じ分けていて、身体の動きからして違いを出していてさすが(軍人ながらのぴしっとした動きとか、上手い)。
軍人くんが、渋谷のごみごみした街や不親切な人々を目の当たりにして、「こんな日本にするために、自分たちは戦ってたのか!」と驚愕するところは、もう現代人全員平謝りだね・・・。
とはいえ、「国のため」は、ホントに大真面目にそうだったのかしら?幼い頃からそういう常識の中で育ったら、もうそういう価値観になるのかしら?命は国に捧げていたのかしら?それとも、表向きはそう言いながら、心の底ではほんとは、身近な誰かを守るために、自分がやらないと!というのを心の支えにしてたのかしら?
全然価値観の違う世界に放り込まれて、「え?自分は死にたくないんだけど!」と右往左往するニート君に共感しながら、色々想像。結局彼も、究極的に守らなければいけない存在を見出して、頑張ることになるし、それにはもちろん共感できるんだけど、でもどうだったのかなあ。「国」って当時は感覚的に、自分の中でどういう位置を占めていたのかなぁ。想像するしかないですけどね。
矛盾点や安っぽい所も多々あれど、結構色んな事を考えられるいいドラマでした。
上野樹里もかわいかったしな。
・・・なーんていう頭の中になっていたタイミングで、今日は能の『朝長』を観て。
16才で自害した源朝長の物語。前半は自害の場となった宿の女長者が最期の様子を語り、後半は朝長の亡霊が語る・・・という内容。
今まで能は、ストーリーよりも言葉や音の調子が何だか心地よい・・・というレベルで、トランスを聞くようなノリで楽しんでいたのだけれど、今日のは何だか語られる内容の細かい所に色々と妄想が働いて、初めてストーリーに浸かって楽しめた。
朝長は、怪我を負い、このままでは雑兵に殺されてしまう、それよりは・・・と自害を選ぶのです。
ああ、そういう場合は自害の方がマシ、雑兵に殺されるのなんて恥、という価値観なんだよなぁ・・・若くしてさぁ・・・と、また時代による死に対する感覚の違いに打たれたのでした。戦って死のう、でもなく、それなりの人に殺されるんじゃないなら、自分から死ぬのか。
(・・・ってことは、雑魚に斬らせるのって物凄い辱めになるんだろうな・・・)
自害に気付いた時にはもう衣に血が染み渡ってて・・・とか、膝を射ぬかれて、矢が馬の脇腹まで突き通されて、取ろうとしても馬が暴れて・・・とか、痛々しい描写が生々しくて、ああ、こういうのを聞いて昔の人は「くぅーッ」と涙したのかなぁ、とか想像してみたり。
観世元雅の作品の可能性が高い、とのこと。室町時代ですね・・・。
2010'02.04.Thu
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・・・へオマージュを捧げた、山田洋次監督の『おとうと』を観てきました。
姉役が吉永小百合ってキャスティングな時点でもうファンタジーなわけですが。
小さな商店街を舞台にした、ほのぼの人情モノ、という設定も、かなりもうファンタジーなのだなぁ、としみじみ。もうすぐ駅ビルができて、商店街が危機に・・・?という空気も匂わせつつ、そこはしっかり描かずに、はかない幸せな空間で繰り広げられる悲喜こもごも。
商店会長の笹野高史と、町の歯医者さんの森本レオが、薬屋さんの一人娘の結婚祝いにやってくる・・・なんて絵も夢のようだったよ(個人的趣味?)。
とはいえ、自分はどうしても、自分に甘いあまり人に迷惑をかけまくり、お金にだらしなく、何か起きる都度、誰かにお尻を拭いてもらうのに甘え甘えて、なおかつ自分がどんなに恵まれているのか無自覚な、だらだらしたキャラクターというのが苦手で。
しかも、そういうキャラをずるずると許してしまう、というのも苦手で。
一歩引いて、なるたけ感情移入しないようにして、ああ、鶴瓶は演技上手いなあ・・・笹野さんも加瀬亮も素敵・・・などと、なるたけ高みの見物としゃれこんだ。
2010'02.03.Wed
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『Dr.パルナサスの鏡』を観てきました。
監督はテリー・ギリアム。
撮影中にメインキャストのヒース・レジャーが急死し、製作がとん挫。ヒースの直接の知り合いだったジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの参加で、作品完成にこぎ着けた、という辺りが目玉の作品。
自分はギリアムファンなので、「作品が完成して良かったね!」と御祝儀のつもりで観に行きました。ほんとにギリアムって作品が完成できなかったり、完成しても上映に障害が出たり、妙な運勢の持ち主だと思う。でも生き残ってるんだから凄いなぁ。
そういうわけで、あまり完成度には期待してなかった分、あれ?案外面白かったよ!という印象。
ヒースの代役を3人で、というのは、タイトルでもあるDr.パルナサスの鏡の中の別世界に入ると、顔が別人になる・・・という理屈でした。ヒースが鏡の中に入ると、顔が時にジョニーになり、時にジュードになり、コリンになる。
その辺は、まあファンタジーなんだし、それもいっか、という感じで案外インパクトもなく、流せてしまえた。
で、ひたすらにハリボテ手作り感満載の、ギリアム独特の世界の方にどっぷり。
鏡の中や回想シーンはバリバリのCGで、逆に安っぽく見えて残念だったけど、旅の一座が乗っている、ステージ兼馬車のレトロ感など、登場からもうこれだー!と、どきどきした。物理的には走らせるのに無理があるような、木製つぎはぎの巨大な乗り物がやたら素敵・・・って、ちょっとジブリと近いかも。
女装した警察が踊り狂うシーンはちょっとモンティ・パイソンっぽかったりして、ほろり。
悪魔役がトム・ウェイツで、きゃー!トムー!!!と、どきどき。
結局、自分の好きな感じの物がちりばめられた、おもちゃ箱をわくわく覗くようなノリで、楽しんでしまった。
だから映画としてどう?と言われると、うーん・・・好きな人には好きかも・・・としか言えないような。
繰り返しになるけど、本作の目玉・4人1役は、そんなに印象には残らないです。
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去年観たジャームッシュの新作も、ほんとに「個人の趣味」として好きで好きで。
枝葉ばかりを積み上げたような、小ネタや素敵な建物やほうったらかしの謎や音楽(日本のバンドだった)にわくわくした。
・・・が、退屈な人にはほんとに退屈な映画だろう。
(あ、三木聡の映画も好きな人は同じ感じかな?>自分はちょっと苦手)
2010'02.03.Wed
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森山未來マラソンも後半戦へ。
元天才子役、現いじめられっこの普通の高校生が、再起をかけて学園ドラマのオーディションを受け、いじめられっこ役を獲得する。
現実世界でも、ドラマの世界でも、執拗に続くいじめ。
でも現実世界では、担任はいじめを見て見ぬふりをするダメ教師(松尾スズキがめっさいい)で、全く助けてはくれないのに対し、ドラマの世界では、熱血先生(田辺誠一)が熱い言葉を語って助けてくれて、いじめられっこの人生は、徐々に前を向き出す。
つらい日々の中、主人公の気持ちはドラマの世界に傾き出し、現実世界にいる間も、熱血先生のまぼろしが見え、熱いご宣託が聞こえ出すようになり、徐々に狂気の世界へと・・・。
それなりにブラックで面白かったのです。大人のキャストがみんなよかった。
田辺誠一が、今までに存在したあらゆる熱血教師ドラマのパロディを本当に空々しく演じていて、この人実は凄いのか天然なのかどっちだろうと思ったり。
ステージママ燃えつき症候群のようにおかしくなって、豆腐ばっかり食べている母親役のいとうまい子は空恐ろしかったし。
いつも「逆にね」ばかり言う(人って実際にいるけれど、ホントに何がどう逆なのか全く意味通じないんだよね!)テレビドラマ監督のトモロヲもおかしかったし。
とはいえ、いじめ部分が陰惨で、ブラックさを楽しむゆとりが与えられず、観ていてくたびれたよ。もうちょっとコミカルなものに限定してくれてたら、楽しめたんだけど。
学校っていう密室で、執拗に頭のおかしい奴にいたぶられつづけて、善良な少年が狂っていく話なんて、もちろんそれが世界の常なのかも知れませんが、やりきれない・・・。
ほんと、いじめっこって連日よくあんなことができるね。頭おかしいってば絶対。
その他見所:
森山未來のダンスシーン(一瞬)
鈴木清順のインタービューシーン(一瞬)
「過去に放送したドラマの1シーン」で、塚本高史が出演(一瞬)
しかし青春ドラマで、いじめられっ子が熱血先生によって自殺を止められ、徐々にクラスに馴染んで・・・って展開から、その後、レイプ騒ぎだの刃物騒ぎだのに行くのは、ちょっと無理があるよなぁ。結局、「嘘くさい青春ドラマをチャカそう」っていう意図だけで十分だったのに、「ドラマと現実がシンクロ」ってネタの方に振り回された感は否めないように思う。
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