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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.06.Tue
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2010'03.08.Mon
かいじゅうたちのいるところかいじゅうたちのいるところ
センダック [訳]神宮輝男

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・・・の映画版。ずいぶん前に観たんだけれど、感想聞かれた際に言葉足らずだったなぁと思ったので、自分の考えを消化するために。

冒頭、主人公の少年の孤独っぷりが描かれるのです。お父さんはなく、年の離れたお姉さんとその友達からは相手にされず、お母さんは家に恋人を連れてくる。
淋しいよ!もっとこっちを見てよ!構ってよ!わー!!!!・・・と、少年はマイナスエネルギーを爆発させて暴れ狂い、家出して、「かいじゅうたちのいるところ」に辿り着きます。そこで「自分は王様」と嘘をつき、欲しかった「中心」の位置を得るのです。

観ている薄汚れた大人な自分としては、出てくる「かいじゅう」たちのキャラが、主人公の色んな内面や、欲しかった母性がばらけて出てきたものにしか見えないのです。
特に、一番のトラブルメイカーなかいじゅうは、怒れる主人公にそっくり。
結局、色んな(かいじゅうとしての)個性はそうそう妥協点を見出せず、嘘はばれ、ユートピアは崩壊して、暴れかいじゅう(=自分の怒り)と対峙せねばならなくなる主人公。
ああああああ逃げても逃げても、自分の嫌な面とは対決しなければいけないものなんだよ!やっぱり!!!

少年の一番の敵は自分自身で、それと対決して、乗り越えて、成長する・・・という解釈って自分としても安直だと思うんだけど、それをとっぱらって、「わー!かいじゅうたちかわいー!」と楽しむには、テイストがダークすぎたんですよ。
果たしてこれは子供は楽しいのか?それとも、子供と大人は注目する所が違うから、それぞれ別のとこ観て楽しめるのか?全く分からない不思議な映画でした。

それと、腕をもがれたかいじゅうが、その状態で放置されたのは酷い。たぶん自分が子供だったらトラウマになったと思う。
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2010'03.04.Thu


散々前評判を聞いていて、早く観なくちゃ!と気ばかり急いていた『フローズン・リバー』をようやく観賞。
そういえばこれ、日本公開と同時に、アクトビラでオンデマンド有料配信もされていたようだけれど、これで観た人どの位いるんだろう?
ちなみにウチのアクトビラは古いので、動画が再生できません。
ちょっとの時間差で、仕様ががつっと変わるんだから、テレビも一度買ったらしばらく使えるってモノじゃなくなるんでしょうねー。

それはさておき(そんなんばっか)、噂に違わぬ、いい映画でした。
ニューヨーク州の、カナダの国境に近い寒い寒い町を舞台にした、二人のシングルマザーの話です。
ひとりは貧困層の白人で、トレーラーハウスに住んでいる二人の子持ち。お家を新調する予定が、夫がその代金を持ち逃げして窮地に立たされる(トレーラーハウスって4000ドル位で買えると知ったよ)。
ひとりは夫に先立たれたモホーク族で、小さな子供を夫の母親に奪われたまま、貧しさもあって取り戻せずにいるのだが、目が悪くて仕事が思うようにできない。
この二人が、白人女性の方の夫が置き去りにした車を通じて知り合い、生きて行くために密入国業に手を染めるというストーリー。
かちかちに凍った川が国境で、そこを車で一気に渡る。向こう側でトランクに人を隠して代金を半額受け取り、戻ってきて業者に人を引き渡してもう半額をもらう。
氷が割れる可能性も、警備隊に捕まる可能性も抱えながら、それでも川を渡り続ける。

二人とも、怠け者な訳でも、アル中ヤク中な訳でもないのに、他に選択肢がないような苦しい状況に突き落とされていて。生きて行くため、子供のために、法を犯しても頑張るお母さんたち・・・というと、ケン・ローチの映画みたいなんだけどさ。
厳しい現実や絶望がつきつけられるだけではなく、ほっとする場面や人の気持ちの素敵な所が上手くミックスされた、ちゃーんとエンターテインメントになっている作品でした。とりわけ、クリスマスの夜の奇跡が素晴らしい(まさにクリスマスなエピソード!)。

これ、女性監督の作品で、主人公も女性で、作中で男性はほとんど重要な存在ではなく。
「男性の不在」とか「男性の権威の失墜」なんかがうっすらとただよっている、最近のアメリカ映画。お金持ちの社会も、そうでない社会も、同じようにその問題を抱えてるんだなぁと思いました。

唯一、白人女性の方の長男が、色々悩んだり苦しんだりしながら、自分なりに頑張るけなげな役で、がんばれアメリカ男子!と心の底から応援。
2010'03.03.Wed
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横浜美術館で開催中の束芋 断面の世代 展が3/3最終日!という情報をツイッターで得て、慌てて駆け込み観賞。
アカウントだけ取ってあったのを、最近ようやく活用しつつあります、ツイッター。
mixiボイスを眺めていて、「**なう」とか「そろそろ寝ます」とか自分実況して何が楽しいんだ?と思っていたけど、全然違うのね・・・。
興味の範囲の人をフォローしておけば、おのずと必要そうな情報が入ってくる感じが面白いなぁと思っているところ。議論に活用、とかはできていないので、まだまだ使いようはあるんだろうけど、使うかは謎。

それはさておき。
確か横浜トリエンナーレの第一回で初めて触れた束芋の作品。
かつての風刺っぽいブラックな作風ではなく、とことん自分の好きな、気になるオブジェクトを突き詰め突き詰め、煮詰め狂った感の強い展示でした。
とりわけ指フェチっぽい。長いすんなりした指ではなくて、どっちかっていうと浮世絵の女性みたいな、むにむにしていて、下手すると何か別の生き物に見えてきそうな指。
生理的に好きな人とダメな人にぱっきりと分かれそう(自分はスキ)。
吉田修一『悪人』の新聞連載時の挿し絵が一挙に見られたのもよかった。
(『悪人』映画になるんだよね・・・。妻夫木くんはイメージがなぁ・・・)

コレクション展の写真の展示がよかったので、写真家さんをメモ
都市へのまなざし:須田一政、石内都、金村修、米田知子
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出演: クリストファー・リーブ, クリストファー・ブラマー 監督: ジュノー・シュウォーク

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午前十時の映画祭で観ました。
このイベント初めて行ったのですが、平日の午前中なのに、「みんな何者?」という位、混んでいる!(自分もか)

タイムスリップ恋愛ものです。
タイムスリップ恋愛ものは、基本的に切ない方向に行く傾向が。

色々と凄かった。
主人公が、宿泊したホテルの資料展示室で、昔の女優の写真に一目惚れするのだけど、何故そこまでという位の惚れっぷりが凄い。
そしてその女性に会うために、主人公が気合いだけで過去に飛ぶ、という飛び方も凄い。
まんまと飛んでからは、意中の女性にストーカーのごとく猛アタック。この時の、クリストファー・リーブの一途なキラキラ視線がまた実に凄かった。これぞキラキラ。このキラキラだったら、もう仕方がない。やっぱり恋愛に必要なのは視線だ!
そのキラキラと同時に、一目惚れられる女優さんも実に綺麗で、特にきっかけとなる写真が本当に魅力的で、画的な説得力は強固。
もうね、懐中時計は一体どこから出現したんですか、とか、そういうことはどうでもよくなるね・・・。

それにしても。
出会わない方がよかった恋ってあるんじゃなかろうか、いやいや、一瞬でも強烈な輝きを放ったならば、もうそれでオッケーじゃなかろうか・・・という、絶対結論の出ない議論にどっぱまってしまいそうになるラストには、何ともいえない気持ちになりましたよ。
2010'03.03.Wed
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ぼわーっと映画ばっかり観ています。
なんか旅行から生きて還るとは思わなかったよー。ほんと、飛行機落ちるんじゃないかと思って、部屋とかがっしり掃除して出かけたもん。・・・いやいや、単なるリセット願望破れたり、なんですよね、これは。

ここは一発がつーん!と傑作を観よう!と、気合いを入れ過ぎて行ったせいもあり、『グラン・トリノ』ほどはハマらなかったんだけど。
10年位したら、本作と『グラン・トリノ』はオバマ政権になった当時の空気を絡めて語られそうな感じがした。従来の強固な考え方を溶かして、人間が変わる話じゃないですか。パーソナルなレベル、国レベルの違いはあるけど。
たぶん、南アフリカも、その後問題続出で、悪くなったことだってたくさんあって、今の雰囲気は全然違うのでしょうけど。劇中の「マンデラ大統領誕生!これからよくなるよ!みんなで変わろうよ!」というキラキラ前途洋々な空気と、「We Can CHANGE!」の空気感が、なんかかぶりました。

本作は国レベルの話なので、どうしても話が広がり過ぎて、感情移入が難しかったのが、たぶんハマれなかった一因なのだろうけど。
マンデラ解放以前の状況を、ぱきっと絵にして説明したところとか(フェンスに隔てられて、白人はラグビーをやり、黒人はサッカーやってる)。
何気にラグビーのルールをちらちら挿入してくれたところとか。
「この人種混合ボディガードチームが仲良しになる描写があるはず!」と期待させて、その通りにきちんとほのぼのさせてくれたのとか(案外そういう期待って裏切られたりするんですが)。
監督の、職人的な部分に凄くほれぼれした。

それにしてもほんとスポーツって、政治戦略の道具でもあるなぁ。
日本はあんまり活用してないけど(しない、というのは美しくはあるけど。でも敢えてしてない、とは違うようにも)。
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