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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.07.Wed
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2009'02.04.Wed
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吉野 朔実

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・・・の (3)がようやく出た。
(写真がまだなかったので、リンクは1巻にしてみた)
店頭で偶然見つけたのでびっくりして、何度も確かめて購入。
秋に連載も再開されるらしい。

1の最初のページのお葬式の場面に出てきた謎の人物の名前がようやく登場。
でもまだ謎。

この世の中にあるあらゆる残酷なことが詰まっているのに、どうしてこんなに静かな印象なんだろう。暴力や死以外にも、差別や偏見や悪意や無神経が平然と垂れ流される中で、主人公の二人はあまりにも冴え冴えとしている。
一体どうなっていってしまうんだろう?と、読んでいる方はひたすらおろおろする。
『ガラスの仮面』は完結しなくていいから、これは最後まで読みたい。

それにしても。
自分に全く興味のない人の傍にいて、その人を好きでいるというのはどういう感じがするものだろう。

あと、おやすみプンプン (4)を読んだ。
この人の作品は、考え方が青い、青過ぎるのにやめられない・・・。
重たい罪悪感を、前に進めない理由にしてきたのに、それから開放された途端に、それこそを生きる理由にしていたと気付く、というくだりは分かってしまうよ、なんか。
・・・と思いつつ、うわあああああこっぱずかしいいいいいと、ぐるぐる。
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公開時には全くチェックしていなかったけれど、色んな人の2008年のベスト10に挙げられているので観てみた。
後味の悪さが凄い。

謎の怪物(虫嫌いには辛い架空の生物うじゃうじゃ)が潜んでいる霧につつまれて、スーパーマーケットから出られなくなった人々の話。
人間が大勢寄り集まった時に起こる事が想定されるトラブルが、全部入っていたといってもいい。
「霧の中の生物」を信じる信じないで争い、地元民vs他所者、どうしても出たいと言い張る人と止める人、布教に励む狂信者、信じる人、信じない人、泣き出す子供、暴力、言い争い、仲間割れ、不安、鬱、自殺、殺人。

結局、追いつめられた人々は、狂信者にすがる者と、自力で局面を打開しようとする者とに割れる。
始めは皆が迷惑がっていた狂信者の説教が、どんどん苦しい状況と合致していってしまい、その度に信者を増やし、それに従って狂信者の目に力強さが宿り、口調が呪術調になり・・・と、狭い集団の中で宗教が生まれて行く過程は、背筋の凍る迫力。
いけにえを求める狂信者集団が、主人公たちに迫る。

集団が閉じこめられる映画といえば、最近観た『ブラインドネス』(またか)。
あちらは、銃を振りかざした独裁者の方が台頭するんだよね。
主人公は一人だけ目が見えるわけだから、いくらでも神になるチャンスがあったのに、そこには踏み込まない・・・けれど、目の見えない集団の中でできることの多さからしたらそれは神に近いわけで、やっぱり、集団は神か暴力かに分かれるものなのだろうか。

『ミスト』の主人公たちは狂信者集団に対して、(いくら理屈上正しく見えても)銃を持つ側だから、暴力側とも言える。
どっちに転んでも、ろくな結果は生まれないわけさ
・・・と、いわんばかりの展開がめくるめく。
主人公の頑張りは、ことごとくろくな結果を生まず、最悪のラストに突っ走る。
「最後まで諦めるな」という教訓を得ることもできるけれど、作り手の言いたいことはそういうことではないんだろう。

良く出来た映画だったと思う。
でも二度と観たくなくなる、観賞後の恐ろしいまでの空しさってば!!!
映画館で観たかった、いや、観たくなかった、どっちだー。
2009'01.27.Tue
クローンは故郷をめざす』が、今年初めての、2009年公開作品鑑賞。
監督:中嶋莞爾、出演;及川光博、石田えり、永作博美、嶋田久作、品川徹

スチールが綺麗だったから、という適当なで出かけたのでやや不安だったけれど、スチール以上に映像が美しく、ゆったりしたテンポと静かな音声の、映画らしい映画だった。
こういう日本映画、久しぶり。しっとりとした、水分の多い画面は(引き合いに出したらいけないのかも知れないけれど)ちょっとタルコフスキー風。

「面白い!」というのでもなく「おすすめ!」というのでもないけれど、「丁寧に作られていて、(他人はどうか知らないけれど)個人的にはかなり共感のできる、手触りのいい作品だなぁ」という感じ。

タイトル通り、クローンの話。しかも、クローンといえば、身体はオリジナルとそっくりでも、記憶は残らない物語が多いけれど、その技術では、記憶もまるっとコピーできる。

「記録の全コピー」ということは、普段は脳の奥底にあって、意識には上らない記憶もコピーされるのだろうけど。記憶の層の並べ替えも、きちんとしてくれるのだろうか?忘れようとしていた嫌なことも、意識の奥に追いやっていた哀しいことも、ベタ貼りされてしまわないんだろうか?と観ていて心配になったのだが、その後の展開の中で、まさにそれに近いことが問題に。
ああ、大事にしたい部分が、作り手の人と同じだなぁ・・・とすっかり嬉しくなって、それで映画のリズムに入りやすかったのかも。
この作品に漂う、人の魂ってどこにあるんだろう?死んでしまったらどこへ行くんだろう?という思いが、死生観の違う海外ではどう受け止められるのか興味がある。
主人公が、双子の兄弟を亡くしているという設定も上手かった。自分のクローン化に同意した理由付けにもなり、肉体の死と魂について考える入口にもなり。

俳優さんの表情のゆっくりとした変化を丁寧に撮っていたのもよかった。
「夫は事故死したけれど、でもそのままクローン再生される」と知った時の、永作博美のとまどいと哀しみの表情!!!

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この映画を観たのは有楽町のシネカノン。
昨秋、引っ越した時に、これからは銀座や有楽町で映画を観ることが増えるだろう、と、シネカノンのポイントカードを作った。
ところが暮れに、「ポイントカード会員廃止」のお知らせが(会員期間中は割引料金で観られるという救済策はとられる)。
そして系列の渋谷のシネアミューズは名前が変わって、ヒューマントラストシネマになった。

それとは別に、狙っていた日比谷シャンテシネの会員制度も、昨秋廃止に。

なんとなーく、東京のミニシアターの構造はじわじわと、良くない方に変わりつつある気がして、怖いのでした。
2009'01.27.Tue
雪と氷の旋律雪と氷の旋律
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・・・に入っている曲がテーマに使われている『ありふれた奇跡』。
台詞や展開が古臭過ぎる!との世間の不評もなんのその、結構共感して観ておりました。
顔文字のない生真面目な文章のメールを訥々とやり取りすることも、あまりよく知らない人とのぎこちない距離感も、割と身近な感じ。

あと、駅のホーム。
自殺者に間違われて、知らないおじさんに止められたことがあります、私。
夜、ホームのはじっこをぼーっと歩いていたら、おじさんが無言で私の首根っこをがっとホールドして、ホームの中央までひきずっていき、走って去って行きました。
「うわー!死にそうに見えたのか、私!」と、その時は自分にびっくりするばかりでしたが、ドラマの「そういうオーラが見える人は、自分も死のうとした人」という台詞にどきどきした。
あのおじさん、元気かなぁ。顔もよく見なかったけど。
あの時私は確かにほんとに元気はなかったし、自分では気付かないまま、悪い方へひきずられる前に助かったのかも知れない。
ありふれた奇跡は、そう、割とあるのですよ。

そういうわけで、ヒトゴトとも思えないドラマをまったり楽しんでいたのだけれど、先週の「死のうとした理由を告白しよう!」というような展開には、貴様はポール・トーマス・アンダーソンか!アメリカ人か!と、ちょっとがっかり。

前にその監督の『マグノリア』っていう群像劇があってね。それが言わないでもいいことまで告白しまくることを良しとする映画だったのです。
「人間、墓場まで持って行く秘密の一つや二つあって然るべき!」とその時は反感を持ったものの、いやいや、キリスト教圏の皆さんは、ああいう文化なのかも。懺悔とかあるし、全部ぶっちゃけて許しを乞うのを良しとする文化なのかも・・・と異文化上の出来事として認めようと思い直していたのだけれどね。

ドラマがこのまま、最後に仲間由紀恵が号泣しながら過去を全部台詞で告白してクライマックスでも迎えようものなら絶望しそうなので、違う展開を希望しつつ、引き続き見守ります。

第3回で、等々力緑地(川崎市民ミュージアムの辺り)が出てきて、馴染深かった。

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あとはドラマは『voice』は挫折して(『きらきらひかる』みたいな法医学モノを期待してたら学生の探偵ごっこモノっぽかったから)、『トライアングル』はキャストが空々しいのと、音楽が『プリズナー』にそっくりだなぁと気になってたら同じ人だった(仕事の手、抜き過ぎ!)のとで何となく引き気味で、『ラブ・シャッフル』は2回目見忘れて、『銭ゲバ』はちょっとマンガっぽすぎないだろうかという気がしてきていて、個人的には今回はいま一つ乗り切れていない。

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映画『グーグーだって猫である』が、後を引く「よくなさ」で、観た直後は猫飼いとしての記憶フィルターがかかっていたものの、いや、やっぱり言わんとすることが全然違うよ!あんなふざけた描写の数々は不要で、加瀬亮との中途半端な恋物語も不要で、全体的に死と鬱の匂いがたちこめてて、それを猫の命の輝かしさみたいなものが圧倒するようなものにしなければいけないんだよ!などとぐるぐる考えていた。
監督は、『金髪の草原』も映画化しているし、大島弓子が好きなのだろうけど、どうも今回ばかりはなぁ・・・。タイアップ付き過ぎて嫌になっちゃったのかしらん。

まあそんなこんな言っていても仕方がない。

というか、そんなに特に自分は大島弓子のファンってわけじゃなかったのだけれど、そうやってぐるぐる考えているうちに、実は自覚はしていなかったけど、ほんとは本質的には好きなタイプだったんじゃ?という気がしてきて、劇中に出てきた『8月に生まれる子供』を読んでみた。

普段、人がハッピーエンドと解釈する作品を、アンハッピーエンドと解釈してしまうことが多いのだけれど。
そして、『8月に生まれる子供』はアンハッピーエンド、哀しいラスト、と解釈している人が、あちこちでレビューを読む限りではかなりいるのだけれど。
逆にこれは凄く光の見える終わり方だなぁ、と自分には思えて、それにびっくりした。
大島弓子、今更だけど好きかも!

そうなると、これから読める作品がたくさんあるわけで、それはとても幸せなことですよ。
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