2008'04.15.Tue
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肩ひじ張ってエリート街道を驀進してきた30代の女性が、両親と親友の死をきっかけに、電池切れのように躁鬱病に。
ふとインスピレーションを感じた蒲田に引っ越し、鬱の時、躁の時を繰り返しながら、ふらふらと生活する日々を描いた映画。
ぼーっと散歩して、街の風景をデジカメで撮ってサイト作ったり、ぼんやりまったり銭湯行ったり。
うーん、こういうのにまるっと共感したら自分がヤバいぞ、と自戒しつつ観賞。
主人公を取り巻くだめ男性陣が豪華でね。紳士的痴漢に田口トモロヲ、鬱病のヤクザに妻夫木聡、主人公のもとにだらだらと居候する従兄弟にトヨエツ(しかもニヒル系じゃなくて、ヘラヘラしたキャラを演じる私の好きな方のトヨエツ)、学生時代から主人公に片思いし続けている男に大森南朋・・・
役者のアンサンブルとしても、まったり映画としても、割と楽しめました。
が。
ラストがあんまりな感じでどうしようかと思った。
結局人間はひとりだというのが紛れもない真実だとしても、これは・・・。
この後、主人公死んじゃうんじゃないの。
同じ病の人が共感して観ていたとしたら、かなり酷い精神状態になりそう。
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・・・ということで、気になったので原作も読んでみた。
(昼休みに読み終えられる位のボリューム)
こちらのラストは映画みたいなわざとらしく悲惨な感じではない。
ちゃんと主人公が、なんとかこれから先もやっていけそうな、光の見える締め方をしている。
内容はそーんなに変えてはいないのだけど、映画の方はべったりしていて、共感したくない何かがあったのに、原作はさらさらしていて、こっちなら安心して共感できちゃう。
映画の方の監督さんがロマンポルノ系の人だからかしらん。
(てゆーかこないだ観た『M』と同じ人だ!)
ちょっとした料理の仕方で全然違うものなのだなぁ、と感心したりして。
それにしても映画の意図が余計に分からなくなりました。
(追記)
原作だと主人公は、状況によって人を利用する(特に悪い意味ではなく)のだけど、完全に心を移してしまってはいなくて、それが映画になると、一人の人間に寄りかかってしまっているから、あんなにラストがよるべないのですね。
もちろん世界には寄りかからずに生きて行ける人と、それができない人といると思うのだが、監督さんは前者は描けない(思いも寄らない?)人なのか。
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この作家さんは登場人物が乗ってる車で人となりを表現する所があって、かなり自分には不利。まあたぶん映画なんかでも使われてる表現なんだろうけど。
もう一本入っていた短編でトモフスキーのポジコフネガチョフが出てきてびっくり!
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