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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.06.Tue
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猫がたくさん出てきました。
それはさておき。

前に父親と絵を眺めていた時。
ああ、この部分は真っ黒に見えるけど、実は赤が入っていて、それがいい感じだなぁ・・・と思いつつ黙っていたら、父親が
「ここの赤がいいよなあ」と全く同じ部分について口に出して言い、わ!と思ったことがありました。
この映画に、そのことをありありと思い出させてくれる、娘と父親の会話シーンが。

小津安二郎、苦手なんですけどね。物の考え方が。
昔は、時代による考え方の違いかなぁ・・・と思っていたのだけれど、同じ年代の、別の作家さんの作品で好きなのもあるから、監督個人と気が合わないのだと思う。
でも、本作の親子の会話で、ちょっとだけ小津安二郎が好きになった。
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ギンレイで観た2本立てのうちの1本目。
音楽ホール、劇場、オークション会場が近くにあるカフェで働く女性が見た、お客さんの人間模様。

ステップアップに燃える昼メロ女優の必死さも、入院患者などのコンサートに来る機会がない人にこそ音楽を届けたいと願うピアニストも、自分のコレクションを全部オークションで売ろうとする美術コレクターも、父親の愛人が自分の元カノという因縁に苦悩する美術コレクターの息子も、割とさらさらと悩みはなんとかなって、気持ちよく大団円を迎えた。
あっさり過ぎる位に。

ヒロインのおばあちゃんとか、退職間近の劇場ホール係のおばあちゃんとか、小さいキャラクターが生き生きしてた所は面白かった。
2009'05.29.Fri
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自らもゲイであり、同性愛者の権利を守るために奔走し、志半ばで銃弾に倒れた実在の政治家・ハーヴィ・ミルクの物語。
何となく、政治とか主義主張とかに満ちていそうな気がしていたのだけど(それでもショーン・ペンの演技は観たかったのだ)。

全人類共通の「私と仕事どっちが大事なの?キー!」問題に陥ったゲイのカップルを見て、マイノリティな分、人一倍孤独に敏感だから、ちょっと相手に放っておかれると、耐えられない位つらいのかなぁ、深刻になりやすいのかなぁ、と想像してみたり。

主人公に手を下した、追いつめられた政治家がどうにも隠れゲイっぽく見えて。
厳格な家庭で育って、違和感を感じながらも「自分は変態じゃない、イイ子だ、理想的なアメリカ人だ」と自分で自分に言い聞かせ、完璧な人間になるべく、いっぱいいっぱいに頑張って生きてきてたのかなぁ、昔はこういう人の方がたくさんいたんだろうなぁ、と勝手に妄想したり。

物語の冒頭で「40になっても何一つ成し遂げていない」としょんぼり笑う主人公が、心機一転、移り住んだサンフランシスコでめきめきと活躍するのに対して、やっぱ、何かをするのに、年齢関係ないさ!と元気づけられたり(笑)。

ひたすら登場人物ひとりひとりに思い入れして、「人間のパワー」を堪能できた。
繊細な人物描写が素晴らしかったと思う。

アメリカでだって、未だに土地によっては同性愛者への偏見は根深いのでしょうけど。
日本はあからさまな差別や弾劾はないにしても、まだまだ社会的には「いないことになっている」感が強いかもなぁ。
友達がアメリカに留学した際に、入寮申込時にゲイかどうか書く欄があったそうだけど、そういう感覚は日本にはないものな・・・。
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録画してたやつ。
山形ドキュメンタリー映画祭でチラシを観たので、ドキュメンタリーかと思っていたらフィクションでした。しかも素晴らしい。
エジプトの警察音楽隊が、文化交流のためにやってきたイスラエルで迷子になり、親切なダイナーの女主人に助けられて過ごす一夜の話。
テイストは「ちょっとだけ饒舌なカウリスマキ」。本当に。

エジプトとイスラエルがどんな関係なのか、この映画にどんな背景や、願いが込められているのかは、全くもって不勉強で分からなかったので、これから調べないといけない。

ただ、もうひたすら、言葉も文化も違う、イスラエルの人と、音楽隊の人が、カタコトの英語でするコミュニケーションに感動した。
私だって字幕なしで分かるくらい、シンプルな英語なのに、内容がすごく豊かで詩的なのだ。昔話も、口説き文句も。
「エジプトの映画が大好きだった。毎週金曜日にテレビで観てた。その時間は外には誰もいなくなって、みんなテレビに夢中」
「ここが公園だって想像してみて?あれが芝生、あれが遊具、そしてあっちは海」
「曲の終わりはこんな風なのはどうかな?悲しくもなく、楽しくもなく、静かで、何もない部屋みたいな」

単語は判っているのに、あんな風に喋れないのは何故だろう?
2009'01.29.Thu
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公開時には全くチェックしていなかったけれど、色んな人の2008年のベスト10に挙げられているので観てみた。
後味の悪さが凄い。

謎の怪物(虫嫌いには辛い架空の生物うじゃうじゃ)が潜んでいる霧につつまれて、スーパーマーケットから出られなくなった人々の話。
人間が大勢寄り集まった時に起こる事が想定されるトラブルが、全部入っていたといってもいい。
「霧の中の生物」を信じる信じないで争い、地元民vs他所者、どうしても出たいと言い張る人と止める人、布教に励む狂信者、信じる人、信じない人、泣き出す子供、暴力、言い争い、仲間割れ、不安、鬱、自殺、殺人。

結局、追いつめられた人々は、狂信者にすがる者と、自力で局面を打開しようとする者とに割れる。
始めは皆が迷惑がっていた狂信者の説教が、どんどん苦しい状況と合致していってしまい、その度に信者を増やし、それに従って狂信者の目に力強さが宿り、口調が呪術調になり・・・と、狭い集団の中で宗教が生まれて行く過程は、背筋の凍る迫力。
いけにえを求める狂信者集団が、主人公たちに迫る。

集団が閉じこめられる映画といえば、最近観た『ブラインドネス』(またか)。
あちらは、銃を振りかざした独裁者の方が台頭するんだよね。
主人公は一人だけ目が見えるわけだから、いくらでも神になるチャンスがあったのに、そこには踏み込まない・・・けれど、目の見えない集団の中でできることの多さからしたらそれは神に近いわけで、やっぱり、集団は神か暴力かに分かれるものなのだろうか。

『ミスト』の主人公たちは狂信者集団に対して、(いくら理屈上正しく見えても)銃を持つ側だから、暴力側とも言える。
どっちに転んでも、ろくな結果は生まれないわけさ
・・・と、いわんばかりの展開がめくるめく。
主人公の頑張りは、ことごとくろくな結果を生まず、最悪のラストに突っ走る。
「最後まで諦めるな」という教訓を得ることもできるけれど、作り手の言いたいことはそういうことではないんだろう。

良く出来た映画だったと思う。
でも二度と観たくなくなる、観賞後の恐ろしいまでの空しさってば!!!
映画館で観たかった、いや、観たくなかった、どっちだー。
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