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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.06.Tue
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2007'04.04.Wed
@飯田橋
アイルランド独立戦争〜英愛条約〜内戦勃発 を描いた映画。
止まらない暴力の連鎖に、かなり消耗した。
最初は英国軍が悪者然としているので、そいつらさえ憎めばいいから、観ていて楽なのだ。なのにいつの間にか、応援していた主人公たちがまるきり英国軍と似たようなことをやり始め、分裂しはじめ、善と悪なんて簡単に入れ替わることを淡々と描いていくのだもの。
つらい映画だった。

味方だと思っていた人に大事な人を殺された女たちが言う「もう二度と顔を見せないで」っていう台詞が尾をひいた。
絶対「殺してやる」も「死ね」も出さないままで。相手との今までの信頼関係や、込み入った状況も全部全部のみこんで、大事な人の仇が生きて行く事を認めているわけで、状況や立場が目まぐるしく変化する社会の中で女が根を張るっていうのは、こういうことなんだなぁ、と実感。

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監督: ケン・ローチ
出演:キリアン・マーフィ 、ポードリック・ディレーニー 、リーアム・カニンガム 、オーラ・フィッツジェラルド 、メアリー・オリオーダン
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2007'03.30.Fri
お金の問題を前面に出した家族ドラマ。
こんなに豪華なオールスターキャストで、こんな浅ましいぎすぎすした話をやらなくってもなぁ・・・と思った。すぐみんな相続できるお金の計算したり、きょうだいに借金申し込んだり、もらいもののハムやワインを親きょうだいに買ってもらおうとしたり、老いた親を邪険にしたり、するんだもの。原節子はそういう所からぼーっと隔離された役だったけど(頼まれるとすぐにお金貸しちゃったり)、きょうだいの中で一人だけこんなお嬢さんぶりってアリなのかなぁ、とリアリティはあまりなかったり。

まあ繰り返し繰り返し、こういう話は映画になっているわけで、現実問題、今も昔もやっぱりきょうだいといえども、いざとなると他人になってお金にきーきーするもんなんですかね。

フィルムセンターで観たので、小さなネタでよく笑う和やかな雰囲気にかなり救われた。笠智衆が歩いてるだけでみんな爆笑。
それ以外でも、成瀬映画はちゃんと笑える呼吸があって、そこがスキ。
個人的には杉村春子の嫌な姑っぷりが面白かった。

帰ってネットで人の感想を読んだら、みんな違った細かいところを面白がってて興味深い。
団令子のノーブラにどきどきした人もいれば、桜餅にどきどきした人も(なぜかお菓子をよく食べる映画だった。おせんべい、大きなショートケーキ、和菓子・・・)、仲代達矢が気味悪かったって人も。


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監督:成瀬巳喜男
出演:三益愛子、原節子、森雅之、高峰秀子、宝田明、草笛光子、団令子、加東大介、笠智衆、仲代達矢、上原謙、杉村春子
2007'03.14.Wed
『気違い部落』を観に行ったら、これに差し替えになっていた。
小料理屋で住み込みで働いているヒロインの元に、幼い頃に別れたきりだった娘が上京してきて巻き起こる母子の確執などなど。

最初は小料理屋で働くきゃらきゃらした女性たちの様子が生き生きしてて、とても楽しかったのだ。乙羽信子のすっとんきょうなキャラが最強。ちょっとしか出ていないのに、全部持って行ってしまうくらいかわいらしかった。山田五十鈴の嫌なババァっぷりもハマっていて、キャスティングが見事だなぁ、と関心。

ところがどんどん母と娘の喧嘩がきーきーしてきて、娘はあまりにも石頭で根が暗いし、母親はあまりにも猜疑心とひがみ根性が強すぎ、観ていて大変疲れる有り様に終始。
もっとなんかこう、お互いに思いやりとか、ないかなぁ・・・。
そりゃあ長じてからいきなり暮らしても上手くいかないんだろうけど・・・。

ラストもなんかあんまりで、ちょっと残念な作品だった。

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監督:渋谷実
出演:淡島千景、有馬稲子、永井智雄、山田五十鈴、乙羽信子
2007'02.13.Tue
結婚してる男が不倫相手に対していかにずるいかって話(まとめすぎ)。
・・・の裏に、人生かなり運に左右されますねって話が敷いてありました。

当然の事ながらちゃんと作ってあったけど、だからといって目新しい訳でもなくて、そんなに面白くなかった。
これをアレンらしいとかゆって誉めそやすノリは分からない。

何を撮っても許される立場の巨匠が、なんでわざわざこういう話を撮ってみたのか、そっちの方に興味が湧いたり。
イギリスが描きたかったのかなぁ?
スカーレットが使いたかったのかなぁ?(確かにハマり役ではある)
無教養な貧乏人だった主人公が、一夜漬けの知識をがつがつ駆使して、英国上流階級でのし上がっていく話かなぁと思ったのだが、一瞬しかそういう描写なかったな。

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監督:ウッディ・アレン
出演:スカーレット・ヨハンソン
2007'01.25.Thu
ゆるゆるとしたファンタジーもの。
絶望した人間が流れ着くどこかの海辺での静かな暮らしのはなし。

冒頭の雨の場面、今までの人生で体験した植物に囲まれた中での雨の匂いが立ち上って来て、うっとりした。
異世界で癒されて還る、というパターンはありがちだけれども、
雨とか。海とか。草いきれとか。星空とか。
そういうものに、うっとりできれば、それでいい映画。

ああ、なんか大丈夫、歩けるよ。

撮影は川内倫子の写真みたいに光を白っぽく撮る人で、ああ、実際に自分でこの風景の中に立ったら、緑はどれだけ濃い色に見えるだろう?って思った。


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監督 : 山本草介
出演 : 玉井夕海 、 近藤正臣 、 玉川スミ 、 今野鶏三 、 榎木兵衛
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