2008'12.27.Sat
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今日は2008年最後の自主映画祭で、3本の映画をハシゴ。
1本目が下のエントリに書いた『同窓会』。
続く2本は偶然ドキュメンタリーが続いた。『未来を写した子供たち』、『大丈夫であるように』。二本は全く別物だけれども、どちらも女性アーティストが自分の出来ること(片や写真、片や歌)で、大事な何かを変えようとする映画だった。
どちらの映画も、ちょこっとした成果を大々的に美化して描いて自己満足的に閉じるものではなかった。
インドの売春窟に生まれた子供たちの未来も、日本の片隅が背負い込まされる大きな問題も(米軍基地や核処理施設や)、一人の手でがらりと変えることはもちろんできやしない。その無力さちゃんと描くのと同時に、それでも精いっぱい取り組んだ小さい力が、波紋のように何かを呼んで行く様子も映画は描いていて、作品としてとてもまっすぐで美しかった。
「変える」ためには「変えよう」という外からの力と、「変わろう」という中からの力の両方が揃わないとだめなんだなぁ。
「得意なこと」があるのはほんとに大きな力なんだなぁ、と、自分の手をつくづく眺めたり。
何が得意なのかすら、未だにわかっていませんよ。
でも何かは得意なんだろうな。たぶん。
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Coccoのライブに行く度に、MCで話す内容のあまりの真摯さに泣くのだけれど、この映画も観ながら始終泣いてばかりいた。
監督が泣きながらカメラを回したのは初めて、と話したそうだけれども、それは大げさな話ではないんだろうな。
でも、彼女の自分以外の痛みも全部いったん自分の中に取り込んで消化しようとするやり方は、とても生きづらそうだとも思った。
どうかどうかあっちゃんこそが大丈夫でありますように。
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2008'07.16.Wed
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録画してたやつを見た。
おっとりと気持ちのよい映画。
原作は既に読んでいて、そちらについては、時々折り込まれる、兄弟を取り巻く女性達の視点が打算的で残酷なのが恐ろしく、それと兄弟の頑固なまでの純粋さの対比が面白かったのだけど、映画の方はそういう要素はあまり入れなかったんですね。
(まあもちろんその方が気持ちいい作品になるんだろうし、正解なのだろう)
江國香織の小説は、とにかく具体的に、映画や小説のタイトルや、作家名や、商品名、ブランド名などをたくさん入れて、それによってキャラクターのディテールを表現する所があるけれど、映画だとそういう手法は(権利関係とかの諸事情で?)全然使えないものかしらん。
2007'09.04.Tue
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カウリスマキの敗者三部作三作目。
赤い色と犬の切ない目が印象的だった。
基本的に役者さんは無表情なんだけど、行動だけで表現される「うきうき」とか「しょんぼり」とかが非常に胸に来るのが不思議。
スーツにアイロン、焼きたてパン・・・。
『かもめ食堂』と本作の舞台が同じ街とはとうてい思えず、街ってほんとに色んな顔をするものだなぁ・・・と感心した。
人それぞれ、モノは全然違う風に見えてるんだろうな。私の東京と、他の人の東京は多分全く違うんだ。
敗者・・・かどうかは死ぬまで分らない。
主人公は女に騙されて、それでも彼女をかばって失業して刑務所入っても、出てきて再就職した仕事を失っても、本人は本人なりの筋を貫き通して、最終的には傍にあった幸せも掴めた訳だし。
大体主人公は、的外れであんぽんたんでも、ちゃんと会社を作ろうって具体的に頑張ったりしてる時点で、「こんな会社辞めてやるー」とぐだぐだ言いながら10年経っちゃうような人よりよっぽど男らしいし。
騙した女の方は、マフィアがトランプやってる周りでぼーっと掃除機かけたりして、あれはあれであんまし幸せそうじゃなかったし。
敗者、とか言っておいて、監督本人もホントにああいうのが敗者、とは思ってないような気もする。
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パトリシア・アークウェット主演のテレビシリーズ。
主人公が霊感を使って事件を解決していく話。
パトリシア、最近どうしているのでしょう?と思って見てみた。割とこういう話も好きだし。
本題の事件解決自体はダラダラしていてちっとも面白くないし、パトリシアも昔のピチピチキュートな感じではなく生活に疲れた主婦然としていてアレなのだけど、主人公の家族の描写が凄くよいの。子供とのやり取りとか、理解のある旦那様の協力とか、主婦ゆえに抱える色んな悩みとか。
・・・続きをどんどん観たいかと言われるとビミョウだけど、惰性で観ていたらこの家族に愛着が湧いてしまいそうではある。
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女性グループが事故で洞窟に閉じこめられ、暗闇の恐怖の中で色んなものが剥き出しになったり、逆に団結が生まれたり、仲間割れが生じたりする心理ドラマ・・・かと思っていたら、地底人と戦うホラーでびっくりした。
多分、真っ暗い部屋で観た方が怖かったろうと思う。
昔『サイン』をデートで観に行って、「大体アレが苦手な宇宙人がアレが地表の7割を占める星に来る訳ないじゃん。天候だって分るだろうし」とぶーぶー言って「そんな理屈をこねてたら映画なんて観られないでしょ」と怒られたのを思い出しましたが、やっぱり暗闇に合わせて進化した生き物なら、鼻が利かないのは納得がいきません。あんな女も倒せる程度の非力さで地表の生物狩って来れないだろうし。
(もっとB級然としてるなら文句言わないけどでも!)
2007'07.07.Sat
■モーツァルトとクジラ
アスペルガー症候群(自閉症の一種)のカップルを描いた恋愛映画。
アスペルガー症候群は、知的障害のない自閉症と呼ばれていて、対人関係の障害や、他者の気持ちの推測力の欠如、特定分野への強いこだわりや高い能力が特徴・・・って、なんか普通にそういう人、いそうじゃない?
そういうわけで、「障害を乗り越えて育む愛」という映画にするには、ちょっと分かりにくい症状でもあり、どこがその症状ゆえの行動で、どこが単なる性格上のことなのか把握できず、入りにくかった。
でもまあ、こういう症状についての理解を広める意味はあるだろうし、あんまり大げさにせずに「アスペルガー症候群のカップルによる普通の恋愛映画」に仕立てた上品さ、も評価するべきなのかもしれないな・・・。
個人的には、大声や喧嘩の多い恋愛映画はちょっとくたびれる。
アスペルガー症候群(自閉症の一種)のカップルを描いた恋愛映画。
アスペルガー症候群は、知的障害のない自閉症と呼ばれていて、対人関係の障害や、他者の気持ちの推測力の欠如、特定分野への強いこだわりや高い能力が特徴・・・って、なんか普通にそういう人、いそうじゃない?
そういうわけで、「障害を乗り越えて育む愛」という映画にするには、ちょっと分かりにくい症状でもあり、どこがその症状ゆえの行動で、どこが単なる性格上のことなのか把握できず、入りにくかった。
でもまあ、こういう症状についての理解を広める意味はあるだろうし、あんまり大げさにせずに「アスペルガー症候群のカップルによる普通の恋愛映画」に仕立てた上品さ、も評価するべきなのかもしれないな・・・。
個人的には、大声や喧嘩の多い恋愛映画はちょっとくたびれる。
2007'06.30.Sat
■舞妓 Haaaan!!!
脚本がクドカンで、監督は日テレの人。
疲労するくらい騒々しかった。
どこが面白いのか分らない、というよりは、「こういうのが世間では"面白い"なんだなぁ」と、遠くから異文化を眺めている感じ。
「笑い」っていうのは、文化を語る上で重要な要素だと思っているのだけれど、こうもハマれないということは、自分はこの国の文化から外れてしまっているのだろうか。
京都の山に灯油まいて火を放った時は、殺意を覚える始末。
全然わかんない。思いつくセンスが理解できない。フィクションだってあんなことしていいわけない。
うーん。
きりりと美しいはずの京都独自文化が薄っぺらく感じるなんて、涙が出るほど勿体ないなぁ。
脚本がクドカンで、監督は日テレの人。
疲労するくらい騒々しかった。
どこが面白いのか分らない、というよりは、「こういうのが世間では"面白い"なんだなぁ」と、遠くから異文化を眺めている感じ。
「笑い」っていうのは、文化を語る上で重要な要素だと思っているのだけれど、こうもハマれないということは、自分はこの国の文化から外れてしまっているのだろうか。
京都の山に灯油まいて火を放った時は、殺意を覚える始末。
全然わかんない。思いつくセンスが理解できない。フィクションだってあんなことしていいわけない。
うーん。
きりりと美しいはずの京都独自文化が薄っぺらく感じるなんて、涙が出るほど勿体ないなぁ。
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