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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.06.Tue
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2008'10.09.Thu
荒野へ (集英社文庫 ク 15-1)荒野へ (集英社文庫 ク 15-1)
ジョン・クラカワー (著), 佐宗 鈴夫 (翻訳)

集英社 2007-03
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・・・の映画化である『イントゥ・ザ・ワイルド』を観てきた。
きちんとしたお家の若者が、何もかもを捨ててひとり荒野を旅し、餓死するという実話。

一歩引いて見れば、頭でっかちのコドモの暴走、なのだ。
でも、暴走族にあこがれるコドモがいるように、「たったひとり荒野で死ぬこと」をかっこよしとする見方もあるだろう。

映画は主人公を肯定も否定もせず、もう淡々と、ほんとに淡々と、家族関係に傷ついた若者が、「何か」を追い求め、ひたすらアラスカを目指す様子を描く。
旅の途中で色んな人に出会う。人と関わって、影響されたり、影響を与えたりする。
息子が行方不明になった両親は、哀しみ、哀しみの中で変わっていく。

「一人旅」の映画で実際描かれているのは、「人と人」だった。
どんなにいきがったって、結局人は一人では生きられない。
幸せは誰かと分かち合ってこそ。

最期に主人公が見出した光もまた。


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・・・とはいえ、何かに憑かれたように一人旅をし、死んでいく話の女性版、アニエス・ヴァルダ監督の『冬の旅』の方は、誰とどう出合っても、どんな恐ろしい目に遭っても、ひたすら頑固に一人で旅を続ける主人公の様子から受ける、ひたすらに「人は一人」な感じがすさまじかったのも思い出されて。

監督の人生観、みたいなものによって、この手の話は印象が全然変わってくるのでしょうね。

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主人公の父親役の、しおしおとした禿げたおっさんがウィリアム・ハートだということに、最後まで気づけなかった。好きなのに。だめじゃん私。
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無題
映画を見てなくて書くのは反則だと思うのですが、
あちこち読んだ中でも、しゃぎさんの感想が一番しっくり来ました。
いい映画なんだろうなぁ・・・観たかったなぁと思いつつ、
「一人がちっとも寂しくない。せいせいする」って人もきっといるだろうし、
私はどうも、そういう人に惹かれる気がするなぁ・・・と思っていました。
『冬の旅』も是非観てみたいです。

そうだ!キセル、聴いてますよ~!いいですね~!
昭和っぽいというか、古い日本映画の中で流れている曲っぽいと言うか、
父親の持っている昔のアルバムを聴いているような気がしました。
斉藤和義の「ベガ」に似てる曲がある!と思ったら(春の背中)、「ベガ」はお兄ちゃん作の曲なんですね。知らなかった!
ろぷ: 2008.10/09(Thu) 22:03 Edit
無題
うんうん、私も「一人」を肯定的に捉える方に魅かれるんです。
でも↑を観て、誰かが作った服を着て、誰かが作った銃で狩りをして・・・ホントの「一人」って難しいもんだなぁって思い知ったりもして。
「一人」をえらぶらずに、見えない誰かの支えに感謝しつつ、「できる範囲で一人」なんだって自覚しないとなーって思いました(笑)。

キセル、楽しんできて下さい〜。私も一昨日ワンマン行ってきました!
音の広がりと、そこにのっかる生声がたまりませんでした。
sha: 2008.10/13(Mon) 22:04 Edit
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