2010'02.11.Thu
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神保町シアターでやってるオールスター映画特集で観た。
小姑(若尾文子と野添ひとみ)が兄嫁(京マチ子)をいびりまくる話。特に"行き遅れ"という設定の若尾文子が、人生に対するイライラの全てをぶつけてるのに近い八つ当たりっぷり。凄い迫力で、もう怖すぎる。
こういう女性がキーキー言う映画は苦手なのですが、ばあや役の北林谷栄があまりにも面白くって。あの独特の声※で辛辣な苦言を言う言う。ばあやのおかげで、ニヤニヤしたり、すっきりしたり。
作りようによっては、どろんどろんの修羅場話になるところを、なんか奇妙に脱力したコメディに作ってあって、ちょっと面白かった。
カメラの構図も変わってた。
ついでに『娘の冒険』(島耕二1958)っていうのも観た。
京マチ子、野添ひとみ、若尾文子、山本富士子・・・と並べてあっても、ほぼ野添ひとみと京マチ子がメイン(山本富士子があれっぽちの出番でオールスターとか言われても、JARO的にまずいと思うんですが!というか、あんなんでパンダ役に使われるんじゃ、フリー宣言したくもなるわ)。
野添ひとみが、男手ひとつで自分を育ててくれた父親(上原謙)の、恋の手助けをする話。
こっちでは、厳格な野添ひとみのおばあちゃんの役が北林谷栄。元外交官夫人で、英字新聞を読み、台詞に英語がまじる(ホワーイ?とか)・・・という役。これも、先のばあやほどは出番がなかったけれど、「もっとお祖母ちゃんを出してーッ!」と思ってしまう面白さ。
あ、京マチ子の父親役の中村鴈治郎、その想い人?役の浪花千栄子も素敵だった。
うーん、そろそろ森山未來祭りも終盤だし、次は北林谷栄祭りか!
※北林谷栄は、トトロでおばあちゃんの声をやっていた女優さんで、あの「メェーイちゅわーん!」の声です。
そもそもは、京マチ子目当てだったんだけど、2作ともぼわーっとした古風な女性の役で。1本位はちゃきちゃきの役柄を観たかったな。
ああいう「ぼわーっとはっきりしない」のが当時の女性のデフォルトだったと考えると、ほんとうに日本女性の気質って変わったんだなぁ。
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2010'02.10.Wed
ちょっと前に、NODA MAP第14回公演の『パイパー』をWOWOWでやってたので、録画して観た。
出演は、松たか子、宮沢りえ、橋爪功、野田秀樹、佐藤江梨子などなど。最近気になる、田中哲司さんも出てた。気になる人はみんな舞台の人だなぁ・・・。
火星に暮らす姉妹が主人公のSF。
地球から人間が移住してきてから1000年。火星はすっかり消費の限りを尽くされ、荒れ果てていて、地球からの助けも来ない。
火星がこんな風になってしまったのは何故なのか、その謎を探る妹。
・・・という、SFとしてはよくある話なのだけれど。
やっぱりその物語を「どう見せるか」で舞台はその魅力を発揮。
「文明」というものを象徴する「パイパー」という人工生命体?機械?の動きや、死んだ人の記憶が封じ込められている「死者のおはじき」で過去に遡れる設定が独特で、野田秀樹の世界にからめとられました。もちろん独特の台詞にもうっとり。
宮沢りえって舞台でも凄いね!(舞台のほうがむしろ声がいいかも)
とはいえ、映画は大好きなのに、舞台はあまり観ない。
別に嫌いではなくて、NODA MAPは第一回の『キル』を観に行って、めちゃくちゃ感動したのを覚えている。でも何故か続かないのだよなぁ・・・。
前に萩尾望都が、「実際に舞台で観た作品をテレビで観ると、人間の目がいかに自在に空間をとらえるかがよく分かる」、みたいなことを話していた。
確かにテレビで観る『パイパー』は、カメラとスイッチングで視界は導かれ、限定される。誰か役者さんがアップになれば、バックで動いている群衆の姿は分からないなど、必ず全体を観るように作られているはずの舞台が、一部しか観えない。もどかしい。
でも、実際に観たら、観るものが多過ぎて、ぐるぐるしてしまうことも確かで。
大掛かりな舞台は特に、セットにおお!群舞におお!などと感心したり、細かい所や人の動きに気を取られているうちに、肝心の物を見落としてしまったりもして、視線が定まらず、それはそれで疲れるのだよな。
集中力と、空間把握力が、舞台向きではないのかも知れない。
・・・・でも、行くんですけどね。『変身』に。
-----
苦手といえば!
先日TBSで朝再放送していた『木更津キャッツアイ』。今度こそ完走しよう!と思ったのだけど、結局挫折。
これは分かったよ、なんでだか。
登場人物が常に怒鳴っているせいです。非常にくたびれるのです。
・・・あ、舞台が苦手なのも、役者さんが怒鳴り口調だからだったりしてな・・・。
出演は、松たか子、宮沢りえ、橋爪功、野田秀樹、佐藤江梨子などなど。最近気になる、田中哲司さんも出てた。気になる人はみんな舞台の人だなぁ・・・。
火星に暮らす姉妹が主人公のSF。
地球から人間が移住してきてから1000年。火星はすっかり消費の限りを尽くされ、荒れ果てていて、地球からの助けも来ない。
火星がこんな風になってしまったのは何故なのか、その謎を探る妹。
・・・という、SFとしてはよくある話なのだけれど。
やっぱりその物語を「どう見せるか」で舞台はその魅力を発揮。
「文明」というものを象徴する「パイパー」という人工生命体?機械?の動きや、死んだ人の記憶が封じ込められている「死者のおはじき」で過去に遡れる設定が独特で、野田秀樹の世界にからめとられました。もちろん独特の台詞にもうっとり。
宮沢りえって舞台でも凄いね!(舞台のほうがむしろ声がいいかも)
とはいえ、映画は大好きなのに、舞台はあまり観ない。
別に嫌いではなくて、NODA MAPは第一回の『キル』を観に行って、めちゃくちゃ感動したのを覚えている。でも何故か続かないのだよなぁ・・・。
前に萩尾望都が、「実際に舞台で観た作品をテレビで観ると、人間の目がいかに自在に空間をとらえるかがよく分かる」、みたいなことを話していた。
確かにテレビで観る『パイパー』は、カメラとスイッチングで視界は導かれ、限定される。誰か役者さんがアップになれば、バックで動いている群衆の姿は分からないなど、必ず全体を観るように作られているはずの舞台が、一部しか観えない。もどかしい。
でも、実際に観たら、観るものが多過ぎて、ぐるぐるしてしまうことも確かで。
大掛かりな舞台は特に、セットにおお!群舞におお!などと感心したり、細かい所や人の動きに気を取られているうちに、肝心の物を見落としてしまったりもして、視線が定まらず、それはそれで疲れるのだよな。
集中力と、空間把握力が、舞台向きではないのかも知れない。
・・・・でも、行くんですけどね。『変身』に。
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苦手といえば!
先日TBSで朝再放送していた『木更津キャッツアイ』。今度こそ完走しよう!と思ったのだけど、結局挫折。
これは分かったよ、なんでだか。
登場人物が常に怒鳴っているせいです。非常にくたびれるのです。
・・・あ、舞台が苦手なのも、役者さんが怒鳴り口調だからだったりしてな・・・。
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2010'02.10.Wed
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アラン坊やがーッ!!!!
・・・の謎が次作持ち越しにされてがっかりでしたが、面白かったです。
キャラもしっかり立ってるし、「なんだこいつ」と思ったキャラは大体スッキリ報いを受けるし(若干名したたかに生き延びる人がいるのもお約束)。
読んでる最中に、KDDI→JCOM←住商とか、キリンとサントリーの合併破談の話が実際に起って、おお、世界は似た様な事を繰り返してるのか!とかとか。何が現実で何が架空なんだか分からないような感じに(まあ、作中のエピソードもモデルがあるのだけれど)。
しかーし!本来、こういう本を続けて読むのは自分の傾向ではなく。
本来好きなタイプの本に集中できなくて、こういう本(特に貶めるつもりはなく、あくまでタイプの違い)しか読めない、という感じ。
次はたぶん推理小説とかを読むと思う。
まだ体調万全ではない気が(意味不明)。
2010'02.10.Wed
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全員父親が違う一男三女の母子家庭の物語。
あああ、登場人物が、お金にぐだぐだと群がって欲を剥き出しにする話って苦手なのに、観てしまった。というのも、欲望むきだしの兄姉の姿にうんざりしている、末娘役の高峰秀子のクールな眼差しが綺麗だったから。
姉たちが、遣り手だけど嫌らしく腹黒い男を頼って、結局ずるずるべったりになってしまうのに対し、末娘ははとバスのガイドとして自立していて、腹黒男が言い寄ってきてもびしっと突っぱね、独立下宿暮らしに切り替える。で、「いつか本棚を買って、好きな本で一杯にしたい・・・」と夢見たり、隣に住んでいる、ピアノを勉強中の兄妹に憧れたり。
文化系女子だなぁ・・・共感できますよ・・・。
ラストの「産んでくれって頼んだ覚えはないわよ!」「こんなこと言われるなら産むんじゃなかったよ!」という定番中の定番みたいな親子げんかのやり取りも、どんな暴言を吐こうとも、結局のところ愛し合っているのが基本、という描き方でよかった。
親子ってこういうもんだよね、普通(・・・とも言えない世の中だけど、でも自分の生きてる世界では普通だし、これが普通じゃない世界の方がよく分からなくって、たまに困る)。
1時間半ない位の尺なのに濃厚(猫も出てきて!)。映画って本来、この位でも言いたい事はたくさん言えるものなのに!
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そうそう、高峰秀子が乗ってるはとバスの車体の横に「おひとりからお乗りいただけます」とかいう文句が書いてあった。おお、はとバスはこの当時からおひとり様ビジネスを!
2010'02.09.Tue
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森山未來祭りの中で、作品として一番楽しめたのがコレ(今の所)。
プロのタップダンサーになる夢を、怪我のために断たれた主人公が、ひょんなことから弱小少年アイスホッケーチームの監督になり、素人ながらチームを大会優勝に導く、という話。
・・・といっても、主人公の挫折や苦悩なんかはおいといて。物語はあくまで、元気いっぱいの子供たちとユニークな監督が繰り広げる、子供スポ根話+小さな恋のメロディ話に徹してて、それが成功してました。親子で楽しめそう。
アイスホッケーに興味が出て、実際に試合を観に行っちゃったよ。
素人がいきなり監督してチームを優勝へ、といっても、プロのダンサーを目指してたって所がポイントで。
ホッケーのルールは知らねど、とにかく試合のながれをじーっと観て、メンバーの適性や、試合の流れ、コンビネーション、相手との違いを見極める。
ジャンルは違えど、人間の肉体ときちんと向き合ってきた人だから、そういうことはできなくはないんだろうな・・・と、割と納得。そんなに絵空事な感じがしないのでした(そもそも実話が元だそうで、実在の監督さんはスキーのジャンプをやっていたらしい)。
適材適所、シンプルな作戦、試合のリズムの把握、そして「自分たちは弱い」と信じちゃってる子供たちのモチベーションをアーップ!・・・子供の指導で、一番大事なポイントはきちんと押さえてるような気がする・・・。
「あれ?監督が言った通りにしたら上手くいったよ!」という流れで、監督と選手との信頼関係が、一番理想的な形で作り上げられて行く様子がすがすがしかった。
盛り上がりもギャグも泣きもべったべた。でも、べったべたをきちんと作れる人は、なかなかいなくって。
変な作家性とか出さずに、きちんと物語を紡いだ陣内監督は、結構冷静な人なんだろうなー(逆に『ガマの油』を撮った役所広司は、凡人には計り知れないはっちゃけた脳内なんだろうなー)。
何故そんなに上手くいくのかとか、何故そこで歌うのかとか、何故試合中に踊り狂うのかというツッコミなぞ野暮野暮。
森山未來は、『WATER BOYS』のタテノリくんが成長したような、愉快にはっちゃけてるけど頭はいい、というキャラで、子供大好きの盛り上げ役。ダンスや手品シーンから、「ワタシノイウトオリニスレバー カナラズカテマース」などと謎の外人ぶって子供たちにアドヴァイスする様子まで、楽しんで見守れました。
また塚本高史がカレー屋の客役でちょこっと出演。
田中要次のイケメン版かこの人は。
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