2010'02.16.Tue
![]() | オリヲン座からの招待状 [DVD] 出演: 宮沢りえ, 樋口可南子, 中原ひとみ, 宇崎竜童, 加瀬亮 TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) 2008-04-21 売り上げランキング : 28244 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「ノスタルジックな雰囲気=豆腐屋のラッパ吹かせとけ」はそろそろやめたらどうかと思う。
『罪とか罰とか』っていう超つまらない作品を観て、やさぐれていたので、加瀬亮とりえちゃんを愛でようと思ったのです。
観ているうちに、これって友達が「二人の無駄遣い」と怒っていたやつだった!という記憶が蘇る。思い出すの遅いよ、がーん。
『ニューシネマ・パラダイス』のうすーい昭和版(何もチャリで隣町とフィルムのやりとり!をまんまやらなくたってー)。
街の人に愛される名画座が舞台でね。仲良し夫婦と助手とでほのぼのと運営していたところが、館主急死。そしてテレビの台頭。助手と後家さんで運営していることに対する下劣な噂も立って、観客は激減。上映フィルムを借りられない位に経営が厳しく・・・。
それでも加瀬亮とりえちゃんが、「一緒に頑張っていきましょう!」って結論を出してですよ。どうやってその苦しい局面を乗り切ったのかは一切描かずに、時代がぽーんと飛んだのにびっくりした。
そのまま話は映画館が遊び場だった幼なじみ夫婦の話へシフト。えー!
お客が1人も入らないような状況だったんですよ。そこからどんな風にしてお客さんを呼び戻したのかが、一番観たいじゃないですか!
一体どうやって今まで生き延びてきたのか、理由が全く判らないので、ラストの挨拶がとっても空々しい(というかあの演説要らなーい!)。
クドくする所と省略する所、間違ってると思う。
もちろん、加瀬亮とりえちゃんは素敵でした。
でも、もっといい作品だったらもっと素敵だったはず!!!むきー!
浅田次郎の作品ってよく映画になるけれど。原作はいいのかなぁ。
何で映画化される作家さんって決まってきちゃうんだろう。
他に面白いのがないのか、「この人の作品チェキしとけば企画書作れるや」って制作側が楽な方に流れちゃってるのか、どっちだ。
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小劇場系の人の映画って苦手で。
*グダグダ
*自分には全く笑えない
*一味の俳優さん大集合で趣味の部活動っぽい
*まとめて言うなら、なんか内輪受けっぽい
*映画の文法は他人の手法をパクる>ガイ・リッチーとかタランティーノとかの
(自分の文法で作ればいいじゃん!)
・・・という偏見があって。
その域を出ませんでしたとさ。
成海璃子って『山形スクリーム』も死ぬほど面白くなかったし、作品に恵まれないね・・・。
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2010'02.15.Mon
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銀座シネパトスは2スクリーンのうちの片方が名画座になっていて、回数券を出しているのです。
通常1300円のところ、5回分5000円で3ヶ月有効。先月パニック映画祭で『吸血鬼ゴケミドロ』と『ブルークリスマス』を観たので、あと3回分消化しなければ・・・ということで、行って来ました山本薩夫特集。
たぶん、作品を観るのは初めて。
社会派監督・・・あんまり興味ないかも・・・と思ったのだけれど、よーく観たらキャストの上位に伊藤雄之助がクレジット。きゃー!雄之助ー!!
エロ丸出しの生臭坊主の役でした。これを観られただけで満足。1963年作。
物語は、架空の町の町会議員が、私利私欲の限りを尽くす話。
議会の昼食にデラックスカツ丼を頼むのはまだカワイイ方で、視察旅行と称して温泉で豪遊したり、会議と称して料亭で芸者遊びしたり。町おこしに温泉掘ろうぜっていう話になって、土地の買い占め合戦を繰り広げたり、泉質をでっち上げたり。
一応コメディ仕立てなのだけれど、下品なオヤジどもの見苦しいぎゃーぎゃー騒ぎに終始するので、非常に疲れました。
私利私欲を貪る人々が、報いを受けるような展開ではなく、悪い奴は悪いまま私腹を肥やし、まっとうな人は追いやられ、すっきり別の道を行く・・・という、まあ、世の中そういうもんだよね、という展開。
ああ、こういうスタンスの"社会派"なんだなぁ、と学習。
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2本立ての、もう1本はこちら。1955年作。
旅回りの貧乏一座の話。興行主が全然お金を払ってくれなかったり、看板役者の女癖の悪さで揉めたり、食事の算段に苦労したり、子供が病気になったり・・・個性豊かな一座の面々が繰り広げる人情話、わー!こういうのスキスキ!(小津安二郎の『浮草』なんかも好き!)これは社会派という訳じゃなく、普通の(というのも変か)話?と思いきや。
一座は炭坑で興行する事に。そこでストライキが勃発。最初は「興行を邪魔するアカどもが」と偏見に充ち満ちていた一座のメンバーだったのが、労働組合員と小屋を共有し、食べ物を分け合ったりするうちに打ち解けて、労働者のための演劇上演を依頼されて・・・という、しっかり社会派の映画に。なるほどー。
ただし、こちらの方がまだ若々しい希望に満ちていて、後味が爽やか。2本目にこっちでよかった。
津島恵子がちゃきちゃきでかわいかったー!
仲代達矢がクレジットされていたので楽しみにしていたら、最後の方で組合員のひとりとしてちょこっと登場。こ、これだけ?
さて次はどれを観よう?
本当は『にっぽん泥棒物語』が観てみたいけど(雄之助〜)、併映の『証人の椅子』がつらそう。
罪も無い人が不当に酷い目に遭う話は苦手なのです・・・(『それでもボクはやってない』も観られない。加瀬亮なのに)。
2010'02.15.Mon
白い野獣(1950)
監督:成瀬巳喜男
出演:山村聡、飯野公子、三浦光子、北林谷栄
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おばあちゃん祭り!と宣言したから…ではなく、長らくHDDに溜まっていた作品を適当に鑑賞したら、出ていました北林谷栄。おばあちゃんの役じゃなかったけれど、声で判別できちゃうのが凄い。
娼婦の更生施設が舞台の群像劇。
売春いけなーい!梅毒こわーい!…という説教映画っぽい作り。
全く宗教は関係ないのだけれど、梅毒=悪魔と解釈できて、ちょっとキリスト教っぽかった。
身体を売ると悪魔にとりつかれますよ!と言わんばかりに、梅毒のせいで、戦争から戻った許婚との結婚に踏み切れない娘や、狂死する娘(これが北林谷栄)が出てきたり、「好きなように生きて何が悪いの?」という娘が改心するきっかけが梅毒への恐怖だったり。
ラストシーン、子供が生まれた朝に、朝日の中に佇む改心した娘のシルエットも、ちょっと宗教画っぽかったし。
いい人が清らかすぎるし、ちょっとケンカや揉め事はあるにしろ、なんだか寮生も海千山千の売春婦集団にしては、素直すぎて生き生きしていない感じ。
退屈はしなかったけれど、もやもやした。
先日『宗方姉妹』で、自虐飲んだくれダメ亭主をやっていた山村聡が、清廉過ぎる寮長役。
役者さんって、観る時は続くなー。
監督:成瀬巳喜男
出演:山村聡、飯野公子、三浦光子、北林谷栄
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おばあちゃん祭り!と宣言したから…ではなく、長らくHDDに溜まっていた作品を適当に鑑賞したら、出ていました北林谷栄。おばあちゃんの役じゃなかったけれど、声で判別できちゃうのが凄い。
娼婦の更生施設が舞台の群像劇。
売春いけなーい!梅毒こわーい!…という説教映画っぽい作り。
全く宗教は関係ないのだけれど、梅毒=悪魔と解釈できて、ちょっとキリスト教っぽかった。
身体を売ると悪魔にとりつかれますよ!と言わんばかりに、梅毒のせいで、戦争から戻った許婚との結婚に踏み切れない娘や、狂死する娘(これが北林谷栄)が出てきたり、「好きなように生きて何が悪いの?」という娘が改心するきっかけが梅毒への恐怖だったり。
ラストシーン、子供が生まれた朝に、朝日の中に佇む改心した娘のシルエットも、ちょっと宗教画っぽかったし。
いい人が清らかすぎるし、ちょっとケンカや揉め事はあるにしろ、なんだか寮生も海千山千の売春婦集団にしては、素直すぎて生き生きしていない感じ。
退屈はしなかったけれど、もやもやした。
先日『宗方姉妹』で、自虐飲んだくれダメ亭主をやっていた山村聡が、清廉過ぎる寮長役。
役者さんって、観る時は続くなー。
2010'02.12.Fri
![]() | 世界の中心で、愛をさけぶ スタンダード・エディション [DVD] 出演:森山未來, 長澤まさみ, 大沢たかお, 柴咲コウ 監督: 行定勲 東宝 2004-12-23 売り上げランキング : 9420 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
森山未來祭り、映画版フィナーレには、一生観ないと思っていた本作を。
(・・・たまたまWOWOWでやってたのさ)
避けていたのは、監督の作風が苦手なため。何本か観たけれど、綺麗なだけで話の背骨がない感じなんだもん(小津安二郎と気が合わないのとは違いますよ。小津安二郎は背骨があるけど、自分とは合わないだけ。行定勲は、背骨がそもそもないの)。
別にストーリーについては責めませんよ。
「恋人が白血病で死んでしまう」というのはメロドラマの定番としてアリだし、定番だからこそ、描き方でいくらでも料理できる。
実際に、ドラマ版のセカチューはとても良かった。
前半は仲代達矢にうっとりし、後半は三浦友和に号泣できた(またおっさんかよ)。
いやいやいや、全体的に、凄く素敵なドラマでしたよ。
しかしこの映画は酷い。
3名による共同脚本なのに、この中のひとりとして「これはいくらなんでもおかしくない?」と思わなかったんだとしたら、全員脳味噌が沸騰していたとしか考えられない。
「偶然にしてもでき過ぎてないか」とか「この時点まで**しなかったのは不自然過ぎないか」の連続が許容の範囲を超えていた。
森山&長澤がいいか、山田&綾瀬がいいか、とかいう問題では・・・(主役二人はどちらもそれぞれいい)。
映像や美術はとても綺麗。
しかし、せっかく綺麗なのに、映画なのに、肝心のところは絵よりも台詞で語る始末。
恋に落ちる瞬間くらいは素敵に描いて欲しかった。序盤の先生の葬儀で弔辞読むところは、ドラマの方がむしろ説得力ある画づくりしてたと思う。
まあ、この映画で「は?」と思った部分は、ドラマで作り変えてあったので、たぶんドラマのスタッフも映画を観て「ここは自分だったらこうするよ…!」とわくわく改変したんだろうな。
原作では交換日記であるところを、カセットテープの交換にしたのは映画版らしいので、そこが唯一の功績かも。
・・・森山未來は、はっちゃけない役だと声がいいね・・・(逃避)。
行定勲、もう絶対観ない。
2010'02.12.Fri
![]() | 宗方姉妹 [DVD] 出演: 田中絹代, 高峰秀子 監督: 小津安二郎 東宝ビデオ 2004-01-30 売り上げランキング : 27416 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
猫がたくさん出てきました。
それはさておき。
前に父親と絵を眺めていた時。
ああ、この部分は真っ黒に見えるけど、実は赤が入っていて、それがいい感じだなぁ・・・と思いつつ黙っていたら、父親が
「ここの赤がいいよなあ」と全く同じ部分について口に出して言い、わ!と思ったことがありました。
この映画に、そのことをありありと思い出させてくれる、娘と父親の会話シーンが。
小津安二郎、苦手なんですけどね。物の考え方が。
昔は、時代による考え方の違いかなぁ・・・と思っていたのだけれど、同じ年代の、別の作家さんの作品で好きなのもあるから、監督個人と気が合わないのだと思う。
でも、本作の親子の会話で、ちょっとだけ小津安二郎が好きになった。
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