2008'04.04.Fri
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びっくりしたけど、エリセ作品ってDVD廃盤なの!
ボックスがある程度売れてしまったら、コンスタントな需要はないって判断なのかしら。
わーん!買っておけばよかった・・・。
パンズ・ラビリンス後、フランコ政権時代を描いた映画を引き続き・・・と思い、久しぶりに観てみました。
2~3回は観ているはずなのだけど、全然時代背景なぞ考えたことがなく、父親の事情も、「昔好きだった人が忘れられないんだなぁ」くらいの理解でさ。
それでも自分の中では素晴らしい映画だったのですが、分かってから観たら、うわ!今までって、この映画を「理解した」ことには全然ならなかったじゃん!と呆然。
家の壁に「愛してる」と落書きしやがった娘のカレシについて、「言いたいことが言えていいなあ」としみじみ言った父親の気持ちの後ろにあるはてしない思いに、今回初めて泣いたのでした。
エリセの作品は、セリフという意味では饒舌ではないけれど(それも、単なる自己表現ではなくて、実際に言いたいことが言えない世界で生きてきたからこそ、というのが大きいのでしょう)、人の表情や街の様子やちょっとした演出のはしばしで、ほんとにあらゆることを語っているのだなぁと、大人になってようやく分かってきたように思う。部分的に。
やっぱり外国の映画は、そこに込められた空気や、その国独特の、時代に対する共通理解がないと、ほんとに分からないですね。
そして、本で状況を理解したとしても、気持ちとか空気感は絶対に永遠に分からない。
・・・けれども、分かろうとする、ということは大事。
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長い並木道と、そこを走る自転車、娘と父親、何かの事情があって娘の元から去る父親、その父親にずっとずっと心を寄せ続ける娘・・・というキーワードが、「岸辺のふたり」ともかぶりました。
それは例えばパクりとかというのではなくて、風景自体はヨーロッパにはたくさんあるのだろうし、「何かの事情があって愛するものの元から去らねばならない男性」が、ヨーロッパの複雑な歴史の中では、ほんとにたくさんいたってことなんだろうな、と思ったりしたのでした。
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2008'04.04.Fri
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ギンレイで観ました。
スペイン内戦の時代が舞台・・・とよく書いてあるけど、年代的には内戦はもう終わってて、フランコ独裁政権が樹立、人民戦線派の残党が山などに潜んでゲリラ的に活動してた時代のようでした。
主人公の義理の父親(軍人)が行うゲリラ狩りや拷問、母親の妊娠。
種類の違う血なまぐささの中で、誰にも頼れない不安な日々を送る主人公の見る、夢のような世界。
過酷な現実とファンタジーの世界の対比が見事でした。
過酷過ぎて、子供にはとても見せられない・・と思うのだけど、実際現実には似たような世界に子供が無造作に放り込まれているのだよね・・・。
幕切れも、まるで、今までに内戦その他で殺されてしまった、罪もない子供たちへの鎮魂歌のようで、なんとも切ない美しい終わり方だったのです。
2008'04.01.Tue
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ギンレイホールで観た。
気楽に観られてちゃんと面白いプチサスペンス。
ああもう英語が分かったらさらに面白いんだろうに!
(上流階級の人のふりをする所は、喋り方変えてたりするのかしら?)
何でこんなに安定して「普通に面白い」作品撮る人が、ハリウッドで映画を
撮らせてもらえなくなるのか、全然理解できないんだけど。
ゆるゆるとこういう小品を楽しむ文化自体がアメリカでは衰退してるのだろうか。
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バカ亭主から逃れたい逃れたいと思いつつ、
ずるずるきてしまったウェイトレスの特技はパイ作り。
・・・・ということだから、こうー、特技を活かして
新しい生活に向け、勢いよく頑張る話かと思っていたら、
かなり長い間、ずるずるぐるぐるとしていた。
まあ舞台が田舎町だから、「離婚」っていう発想自体が、
イマドキとは違って「有り得ない」に近いんだろうし。
横暴亭主と暮らしていると、だんだん精神的に支配されてしまって
抜けられなくなる・・・っていうのも分かるし。
そういう意味ではよく作り込んでである映画なのだけれど、
自分もぱーっとしたパワーをもらいたい時に観たので、なんだかやきもき。
脇役、特にパイ店のオーナーが、クラシック映画の味のある脇役と
同じテイストで、とても素敵だった。
それにしてもやっぱり「母は強し」なのだなぁ。
2008'03.30.Sun
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これはジャケ買いでした。
五十嵐大介ブログにフランスのアングレーム漫画祭に招待された話が載っていたので、漫画祭公式サイトを探してみたところ、この本の表紙がトップページに(賞を獲ったかなにからしい)。
面白そう・・・!とamazonで探して買ってみました。
英語版なら読んでみせるさ!マンガだし!と、意気込んだところ、
セリフ一切ナシ。
ははは。
とはいえ豊かな世界観を持つ素敵な話で、買ってみてよかったのです。
異世界が舞台で、レトロSFみたいな雰囲気。
物語は主人公の男性が、家族と離れて異国に出稼ぎに行く所から始まります。
文字もろくに読めない外国で、家を探し、仕事を探し、見たこともない食べ物や習慣にびっくりしつつ、徐々に自分の生活を作っていく話。
この世界では「ダイモン」とはまた違うけど、変な生物が一家に一匹つくきまりのようで、主人公も見つけた新居で、表紙に載っている生き物と出会い、行動を共にするのです。
これが結構色々助けてくれたりして、かわいい。
異国でひとりぼっちの時にこういうのがいてくれたら心強いでしょうね。
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で、引き続き、絵物語。これは文章も多少あり。
映画が発明されて間も無い時期に活躍した、映画制作者であり、マジシャンでもあるジョルジュ・メリエスが作ったからくり人形にまつわる、架空の物語。
ほぼ絵によって物語が進行するのですが、絵コンテよりは丁寧だけど、絵として成立させるには雑然としていて、上のArrivalを読んだ後でもあり、なんとなく世界観にハマれないままでした。
それにしても、amazonの解説の
「アメリカのファンタジー・ファンの間では、「ハリー・ポッターにうんざりしているやつは、これを読め!」を合言葉に、熱い支持を得ています」・・・って。
手先の器用なみなしごの男の子が、駅の中に隠れ住んでいて、
捨てられていたからくり人形をこつこつ修理する話と、
魔法使いの男の子が箒に乗って空を飛ぶ話と、
並べて語る所がアメリカ人だなぁ(偏見)。
2008'03.30.Sun
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映画観てきた。先週。
役者さんや映像作りには大満足。
くるくる姿を変えるダイモンにほれぼれ。
CGがこれだけ発達したからこその映画化。
このCGが安っぽくみえる日だって、いずれ来るのでしょうけど。
ただ、物語はうすっぺらくなってしまっていて、もっと面白いはずなのに!と
首をかしげながら観る羽目に。
原作を通ってない人はこの映画楽しめたのかしら?
というのが不安な出来ではありました。
うーん勿体ない。
とはいえ、ナルニアみたいにとりあえず目の前の敵があるのともちょっと違うし。
指輪物語みたいに明確な目的があるのともちょっと違うし。
観客をひとつの方角へ向かせるのが困難ではある。
ダストとは?ダイモンとは?ゴブラーとは?切り離しとは?オーロラの向こうに見える別世界とは?
・・・その辺を、さくっと説明することはできない上に、どこが最終目的なのかも分からない話だし。
一人でも別の世界の人が混ざってればその人の目を通して
「この世界はこういうきまりで動いてるんですね!」っていうのが描きやすいんだけど。
(「ダイモン」を宣伝に使って、映画に対する予備知識も植え付けた宣伝方法は
上手かったなーとは思う)
・・・次の章も含めて話の順番変えて回想形式にすればよかったのかなぁ。
どうすればよかったんだろう?と原作を読み返してみても、
ああ、ここはぜひ入れて欲しかった・・・!ぜひここも・・・!
という所が多過ぎて、もう自分でも何がなんだか・・・。
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