2008'05.09.Fri
『タクシデルミア〜ある剥製師の遺言〜』観てきた。
観客3人。
祖父(下級兵士)、父(大食いチャンピオン)、息子(剥製師)、3代に渡る物語で、それぞれ妄想エロ、食欲ゲロ、死グロ担当。
この映画の紹介に、色んな監督が引き合いに出されているけど、他の監督のほうがまだずっと表現が上品だったり綺麗だったりする。この作品はどの人とも違って、「身も蓋もなさ」がまず先に来る感じなのに、下品にもゲテモノにもならず、「おかしみ」を含んじゃうあたりが凄かった。
性の描き方、血肉の描き方、ゲロの描き方それぞれに、やっぱり文化の素地が全く違うんだなぁ、と思い知らされる。
たぶん、こっちでは気持ち悪い・・・と目を背ける所が、本国だと一斉に笑う所だったりするのだろうなー。
それにしても外国のゲロって何であんな水っぽいんだろ・・・。
確かフランスのコメディ映画で、何かあるとすぐにゲロ吐くキャラが出てきたけど、やっぱりそんな感じで不思議だったなぁ。
誰かにお勧め!とかはできないけれど、なんか個人的に凄いものを観たな、という感じ。
観客3人。
祖父(下級兵士)、父(大食いチャンピオン)、息子(剥製師)、3代に渡る物語で、それぞれ妄想エロ、食欲ゲロ、死グロ担当。
この映画の紹介に、色んな監督が引き合いに出されているけど、他の監督のほうがまだずっと表現が上品だったり綺麗だったりする。この作品はどの人とも違って、「身も蓋もなさ」がまず先に来る感じなのに、下品にもゲテモノにもならず、「おかしみ」を含んじゃうあたりが凄かった。
性の描き方、血肉の描き方、ゲロの描き方それぞれに、やっぱり文化の素地が全く違うんだなぁ、と思い知らされる。
たぶん、こっちでは気持ち悪い・・・と目を背ける所が、本国だと一斉に笑う所だったりするのだろうなー。
それにしても外国のゲロって何であんな水っぽいんだろ・・・。
確かフランスのコメディ映画で、何かあるとすぐにゲロ吐くキャラが出てきたけど、やっぱりそんな感じで不思議だったなぁ。
誰かにお勧め!とかはできないけれど、なんか個人的に凄いものを観たな、という感じ。
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2008'05.09.Fri
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枕のように厚い本。5センチくらいあるのです。
で、話は3巻から始まって、その後プロローグが入り、1巻、休憩、2巻、4巻の途中にエピローグが挟まる・・・という変な構成。途中で作者が主人公と話し合ったりも。
奇想天外な面白い本なのでは!とわくわくして読んだのだけど、話は予想外に普通だった。
半分は、タイトルと同じラナークという名の男性が主人公の、異世界の話。これが、カフカの城のSF版みたいだなぁ・・・と思ったら、おまけについてた作者インタビューでまさにカフカに影響を受けた、と出ていて、まんまやん、と。
もう半分はラナークがその異世界に来る前に送っていた人生の話。作者の自伝を下敷きにした、ダンカン・ソーという名の主人公の、「悩める青年像」。
自分がひとかどの芸術家であると信じて疑わない自意識過剰の青年が、病を言い訳にぐだぐだと非社会的で非生産的な日々を送る話(この手の話は勝手に「大宰くさい」と烙印を押してしまう・・・)。
認められたい(認められるはずな)のに認められず、愛されたい(愛されるはずな)のに愛されず、孤独の中で憔悴しきっていくわけです。
男性の方が共感する本なのかも知れないなぁ。
・・・女はこういうのは、勝手にしろ、と思ってしまうわけなので・・・。
2008'05.09.Fri
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ふとスパイク・リー入門開始。
『25時』以外だと、たぶん『5ミニッツオールダー』しか観ていないものの、短い時間にかちっと言いたい事を詰め込める作家さんだなぁ、と、うっすら気になっていた。
先日同じくオムニバスの『それでも生きる子供たちへ』を観て、やっぱり上手いと思ったので、今更ながら手を出してみる(『マルコムX』じゃないのかよ!)。
さくっと「この登場人物はこういう性格で、今、こういう状況」っていうのを説明するのが見事なんだよね。
昔の映画だと、もうタイトルバックと同時進行であらかた説明してしまって本編にスムーズに入る作品て多かった気がするのだけど、最近、なかなかそういうのがないような。
本作は完全犯罪モノ。
特に思想性はなく、ひたすらシナリオと作品のリズム感と、役者さんの演技を楽しめて、お家で観賞する娯楽映画としては満足でした。
もうちょっと犯人の動機とか、掘り下げてくれたら深い映画になったと思うのだけど、敢えて描かずに軽やかに締めたのでしょうか。
2008'05.09.Fri
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↑・・・の監督の新作、『愛おしき隣人』観てきた。ものっすごく無愛想な、オチも何もない群像劇。でもなんだかちょっとおかしい。
蛍光灯の下で撮った写真みたいな、暗めの緑がかった映像で、ひとつひとつのシーンは大概カメラを固定して撮っているので、動く絵本みたいな不思議な雰囲気。
雰囲気はとても好きなのだけど、もうちょっとキャラを固定して、同じネタの反復を増やしてくれた方が面白かったかも。『リトル・ブリテン』みたいにテレビシリーズで、ゆるゆると観たいような気もしました。
終わり方は何も『ショート・カッツ』→『マグノリア』な群像劇の流れを踏襲しなくてもいいのに・・・。あの後、●●の雨が降るのかと思ったよ。
2008'05.08.Thu
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丁度文庫になっていたので。
ピーク時よりはマシになってきたとはいえ、著者の無駄にスピリチュアルな所がちょっと苦手なのだけど、まさに沖縄に行くならいいかなーと。
やっぱり那覇を実際に歩いてみて土地勘ができると、登場人物の独り旅の様子が、ありありと浮かぶので、そういう所は楽しめた。
残念ながら(?)島のピュアな男の子と恋に落ちはしなかったけれど(笑)。
でも、私は都会の持つ良さもとても好きなので、島善説とでもいうか、なんか都会を対比させて否定する感じには馴染めないんだけどね・・・。
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結局、島で青い海を見ながら、この本を読んでしまった。
映画『ノー・カントリー』の原作。
キャッチーな本のはずなのに、全然本屋さんで見つからなくて、在庫のあるネット書店から取り寄せた。
アカデミー賞受賞でどれだけ売れるか、出版社が予測を間違ったのかしらん。
作品に漂う哲学を含め、かなり忠実で上手な映画化だったことが判明。
拾った所、削った所、変えた所に、成程そうするものか・・・といちいち感心。
忠実な分、新しい驚きはそんなになかったんだけど、会話文も「」がつかずに地のまま続く文体で、不思議とそれが結構気持ちよかったり。
本の帯にも「純粋な悪」と出てるのだけど、シュガーの存在ってほんとにそうなのでしょうか。
シュガーは、決して他の人が理解はできない、シュガーなりの論理で動いていて、その「理解できない論理」がまかり通る国=老人の住めない国、な気もするのです。
そうすると、分からないからといって「純粋悪」と解釈して終わらせてはいけないような。
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そういえば!
映画の方では、犬は死ぬけど猫は決して死なないのだ。
(原作で出てくる箇所以外でも猫が出てくる)
猫映画!
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