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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.06.Tue
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2010'03.11.Thu
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出演: 岡田茉莉子, 鴨田貝造 監督: 吉田喜重

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古いビルとか、変わった建物が好きな人は、もういつまでも見てしまえそうだし、写真を撮る人やデザイナーさんなども、構図の美しさは色々ヒントにできるのでは。
ロケ地の選び方、画面の完成度にくらくらしました。かっこよすぎる・・・。

とはいえ話はさっぱり分からない。アラン・レネっぽい感じ。
amazonの商品解説に"吉田喜重監督が幻惑的なイメージを駆使して戦後日本の革命運動を批判したドラマ。"とあるけれど、戦後日本の革命運動なるものが感覚として分からないしなぁ。

やっぱり映画は時代の空気を確実にはらむものだし、今、自分がリアルタイムで観られるものは、しっかり享受しておかないとなぁ、と思ったのです。
・・・というところで、昨日の『アバター』に続く。
将来あの映画を観る人は、絶対に昨日の私の「3D凄い凄い!わー!」っていう気分は味わえないんだもんね。

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携帯で見てくれる方もいる以上、エントリーのタイトル=作品タイトルにした方が便利そうね(初期はそうしてたんだけど、何で変えたんだったっけ)。
今後変更します。
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2010'03.11.Thu
アバター (ジェームズ・キャメロン 監督) [DVD]アバター (ジェームズ・キャメロン 監督) [DVD]


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3DのXpanD方式っていうので観てきた。初3D。
ゴーストは出にくいけれど、視野が暗く、メガネが重いタイプ、らしい。
メガネはニット帽の上からかけてちょうどかな。大きめ。最初字幕だけが手前に見える感じで疲れたけれど、そのうちに慣れたし、噂に聞く酔いもなかったのでよかった。

映像、ほんとに凄いね!
最近の3Dって「飛び出す!」っていうよりも、奥行きなんだなぁ。
それをどうよどうよ?と見せ付けんばかりの、遠近感をつけた構図がいっぱい。
ほほーう(・・・と3Dで観る人はじっくり見惚れるシーンは、2Dやテレビで観る人はちょっと退屈かも)。とりわけ森の中のシーンが美しく、ちらちら小さな虫が飛んでいるのなんて、ほんとに触れそう。
もう、とにかくわー!最新の3Dってこう!綺麗!元画面はどうなってるの?と、メガネをつけたり外したり、目とメガネの距離を変えてみたり、遊んでいるうちに前半は過ぎる。

ストーリーは、侵略の前段階の調査のために、現地人に近づいた主人公が、女性と恋に落ち、元々自分が所属していた侵略者側と戦う・・・という、王道話の異星版。
地球人が現地人と交流する時は「アバター」という現地人に似せて作った、生きた操り人形を使うのです。アバターと精神をシンクロさせて操る・・・というより乗り移るという方が近いかな。

主人公は、半身不随になってしまった海兵隊員。
この設定が上手かった。
普段は車椅子で、足なんてやせ細ってもう棒切れみたいでさ。
ところがアバターに憑依すれば五体満足。異星人に、戦士としての訓練を受け、運動能力はさらに上がる。その「走れるよ跳べるよ、もっともっと、わーい!」という開放的な感じが、3Dの美しい別世界の中で、とても効果的だった。
もともとが訓練された軍人さんなので、異星の厳しい試練に耐え抜けたり、現地人でも難しい技を体得できて、それによって信頼関係を作り上げる点も、説得力がある。
これだったら現地の女性も恋に落ちますわよ。

ただ、クライマックスの戦い方がねえ・・・。
人間側のテクノロジーを分かっているメンバーがいるわけだし、もうちょっと何かいい作戦を立てるんだと思ってたのです。
例えば地の利を活かして、しかるべき地形の場所に戦闘機を追い込み、磁力で混乱・自滅させるとかなんか。
いやー、まさか人数集めるだけ集めて、銃器類に対して肉弾戦するとは思わなかったよ。何あの竹槍部隊。まさしく白人vsネイティブアメリカン。主人公は他部族まで巻き込んで、煽るだけ煽って余計な無駄死に増やしただけじゃん。
少なくとも、大事な場所からは敵を離す方向に行かないか。負けても、勝って敵の飛行機が爆発しても、いずれにしろ地表には被害が及ぶわけだし・・・。
てゆーか、ラスボスのあのおじさんを拉致して、不思議な木に縛りつけておくだけで済んだのでは?
そんなこんなで、戦闘場面では疑問符が点滅しまくり。

ここでもキャラクター設定が活きてるよなーと感心した。
味方に、戦いの作戦を立てる能力がある人が全然いないんだもんね。
命令される側の筋肉派の軍人さんと、サンプル集めや語学の勉強にだけ夢中な学者バカ・・・だったらああなっても仕方がないのかもな。
(という設定にすることで、作り手も特に奇抜な作戦を考える手間が省け、とりあえず、どんどんばたばたわーわーさせてれば済む)
ああ、とにかく戦いって空しいね・・・・自然とは共存すべきだよ、うんうん。

・・・自分を無理矢理納得させた感はありますが。
とにかく、3Dはスゴイ!見る価値あり!
3D元年集大成作を体感できて、満足!

色々と調べれば調べるほど、3D観るならアイマックスらしい(撮影方式でまた違うらしいけど)ので、今度は109シネマズでティム・バートンのアリスを観てみようっと。
2010'03.10.Wed
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浅野 いにお (著)

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ソラニン』の試写会に行って来ました。原作既読。
大学は卒業したものの(一人は留年だが)、気分はまだまだモラトリアムな若者たちの物語。

浅野いにおはイタいんですよ、青いんですよ。
いいコトでも、嫌などろどろしたコトでも、キチガイじみた部分でも、もう自分は卒業したモノをつきつけてきやがるんです。それゆえ気になるんだけど、気恥ずかしいというか。
(『おやすみプンプン』まで突き抜けてると、逆に読みやすいんだけど・・・)

特に『ソラニン』は、若い時の自分や周辺が抱えていたもやもやが、まんま描かれていて、なんだか他人とは思えず、ちょっと思い入れがあったのです。
「こんな風になりたい訳じゃないのに、なんでここにいるんだろう。
このままでいいのかなぁ。でも自分は一体何になりたいのかなぁ。」
とか。
「本当はやりたいことがあるんだけど、自分にはそんな才能ないんだろうなぁ。
だからこうするしかないんだろうなぁ。」
とか。
一体どこが自分の居場所なのだろうと、いらいらもやもやしたものを抱えながら過ごしていた、大学卒業したての頃の自分とか、周囲の人達とか、仕事しながら音楽続けていたその頃の恋人とかが、わーっと蘇ってきて、とても正気では観られませんでした。
わー!恥ずかしー!!!!!ばかばかばかばかばかガキガキガキガキ(誰が?)。

なので、映画自体も純粋に評価はできないかも。
結構泣いたりしてしまいましたよ。

といいつつ、評価も試みてみると、思った以上に原作に忠実であろうと頑張り過ぎて空回った感もあったかなぁ。
「これまで拾うか!」って位に、細かいギャグなんかも拾ってる。でも、それだけ拾いまくってるのに、あれ?これは拾わないんだ?っていうポイントが、結構自分の中では大事なとこだったりして。
そして人物描写が薄い。登場人物それぞれが抱えている焦燥感みたいなのが全然描けてなく、それゆえ、種田のあのシーンのインパクトが薄い(あそこでテロップ使うとは思いませんでした!)。たぶん、マンガの文法ではなく映画の文法で描かなければいけないところが、上手くいってないんだろうと思う。
クライマックスのはずのライブシーンは、もうライブってより、あおいちゃんの顔のアップばかり撮りすぎ。しかも曲が盛り上がるところで回想シーン入れやがって、楽曲のヴォリューム落としたのにびっくり。嗚呼せっかくのあおいちゃんの熱唱が。

あれ?けなしてる?

とはいえ!キャストはみんな凄くよく、役者さんの力が、映画の足りない部分を補っていたという感じ。とにかく、あおいちゃんが物凄く上手くてかわいい。ムカつく上司に気持ち悪いメールをもらい、目元をピクっとさせる所など、上手すぎて眩暈がしました。
高良くんも種田にしては顔が綺麗すぎと思ってたけど、思いの他よかった!(イメージ的には、いにお本人なんだけど)
映像も、さすがPV出身の監督さんだけあって綺麗でした!
なのでキャスト目当ての人はいいかも。

ああほんと、あれだけ台詞ひろったのに「死んじゃうなんてずるいよ」は入れないんだなぁ。
自分には凄く印象的な台詞だったんだけど。
2010'03.10.Wed
楽しみにしていた、シネマヴェーラ渋谷の『映画史上の名作3』にようやく。

今回の目玉は、プレストン・スタージェスの未公開作『バシュフル盆地のブロンド美人』!!!!!!!!!!
この人、生涯の監督作品13本が、全て傑作との話を聞くのだけれど、ほとんど日本では観られないのです。文芸じゃなくてコメディな辺りが、日本ではウケないのだろうか。
観た事があるのは『レディ・イヴ』、『パームビーチ・ストーリー』、『サリヴァンの旅』の3本きりなので、楽しみにしてました。
猟奇的な彼女が大活躍の西部劇、とでもいいますか・・・。

映画は、もっそい気合いの入ったカウボーイの老人が、ブロンドのかわいい小さな孫娘に、銃の撃ち方を教えている場面から始まります。
「親のないお前が心配じゃ。大人になる頃にはワシは土の下でコヨーテの声を聞いているだろう。銃が代わりに身を守ってくれる。」
・・・と、お人形遊びをしたがる孫娘にがんがん銃を撃たせ、それが百発百中の腕。
そんなこんなな環境で成長した孫娘は、腹が立ったら即、銃を持ち出すブロンド美人に成長。彼氏の浮気も銃で解決!・・・のはずが、銃弾が当たったのは判事の尻。その騒動がきっかけで巻き起こるてんやわんや。クライマックスは銃撃戦あり、裁判あり。
なんか倫理的に今じゃちょっとマズすぎるのでは?位の、イカレポンチな内容でした。あー面白かった!

同じパターンを繰り返す→またそうなると見せかけてちょっと外す→かと思うとやっぱり!っていうギャグを嫌というほど盛り込んでいるのに、それにうんざりさせられることなく、観ていてうずうずしてしまう、呼吸の上手さってば!

他の作品の公開も待たれます。
願っていれば絶対機会はくるはず!

『バシュフル盆地のブロンド美人(The Beautiful Blonde from Bashful Bend)』
公開:1949年
監督:プレストン・スタージェス
主演:ベティ・グレーブル、セザール・ロメロ、オルガ・サン・ファン

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併映は『輪舞』。フランスのラブコメ。
これが英語字幕のみでねえ。
狂言回しがいて、カップルの片方が、別のひとと繋がってて、でもその相手はまた別の人と・・・とぐるぐると巡る、恋愛ものの連作みたいな形式。
話の流れは絵だけで分かるものの、言葉を追い切れず。
絶対この年代のフランス映画なら面白いはずなのに、味わい尽くせませなんだ。
英語、もっと勉強しないとなぁ。

『輪舞(La Ronde)』
公開:1950年
監督:マックス・オフュルス
主演:ダニエラ・ジョラン、シモーヌ・シニョレ、ダニエル・ダリュー、アントン・ウォルブック、セルジュ・レジアニ、シモーヌ・シモン、ジェラール・フィリップ

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この特集上映はあと2回位は行きたいな・・・。
2010'03.08.Mon
森山未來祭り、番外編として、舞台を観てきました。
カフカの変身
舞台はほとんど観ないので(最後に観たのはNODA MAP番外編のTHE BEE)、それが舞台の方程式なんだよ!って箇所が陳腐に見えちゃったのはあるかも。
・・・という人の感想。

ストーリーは説明不要な、或る朝起きたら虫になっちゃってた話です。
でも「虫」をものの例えと考えると(例えば「病気になった」とか)、家計を支えてくれる息子におんぶにだっこだった家族が、息子が役立たずになったことで、右往左往し、それぞれの我が侭を主張し、大揉めするものの、やがて息子から自立して、しまいには役立たずになった息子を排除しようとする、という酷いけど十分あり得る話です。
最近ではカフカは引き篭もりを予見してた、なんて意見もあるみたい。確かに、甲虫を心の殻と考えるのもアリかも知れない。
・・・という、家族モノ喜悲劇。

舞台のセットはシンプルな金属の骨組み(一部台つき)と椅子だけ。
こういうシンプルなセット、しかも小道具も極力使わないで、マイム(っぽいもの)でやる場合、キャストの表現力にばらつきがあると、変に見えるんですよね・・・。
森山未來が演ずる「虫」はその骨組みをカサカサ登ったり、ぶら下がったり、床に降りてきて家族に悲鳴を上げさせたり。その虫っぽい動きの演技は実に気味が悪くて凄い。この人の身体能力がなければ、実現できなかった表現方法。
それに対抗し得る技量の人がいなかったので、なんか素人とプロが一緒にワークショップやってるみたいなテイストになっちゃってた気がする(お母さん役はまあまあだったけど、父と妹はあれでいいわけ?)。ついでに言うと「下宿人」が、身体能力以前の問題として、物語から凄まじい浮き方をしてたんだけど、「笑いが取れたんだから全部OK」なんでしょうか。ああいう笑い、必要だったんでしょうか。

あとは、いちいち入る効果音がうるさいとか、小道具をもっと工夫して欲しいとか(原作では虫を追い払うのにステッキを使うんだけど、竹竿だった!東欧の物語をやるのに竹竿って!!!)、もっと古めかしい単語を選んで欲しかった("ホワイトソースがたっぷりかかったシチュー"とか、"解き放す"とかちょっと耳に障った)とかは、個人の好みかなぁ(脚本は英語→誰かが翻訳→日本語だったんだろうか。訳す人フィルターがかかっちゃったのかも知れない)。

いまひとつ入り込めずに、「とりあえず虫だけは凄い!虫を観よう!」と、だんだん視線は舞台で何が起ろうとも森山くんにフォーカス。
料金の全ては虫に払った!
何故か2列目真ん中という近過ぎる座席だったため、むしろ前の方で何かが起こってて、奥に虫がいる状況でも、虫だけを堪能できました。やれやれ(ハルキ風)。

「この家族ひでー!かわいそうなグレゴール!」って後味は原作と変わらないのに、なんだかなぁ、というもやもやが残った。
キャストが違ったら全く印象違った気がする。
全員プロのダンサーとかで観てみたいなぁ。

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作 フランツ・カフカ
脚本・演出・美術・音楽 スティーブン・バーコフ
出演 森山未來 穂のか 福井貴一 丸尾丸一郎/久世星佳/永島敏行
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