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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.07.Wed
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タイタニックの黄金カップル再び!
それでサイコ・ホラーさながらの、夫婦の崩壊ものってのも何だかブラックだけど。

絵に描いたような「世間が言うところの幸せな家族」を地で行っている若い夫婦が主人公。
安定した仕事についた旦那様、郊外の美しい一軒家、主婦である美しい妻、二人の子供たち。
・・・これってほんとに「幸せ」?と、妻が考えてしまった時に、崩壊が始まるのです。
ツマんない仕事にあけくれる旦那様、退屈な御近所付き合いに振り回される住宅街、閉塞感のあまり鬱屈した妻、早過ぎた妊娠・・・。

旦那様の方は、「親父のようにはなりたくない」と思っていたようなのに、結局父親が勤めていた会社に就職。上司に押さえつけられながらも適当に仕事をし、仲間とも上手く付き合い、適当に浮気もして、ヨメと子供を食わせてやってるぜ!という(自己)満足にも浸って、そこそこ「幸せ」のフォーマットにハマることに満足を感じている様子。

そこに妻から「こんなの結婚前に思い描いていた幸せじゃないわ!」「あなたはもっと素晴らしいことをやる人よ!」「仕事を辞めて海外に行きましょう。そこであなたはやりたかったことをやればいいわ、今度は私が働くから!」などと言われて大混乱。

観ている間中、妻の方に肩入れしていたのです。
で、夫を「この分からず屋!小者!」(これまたディカプリオの小者演技が最高に上手くて)と内心罵りまくっていたのですが、世間の感想を見ると、大概「キチガイ妻に振り回される気の毒な夫の話」なのね・・・。
うーん。たぶん、観る人の人生観が投影されるんだろうな。
ちょっと自己分析ができてしまって怖いかも。

妻寄り視点の方が、ラスト近くの美しい朝食のシーンに漂う恐怖感が味わえた気がするので、まあ。
素敵な朝食を用意しながら夫の反応を試し、伴侶に最後の絶望する妻と、それに全く気付かず、問題は全て片づいたと無邪気に喜ぶ夫。
あのシーンのディカプリオの「善良な無神経さ」ぶりは素晴らしかった。
そしてそこから導き出されるショッキングなラスト。

もちろん、妻も自分のステイタスを夫に丸投げしてる点はズルいのだけど(こんな素晴らしい夫がいる私は素晴らしいって思いたいわけじゃないですか)、50年代の話って考えると、女の就職や離婚など、女の勝手な行動には色々制約があるのだろう。たぶん。
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公開時に観て面白かった作品を見直そう、第二弾はこの作品。
陪審員に焦点を当てた法廷サスペンス。
米国では(たぶん裁判によるのでしょうが)陪審員コーディネーターみたいな人が被告、原告双方にそれぞれついたりするようだ。そして陪審員候補を徹底調査。人柄、職業、家族構成から過去の経歴、宗教、思想まで調べ上げ、自分たちに不利になりそうな人を振るい落とそうとする。弱みも握っておいて、必要なら脅迫も辞さない。
・・・私が裁判員制度怖いよ〜〜と恐怖するきっかけになった作品でもある。
(ドラマ『ミディアム』でも陪審員を選ぶためのアドバイスをするシーンがあったし、候補の中から誰をチョイスするかも法廷戦略のひとつ、というのは米国では常識なのでしょうね)

銃撃事件の犠牲者が、銃器メーカーを訴えるという、社会的に影響力のある裁判において、志の高い弁護士、銃器メーカーの依頼で暗躍するコーディネーター、陪審員たち、原告被告双方に、票決を金で買うことをもちかける謎の人物などが入り乱れる。
冒頭から一瞬で状況やキャラクターの特徴を説明してしまう演出力も素晴らしく、ハイスピードで物語は走る走る。ラストの票決シーンと謎の人物が誰か判明するシーンの同時進行は2回目でも心臓が縮みそうに。
うーん、やっぱり面白かったー!!!

裁判員制度導入後も、日本がこんな世界になるには時間がかかるのでしょうが、でも怖いよ怖いよー。
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「観たい!読みたい!」と思った時とはタイミングがズレるのが、宅配レンタルや図書館の予約本の残念なところでもあり、面白いところでもある。
手元に来た時にはどうしてそれに興味を持ったのか記憶になかったり・・・。
でも、過去の時点の自分が何か気持ちを揺らした理由はあるはずで。

・・・というパターンで「はて?」と思った本作。
古いお屋敷への引っ越し、壁に隠されたエレベーター、屋根裏部屋、開いてはいけない本、家を守る魔法の輪、妖精を観ることのできる目・・・。
子供のわくわく要素がいっぱいのファンタジー。
なにより、双子とその姉が、魔法ではなく、それぞれの能力駆使して、自力でピンチを切り抜けるのがよかった。好奇心一杯の主人公が「妖精の書」をひも解き、動物好きの双子の兄弟が巨大なグリフィンを手なづけ、姉はフェンシングの達人で、迫り来るゴブリンどもと剣で闘う。最大の武器がトマトソース爆弾だったりするのも、身近な感じ。
大人が観ても、そこそこ楽しめた。

しかし何で予約したんだかさっぱり思い出せなかったわ。
2009'02.17.Tue
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mixiに三崎亜記っていう人の『廃墟建築士』の広告が載り、そういえば「あき」って名前の作家さんでちょっと好きだなぁと思ったのに、それきり読んでいない人がいたはずだよ、日本ファンタジーノベル大賞を割と初期に獲った人で・・・と調べたらこの人でした。
連想広告効果。

第一次大戦頃のヨーロッパ(オーストリア、ロシア、セルビアあたり・・・また東欧かよ!)を舞台にした、歴史の裏側で暗躍する超能力者もの・・・というのが正しいか。
その能力が、ちょっと文章でしか表現し得ないような、不思議な感覚的なもので、読んでいると引きずり込まれる感じ。濃厚な「文学体験」が楽しめました。
続編も読まなくては。

しかしくっついてる豊崎由美の解説が無駄に腐女子っぽくてねえ。
解説を先に読んでいたら、気持ち悪くなって本編読まなかったかも。
ある種の読者に大しては物凄い訴求力を発揮するだろうけど、間違いなく間口狭めてる。
別に自分のエッセイなどなら、いくら趣味の世界を展開してくれてもいいんだけど、ジャンルの特定もされていない、人の本の解説で「萌えっ」とか書くのは私は感心しません。

またそれとは違う意味でamazonのレビュー(上記リンク先)が排他的。
「俺は面白かったけど、素人には読み解けないぜ」という論調が多いのが興味深い所。

・・・色んな狭い間口があちこちに開いている作家さんなのやも。
2009'02.16.Mon
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友達が誘ってくれて、観てきたよ『ベンジャミン・バトン』。
上映時間3時間近く。飽きずに観られることは観られた。
でもすごーく無駄な所や納得の行かない所があって、いまひとつ。
1時間位、余裕で削れたと思う。

大体どうなの?ヒロインとのハネムーン生活さながらの堕落した日々は、やっぱり親の遺産を食いつぶしてたの?
老いて生まれて若返って死ぬっていう特異体質は大変そうだったけど、拾って育ててくれる人がいて、遺産を残してくれる親がいて、女にモテモテで、晩年引き取って世話してくれる人がいて、何て恵まれた境遇!
それにどんどん甘えていく主人公に、見終わってから友達と「若者になってからどんどん堕落して行くって、そもそも男としてあれはどうよ?働けよ!」「おじいちゃんの時の方が(船乗りになったりして)男らしかったよね?」と、非難轟々。

それと、主人公がラスト近く、放浪の旅に出るのですが、インドロケだのチベット(ぽい所)ロケだの、わざわざ挿入する意味不明。お金が余ったのかしら。
「ブラピが行きたがっただけじゃないの?」とさらに非難轟々。

なんとなく微妙でやたら長い映画でしたとさ。
デビッド・フィンチャー、次回作もこんな(ぬるい大作)だったらどうしよう・・・。
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