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猫の魚辞退

タイトルは長続きしないものの例え。映画・読んだ本の感想メモ。追記したり書き直したりも多いからあんまあてにならない。 日付は観た日付とは限らない。

2025'05.09.Fri
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2008'07.24.Thu
シェル・コレクター (新潮クレスト・ブックス)シェル・コレクター (新潮クレスト・ブックス)
Anthony Doerr 岩本 正恵

新潮社 2003-06
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群馬独り旅のお供に持って行った短編集。
全編、孤独を「よいもの」とするスタンスは、独り旅にぴったり。

この訳者が手がけた本は面白いかも?と最近思い始めた。
『世界の果てのビートルズ』、『四月馬鹿』、『ノーホエア・マン』、そして本書もとてもよかったので。

自分の中にある、山の中や雪の中、海辺に一人で佇んで、かすかな物音に耳を傾けながら、周囲に静かに静かに溶け込む感覚が、呼び覚まされる感じがした(田舎で育ったからこその感覚でしょう)。
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2008'07.24.Thu
らも―中島らもとの三十五年らも―中島らもとの三十五年
中島 美代子

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中島らも夫人が、夫について語った本。
思っていた以上に、二人の暮らしはずるずるのぐだぐだだったんだなぁと思った。
金銭面でかなり親に頼りつつ、酒と薬まみれのラリラリ生活。
破天荒な生活ってやっぱ親のお金があってこそ成り立つのかしらん。

・・・まあだからって、中島らもの仕事が色褪せることもないし。

同性としては、作者が愛人(わかぎえふ)を見下ろして、「私が一番彼の事を分っていたし、結局最後、彼は私のところに戻ってきたでしょう?」といわんばかりの、「本妻宣言」じみた自意識が透けて見えていて、その辺が下世話にも面白かったり怖かったり。

どういう風にするのが、相手の事を一番想ったやり方なのか、というのは、永遠に答えは出ない訳だけど。

アル中で肝臓ボロボロの人に対し、
頑として飲みたがっている酒を与えず、治療に専念させる、というやり方(わかぎ)と、
彼自身が飲みたがってるなら飲ませればいい、というやり方(妻)。

よく、前者は「自分が彼に生き延びて欲しいからなだけで、本当は相手の立場に立っていない」と言う人がいるけれど、後者も「彼のしたいことをさせてあげている、彼の事を一番よく分っている私」と悦に入れる訳だから、どっちも自己満足を含むんだと思う。
だったら生き延びさせる方が、私はいいと思うんだけどなー。
2008'07.22.Tue
百万円と苦虫女百万円と苦虫女
タナダ ユキ

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サッカーの遠征ついでに、初日に高崎の映画館で観てきた。
映画館はポケモン&ポニョ初日で、ガキどもで地獄のような有り様になっており、ロビーの喧騒には倒れそうになったものの、中に入れば子供ゼロ。
お客は20人位でガラガラだったのだが、何故か蒼井優目当てっぽい男性1人客のみ、同じ列に1列に集められていて不思議だった。

知らない街でバイトしてお金をため、あまり深い人間関係は構築せず、100万円たまったら次の街に移動する女の子の話。
もっと何か、人生の指標が得られるかなーと思ったんだけど、最近よくあるゆるゆるJ-popムービーの枠に収まる普通の映画だった。
まあ、蒼井優は可愛いし、脇役のキャストも豪華で、観ていて安心。

とはいえ個人的には、猫が死ぬ場面がある・・・という超個人的NGは置いておいても、人が勝手な言い分を他人に強硬に押し付ける場面がやったら出てくるので、びっくりして疲れた。
(冒頭の同じバイトの女の子、家族の食卓、村の寄り合い所・・・・)
まあでも、自分がそういう場面が極端に苦手なだけで、普通はそこそこ楽しんで観られる映画なんじゃないかなとも思う。
2008'07.16.Wed
さよなら僕の夏さよなら僕の夏
レイ・ブラッドベリ [訳]北山 克彦

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『たんぽぽのお酒』の後日譚。
というか、もともと書いた『たんぽぽのお酒』の原稿には入っていた部分で、出版する時に「長過ぎる」ということで、お蔵入りしていたらしい。それを何年も何年も温め温め、ようやく出版に至ったという事情が。
キラキラした少年時代から、ちょっとだけ大人への一歩を・・・という部分だけ抜き書きしてあるので、やや中途半端。たぶん、『たんぽぽのお酒』から続けて読んで、丁度なのではないかと思う。

ちょっと違和感を感じたのは、少年たちが「年をとりたくない」「老人になりたくない」と思う所。時の流れに抵抗するべく街の大時計を止めたりするのだけど、子供の頃って、どちらかというと、早くもうちょっと大人になりたいと思わなかったけ?
お酒も飲んでみたい、タバコも吸ってみたい、デートもしてみたい、好きな物を思い切り食べたい、勉強しろって言われなくなりたい・・・。

・・・いや、そんなことないかなぁ・・・。

ちょっと少年の視点よりも、年をとった作者の視点が勝ち過ぎてる気がしたのだけど、私の方が子供のころの気持ちを忘れてしまっただけかも知れない。
「ずっとこのままがいい」なんて思ったことあったかなぁ・・・。
2008'07.16.Wed
間宮兄弟(通常版)間宮兄弟(通常版)
[監督]森田芳光 [出演]佐々木蔵之介 塚地武雅

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録画してたやつを見た。
おっとりと気持ちのよい映画。

原作は既に読んでいて、そちらについては、時々折り込まれる、兄弟を取り巻く女性達の視点が打算的で残酷なのが恐ろしく、それと兄弟の頑固なまでの純粋さの対比が面白かったのだけど、映画の方はそういう要素はあまり入れなかったんですね。
(まあもちろんその方が気持ちいい作品になるんだろうし、正解なのだろう)

江國香織の小説は、とにかく具体的に、映画や小説のタイトルや、作家名や、商品名、ブランド名などをたくさん入れて、それによってキャラクターのディテールを表現する所があるけれど、映画だとそういう手法は(権利関係とかの諸事情で?)全然使えないものかしらん。
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