2009'04.07.Tue
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『西のはての年代記』の2冊目。
『ゲド戦記』とは全く関係ないのだけど、ここまではパターンがそっくり。
一冊目は少年が主人公で、最も打ち勝つべき敵は自分自身なのだと、悟るまでの物語。二冊目は少女が主人公で、密室の中で世界を学んでいく物語。で、社会のシステムがぐるっとひっくり返ることが起こる。一冊目の主人公は大人になって登場する。さて、三冊目は『ゲド』に倣うとすればさらに時代が進むんだろうな(とはいえ、『ゲド』は最初の二冊は好きで何度も読んでいるのに、三冊目は初回読んだだけで、記憶が全くないから分析ができないや)。
好戦的な民族に制圧された、豊かな文化をもつ民族が、書物を読むことも、所有することも禁止される中、秘密の部屋に書物を隠し守っており、主人公の少女がそこで読み書きを学ぶ・・・という状況だけでわくわく。作者は本当に「言葉」の持つ力を心から信じているんだろうなと思う。
主人公は母親が敵国の兵士にレイプされて生まれた混血児だったり、その家族は拷問で身体を壊していたり、さらさらと語られるシビアな状況はまんま、今の世界にも当てはまったりして。
そんな中で、どの女性キャラクターも生き生きと力強く、やっぱりこのシリーズも二冊目が一番心魅かれた。
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