2007'08.01.Wed
■ラザロ-朝日のあたる家 篇 監督:井土紀州
撮影順に観たようです。
撮り方が凄い上手くなってる・・・!
男が自転車を押しながら、シャッターの下りた寂れた商店街を手前に歩いてくる背後で、車椅子を含む一団のシルエットが向こうへ歩いて行く画とか、車中で新聞に目を通す男の背後のずっと遠くの防波堤を、白い服を着た人物が歩いてくるのが小さく見える画とか、凄い映画的だね!・・・いやいや、これ映画だし・・・!と思ったり。
こういう印象的な画作りは、前の2作にはなかったような。
徐々に監督さんが、映画の文法を身につけていくのを見守る連作でありました。
映画は映画として、低予算ながらよくできてる、とは思うのだけど、格差社会のせいで不幸になった女性が社会に復讐する話、としては、リアルに共感して観る事はできなかった。
「彼女はかくしてモンスターとなった」篇である本編も、何で一連の事件を個人でなく社会のせいにしちゃうのか、心情的には納得できない部分が強くって、自分はどんな目に遭ったら、よく知らん人を殺せるくらいに世間を憎めるだろうなぁ、と考えたり、コンプレックスとプライドってワンセットなんだなぁ、と感じたり。
----
それにしてもこれって大体、妹が余計なことさえしなければ誰も不幸にならなかったんじゃないの?
人間の弱いとこを突いて追い詰めてまで物事に正しさを求めるのはやっぱり間違いだー。わー。
撮影順に観たようです。
撮り方が凄い上手くなってる・・・!
男が自転車を押しながら、シャッターの下りた寂れた商店街を手前に歩いてくる背後で、車椅子を含む一団のシルエットが向こうへ歩いて行く画とか、車中で新聞に目を通す男の背後のずっと遠くの防波堤を、白い服を着た人物が歩いてくるのが小さく見える画とか、凄い映画的だね!・・・いやいや、これ映画だし・・・!と思ったり。
こういう印象的な画作りは、前の2作にはなかったような。
徐々に監督さんが、映画の文法を身につけていくのを見守る連作でありました。
映画は映画として、低予算ながらよくできてる、とは思うのだけど、格差社会のせいで不幸になった女性が社会に復讐する話、としては、リアルに共感して観る事はできなかった。
「彼女はかくしてモンスターとなった」篇である本編も、何で一連の事件を個人でなく社会のせいにしちゃうのか、心情的には納得できない部分が強くって、自分はどんな目に遭ったら、よく知らん人を殺せるくらいに世間を憎めるだろうなぁ、と考えたり、コンプレックスとプライドってワンセットなんだなぁ、と感じたり。
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それにしてもこれって大体、妹が余計なことさえしなければ誰も不幸にならなかったんじゃないの?
人間の弱いとこを突いて追い詰めてまで物事に正しさを求めるのはやっぱり間違いだー。わー。
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2007'07.31.Tue
■紀子の食卓 監督:園子温
序盤は寒いのとイタいのとで背中がぞわぞわ。
レンタル家族サービスが出てくる辺りから面白くなってきた。
久々に「つぐみに期待してるものを見せてくれるつぐみ」を観た気が・・・。
脱いではいないけど。いや、脱いで欲しいっていうわけでもないけど。
もう「親は私のことを何にも分かってないわ!」とやさぐれる年齢をかなり通り越してしまったので、心底はハマれないままだったんだけど、刺激的で面白い作品だった。
■もしも明日がえらべたら 監督:フランク・コラチ
アダム・サンドラー主演、ウォー様が怪しい役で出演、ということでレンタル。
きゃー、ウォー様ー!ウォー様ー!・・・とそれだけで満足。
きちんと面白く作ってある良作(監督さんはウェディング・シンガーの人)。
・・・まあぶっちゃけ、話は「クリスマス・キャロル」なんだけどね・・・。
妻役のケイト・ベッキンセイルって『シューティング・フィッシュ』のあの女の子なのかー。
序盤は寒いのとイタいのとで背中がぞわぞわ。
レンタル家族サービスが出てくる辺りから面白くなってきた。
久々に「つぐみに期待してるものを見せてくれるつぐみ」を観た気が・・・。
脱いではいないけど。いや、脱いで欲しいっていうわけでもないけど。
もう「親は私のことを何にも分かってないわ!」とやさぐれる年齢をかなり通り越してしまったので、心底はハマれないままだったんだけど、刺激的で面白い作品だった。
■もしも明日がえらべたら 監督:フランク・コラチ
アダム・サンドラー主演、ウォー様が怪しい役で出演、ということでレンタル。
きゃー、ウォー様ー!ウォー様ー!・・・とそれだけで満足。
きちんと面白く作ってある良作(監督さんはウェディング・シンガーの人)。
・・・まあぶっちゃけ、話は「クリスマス・キャロル」なんだけどね・・・。
妻役のケイト・ベッキンセイルって『シューティング・フィッシュ』のあの女の子なのかー。
2007'07.28.Sat
■つむじ風食堂の夜 吉田篤弘
■フィンガーボールのつづきの話 吉田篤弘
『それからはスープのことばかり・・・』が一番美味しそうと思うのー(私信)。
ミクシィで友達に勧めたら、思った以上に気に入って喜んでもらえて嬉しかった吉田篤弘。
私自身がすっかりハマっていて、まだまだ未読の作品があることにわくわくしてしまう。
『つむじ風食堂の夜』はなんとなく、一人で冬の星空を見上げてるような気分になる感じ。
太陽がなくなったらずっと夜なんだなー、宇宙はずっと夜だから、夜って宇宙により近いんだなー・・・なーんていう主人公の思考回路にどっぷりハマる。
・・・あれー?そういえばなんで、太陽があるのに宇宙はずっと夜なんだ・・・?空気がないから・・・?
(調べる)
宇宙空間には光を反射する物が無いので暗いままなんだだそうだ。
自分、何にも知らないな。
『フィンガーボールのつづきの話』はビートルズのホワイトアルバムがキーアイテム。
昔浴びるように聞かされたビートルズだけど、トラウマにならない位にそのものが素敵で、今では自分の中の財産。
ホワイトアルバム大好き。
そうそうこの間、うーさんに「女の人は何で人の服装とか部屋とかに手を出したがるのか」と言われたのに対し「男の人は俺様編集テープとか寄越すじゃん」と言い返したのだけど、なんか考えるにつけそれって女は外見を自分色のに染めたがり、男は中身を自分色に染めたがるみたいで、男のやることの方が罪深い感じがして悔しいな・・・。
・・・罪深く愛してよって曲が昔charaにあったな・・・。
■極上掌篇小説
いしいしんじ 石田衣良 伊集院静 歌野晶午 大岡玲 大崎善生 片岡義男 勝目梓 車谷長吉 玄侑宋久 小池昌代 佐伯一麦 佐野洋 重松清 高橋克彦 高橋源一郎 高橋三千綱 嶽本野ばら 筒井康隆 西村賢太 橋本治 蜂飼耳 平野啓一郎 古川日出男 星野智幸 堀江敏幸 又吉栄喜 三田誠広 矢作俊彦 吉田篤弘
ショートショート集。好きな作家さんのは面白かったし、知らん人のは知る必要がなかった(新しい発見はなかったという意味)。
ばさっと切って終わらせれば「上手いオチ」と思い込んでる人は嫌。
■フィンガーボールのつづきの話 吉田篤弘
『それからはスープのことばかり・・・』が一番美味しそうと思うのー(私信)。
ミクシィで友達に勧めたら、思った以上に気に入って喜んでもらえて嬉しかった吉田篤弘。
私自身がすっかりハマっていて、まだまだ未読の作品があることにわくわくしてしまう。
『つむじ風食堂の夜』はなんとなく、一人で冬の星空を見上げてるような気分になる感じ。
太陽がなくなったらずっと夜なんだなー、宇宙はずっと夜だから、夜って宇宙により近いんだなー・・・なーんていう主人公の思考回路にどっぷりハマる。
・・・あれー?そういえばなんで、太陽があるのに宇宙はずっと夜なんだ・・・?空気がないから・・・?
(調べる)
宇宙空間には光を反射する物が無いので暗いままなんだだそうだ。
自分、何にも知らないな。
『フィンガーボールのつづきの話』はビートルズのホワイトアルバムがキーアイテム。
昔浴びるように聞かされたビートルズだけど、トラウマにならない位にそのものが素敵で、今では自分の中の財産。
ホワイトアルバム大好き。
そうそうこの間、うーさんに「女の人は何で人の服装とか部屋とかに手を出したがるのか」と言われたのに対し「男の人は俺様編集テープとか寄越すじゃん」と言い返したのだけど、なんか考えるにつけそれって女は外見を自分色のに染めたがり、男は中身を自分色に染めたがるみたいで、男のやることの方が罪深い感じがして悔しいな・・・。
・・・罪深く愛してよって曲が昔charaにあったな・・・。
■極上掌篇小説
いしいしんじ 石田衣良 伊集院静 歌野晶午 大岡玲 大崎善生 片岡義男 勝目梓 車谷長吉 玄侑宋久 小池昌代 佐伯一麦 佐野洋 重松清 高橋克彦 高橋源一郎 高橋三千綱 嶽本野ばら 筒井康隆 西村賢太 橋本治 蜂飼耳 平野啓一郎 古川日出男 星野智幸 堀江敏幸 又吉栄喜 三田誠広 矢作俊彦 吉田篤弘
ショートショート集。好きな作家さんのは面白かったし、知らん人のは知る必要がなかった(新しい発見はなかったという意味)。
ばさっと切って終わらせれば「上手いオチ」と思い込んでる人は嫌。
2007'07.25.Wed
■ラザロ 監督:井土紀州
-蒼ざめたる馬 篇
-複製の廃墟 篇
公開のされ方が変わっていて、AプロとBプロ(別料金)に分かれている。
Aプロがエピソードゼロにあたる「主人公(女性)はいかにしてこうなったか」篇、Bプロが上記の2本立てで、主人公が格差社会に対する憎しみを露わに、資産家の息子を殺して財産を奪う話と、偽札を徹底的にばらまいて日本経済をひっくり返そうとする話。
とりあえずAプロまだ観てないので感想保留。
あまりお金のかかっていない作りなのだけれど、きっちり一編を通してテンションが下がらない、エネルギーに満ちた作品ではあると思う。
Aプロでちゃんと「こんなことがあったからにはああいう犯罪に走っても仕方がないさ」と思わせてもらえるといいなぁ・・・。
-蒼ざめたる馬 篇
-複製の廃墟 篇
公開のされ方が変わっていて、AプロとBプロ(別料金)に分かれている。
Aプロがエピソードゼロにあたる「主人公(女性)はいかにしてこうなったか」篇、Bプロが上記の2本立てで、主人公が格差社会に対する憎しみを露わに、資産家の息子を殺して財産を奪う話と、偽札を徹底的にばらまいて日本経済をひっくり返そうとする話。
とりあえずAプロまだ観てないので感想保留。
あまりお金のかかっていない作りなのだけれど、きっちり一編を通してテンションが下がらない、エネルギーに満ちた作品ではあると思う。
Aプロでちゃんと「こんなことがあったからにはああいう犯罪に走っても仕方がないさ」と思わせてもらえるといいなぁ・・・。
2007'07.25.Wed
■恋愛睡眠のすすめ 監督:ミシェル・ゴンドリー
映像が凝ってて、意図が意気がってる割にあんまり中身がない感じで、好きになれなかったこの監督さん。
シンプルに男の子の暴走片思い妄想に徹したこの作品が今までで一番好きかも知れない。
とにかくこの映像を楽しんで、ぐるぐるする主人公を眺めていればいいんだなぁ・・・とゆったり構えられたので、監督お得意の、おもちゃ箱みたいな夢の映像世界をわくわく堪能できました。
部屋のインテリアなんかも楽しかった。
-----
隣室を盗聴する『聴かれた女』とか、隣室との壁をマジックミラーにすり替えて彼女の全生活を覗き見する『恋人たちのアパルトマン』とか、主人公が隣の部屋の女の子に片思いして、ストーカー的な行為をするんだけど結果的に上手くいっちゃう映画(描かれてませんが本作も結局上手くいったと思うのです)に共通してて、現実にはあまりないだろうなあ、と思うのが、主人公の男性がちゃんと女性本人にアプローチもして、それなりに魅力的な会話を展開したり、素敵な企画をしたりしてるところ。
普通にしてても十分魅力的なヒトがちょっと(??)ストーカーするから、女性側が見ても上手くいくことに何となく納得しちゃうんだよね・・・。
映像が凝ってて、意図が意気がってる割にあんまり中身がない感じで、好きになれなかったこの監督さん。
シンプルに男の子の暴走片思い妄想に徹したこの作品が今までで一番好きかも知れない。
とにかくこの映像を楽しんで、ぐるぐるする主人公を眺めていればいいんだなぁ・・・とゆったり構えられたので、監督お得意の、おもちゃ箱みたいな夢の映像世界をわくわく堪能できました。
部屋のインテリアなんかも楽しかった。
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隣室を盗聴する『聴かれた女』とか、隣室との壁をマジックミラーにすり替えて彼女の全生活を覗き見する『恋人たちのアパルトマン』とか、主人公が隣の部屋の女の子に片思いして、ストーカー的な行為をするんだけど結果的に上手くいっちゃう映画(描かれてませんが本作も結局上手くいったと思うのです)に共通してて、現実にはあまりないだろうなあ、と思うのが、主人公の男性がちゃんと女性本人にアプローチもして、それなりに魅力的な会話を展開したり、素敵な企画をしたりしてるところ。
普通にしてても十分魅力的なヒトがちょっと(??)ストーカーするから、女性側が見ても上手くいくことに何となく納得しちゃうんだよね・・・。
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